台湾にとって記念すべき1年となる2019年。でも、それだけじゃない!現地在住7年の僕が、今年のLGBTプライドに絶対参加したい理由をまとめてみました。
こんにちは!台湾でボーイフレンドと暮らしてもうすぐ丸7年のMae(@qianheshu)です。
台湾はいよいよ9月より、各地でLGBTプライドが開催されるパレードシーズンに突入します!
僕も、毎年旅行を兼ねてLGBTプライドへ参加するのを、とても楽しみにしているのですが、今年はこれまでにも増して、参加したい気持ちが高まっています。
と言うのも、2019年は台湾にとって、特別に大切な1年だから。
例年以上に、大きな役割を担うイベントとなることが予想されます。
2019年はなぜ、台湾にとって特別なのか?
今日は、僕が2019年の今だからこそ台湾のLGBTプライドに参加したい3つの理由について、シェアさせていただきたいと思います。
2019年は、台湾がアジア初の同性婚を実現した記念すべき1年。
同性婚決まったーーーーーーーーーっ!!!おめでとう台湾❤💛💚💙💜 pic.twitter.com/sgQWzE2wNH
— kazukimae🌈 (@qianheshu) May 17, 2019
今年2019年が台湾にとって、
大切な1年である一番の理由。
それは、台湾がアジアで初めて
同性婚を実現したからに他なりません!
台湾で同性婚が実現したのは、
今年の5月。
婚姻届を提出した同性カップルは、
実現後およそ1ヶ月で1000組以上とも報道されており、
まさに新しい社会への一歩を踏み出したばかり
というタイミングです。
関連報道→【同婚登記將滿月 1068對登記、2對離婚 | 自由時報】
そんな記念すべき1年のLGBTプライドは、
お祝いムードも追い風となって、
各都市とも例年以上に盛り上がること必至!
アジア最大級と言われる
「台灣同志遊行(台湾LGBTプライド)」は、
昨年の参加者13万人をさらに上回る、
20万人が集まるとの予想も出ています。
「絶対に参加したい!」
「いろいろな街のパレードを歩きたい!」
僕がそう思わずにはいられない大きな理由に、
「台湾が成し遂げたアジア初の快挙」があるのは、
間違いありません。
来年に控える台湾総統選挙を前に、社会へと広くメッセージを伝えるチャンス。
台湾は来る2020年1月に
台湾総統と立法委員を決める選挙が行われます。
国の未来を決める、非常に重要なこの選挙。
今年のLGBTプライドはその日に向けて、
社会に広くメッセージを伝えられる、
絶好のチャンスです。
同性婚が実現した台湾ですが、
実はまだ、異性カップルの結婚と
全く同じ権利が認められたわけではありません。
例えば、パートナーのどちらかが外国籍の場合は、
現在でも婚姻届を提出することができません。
正確には、外国籍パートナーの母国に
同性婚制度がない場合は、
台湾での結婚も認められません。
そのため、たとえ2人が婚姻関係に相当するほど
親密な関係にあったとしても、
異性カップルであれば結婚した上で手にできる
「配偶者ビザ」の申請が不可。
学生ビザや就労ビザ、ワーキングホリデービザなど、
いつ切れるとも分からない、他のビザを使って、
2人の生活を繋ぐほかない状態が、
依然として続いています。
また、あらゆる同性カップルは、
血縁関係にない子供を
養子に迎えることができません。
そのため、男性同士のカップルの場合は、
必然的に代理母出産に頼らざるを得ないことになりますが、
これも、台湾の現法律では認められていない。
他にも、
真の平等のために解決すべき問題は、
まだ数多くのこされています。
同性婚を実現ヘと導いた民進党率いる現政権は、
結婚をより平等なものにしようと、
今もなお討論を続けている最中。
しかし、選挙後も現政権が続投できるかどうかは、
現在危ぶまれている状態です。
優勢と見られている対立勢力の中には
「(選挙で当選すれば)同性婚実現前の状態に戻してみせる」
と発言する立法委員候補も。
選挙の結果次第では、
現在進められている前向きな討論が止まるばかりか、
後退する可能性も決してゼロではありません。
だからこそ、
台湾人同性パートナーを持つ一人として。
現地で暮らす、台湾が大好きな外国人の一人として。
台湾がアジア初で導き出した決定が、
間違いなどでは決してないことを、
世界に大きな希望を与えてくれたことを、
一人でも多くの方に知っていただきたい。
僕一人の力なんて雀の涙にも及ばないほど
小さなものかもしれませんが、
それでも何か伝えられることはあると信じて、
一歩一歩を歩きたいと思います。
2019年の今だからこそ、改めて肌で感じたい台湾の「自由」。
台湾がアジア初の同性婚を実現できたのは、
台湾に「自由」があるからに他なりません。
自由に発言し、自由に行動し、
自由に討論を起こす。
声を上げることで、社会をより平等で、多様で、
より多くの人にとって
生きやすいものへと変えていく。
台湾に生きる人々が、
長年にわたって積み重ねてきた
努力と勇気があったからこそ、
アジア初の快挙も実現できたのだと、
僕は思います。
同性婚に関する討論が起こるより、
さらに前の時代から、
台湾は、「自由」を手に入れるために、
決して自由ではなかった歴史を歩んできました。
だからこそ、
「自由」の尊さを痛いくらいに分かっているからこそ、
それを手に入れるために、
そして手に入れたものを守るために
一生懸命です。
そして、その「自由」のために、
まさに今現在も、たくさんの方策を打ち、
戦い続けています。
時には、「自由」を守るために、
少なからぬ痛手を負ってしまうこともあります。
「自由」の尊さを知っているからこそ、
決して遠くないところで起こっている出来事の数々に
胸を痛め、心からの応援の声を贈っています。
そんな様子を身近に見ていると、
改めてこの国の手に入れた「自由」を、
びしびしと肌で感じたくなってきたのです。
LGBTプライドは、
「自由」の一つの象徴。
セクシュアリティも、年齢も、国籍も関係なく、
誰もが自由に着飾り、自由にメッセージを伝え、
自由に歩き、自由に楽しむことができる。
普段の生活の中で、ふと忘れがちで、
当たり前のことと思ってしまいがちな「自由」のパワーを、
2019年の今だからこそ、もう一度見つめ直したい。
そんな気持ちも、
今年のLGBTプライドシーズンに重ねるようになりました。
秋に台湾で開催される4つのLGBTプライドは?
さて、来月9月より始まる
秋のLGBTプライドシーズンには、
台湾全国で4つのパレードが開催されます。
台北で行われるアジア最大級のLGBTプライド
「台灣同志遊行(台湾LGBTプライド)」が
最も有名ではありますが、
花蓮、台中、高雄で行われるLGBTプライドも、
それぞれに特色があって注目のイベント。
シーズン中に台湾へお越しのご予定がある方は、
各都市へのご旅行も兼ねて、
ぜひ参加されてみてはいかがでしょうか。
花東彩虹嘉年華(台湾東部LGBTプライド):9月28日(土)、9月29日(日)
先陣を切るのは、
台湾東部の都市・花蓮と台東にて行われる
「花東彩虹嘉年華(台湾東部LGBTプライド)」。
今年は、9月28日(土)が花蓮でのパレード、
9月29日(日)が台東での青空市となっています。
台湾東部の都市の中でも、
最も早い時期から開催されている花蓮のパレード。
昨年は、まさに
「嘉年華(カーニバル)」の名にふさわしい盛り上がりとなり、
期間中は街の様々なところで
レインボーフラッグを掲げたカフェやショップに
出会うことができました。
今年もきっと、
さらに進化を遂げたイベントとなってくれること、
間違いなしです!
関連記事→【「花東彩虹嘉年華(台湾東部LGBTプライド)」レポート。台東・花蓮から2018台湾秋のパレードシーズンが開幕です!】
花東彩虹嘉年華(台湾東部LGBTプライド)
開催予定日:[花蓮(パレード)]2019年9月28日(土)/ [台東(青空市)]2019年9月29日(日)
Facebook:https://www.facebook.com/hlLGBT
台灣同志遊行(台湾LGBTプライド):10月26日(土)
この日のために世界中から参加者が集う、
台湾で最も有名なLGBTプライド
「台灣同志遊行(台湾LGBTプライド)」。
昨年は13万人以上の参加者数を記録し、
文字どおり、街中をにじいろに染め上げて行きました。
イベントから1ヶ月後には、
同性婚と性別平等教育に関する
国民投票が控えていたこともあり、
一丸となって支持を訴えかける姿も
非常に印象的でした。
今年の参加者数は20万人とも予想されている、
台灣同志遊行。
パレード前後には、
関連イベントも街の様々なところで催されますので、
毎日寝不足になるまで(!?)
とことん楽しんじゃいましょう!
関連記事→【台灣同志遊行(台湾LGBTプライド)2018レポート。13万人の巨大パレードが伝え歩いた台湾の未来を左右するメッセージとは?】
台灣同志遊行(台湾LGBTプライド)
開催予定日:2019年10月26日(土)
Facebook:https://www.facebook.com/Taiwan.LGBT.Pride
台中同志遊行(台中LGBTプライド):11月9日(土)
台灣同志遊行から2週間後には、
台湾中部の都市・台中にて
「台中同志遊行(台中LGBTプライド)」
が開催されます。
台中のLGBTプライドは、
1万人以上の参加者が街を練り歩く
パレードも楽しいですが、もう一つ注目したいのが、
パレード後のステージパフォーマンス。
台湾の有名アーティストがステージに登場し、
ミニライブを披露するのが恒例となっています。
ステージのすぐ目の前で
パフォーマンスを鑑賞できるのは、
台中同志遊行ならではの魅力です。
関連記事→【台中同志遊行(台中LGBTプライド)2018レポート。国民投票前最後のパレードを1万5,000人と共に歩いてきました。】
台中同志遊行(台中LGBTプライド)
開催予定日:2019年11月9日(土)
Facebook:https://www.facebook.com/TCLGBTPride
高雄同志大遊行(高雄プライド):11月23日(土)
台湾秋のLGBTプライドシーズン、
締めを飾るのは台湾南部の都市・高雄にて行われる
「高雄同志大遊行(高雄プライド)」。
昨年は、同性婚と性別平等教育に関する
国民投票の翌日に開催。
投票では残念ながら、
LGBTコミュニティにとって理想的な結果とは
ならなかったのですが、その現実を真摯に受け止め、
励ましに満ちたパレードとなりました。
新市長の就任により、
2019年の開催を危ぶむ声も聞かれていましたが、
今年も無事開催が決定。
昨年2万人を集めた大パレードが、
今年はどのようなメッセージを伝えて
歩くのかにも注目です。
関連記事→【「高雄同志大遊行(高雄プライド)」2018レポート。国民投票翌日に2万人が歩いた、励ましと涙でいっぱいのパレード。】
高雄同志大遊行(高雄プライド)
開催予定日:2019年11月23日(土)
Facebook:https://www.facebook.com/KaohsiungPRIDE
まとめ
今日は、2019年の今だからこそ
台湾のLGBTプライドに参加したい3つの理由
についてシェアさせていただきました。
同性婚がアジアで初めて実現した、
記念すべき1年となる2019年の台湾。
お祝いムードも相まって、
例年以上に盛り上がることが予想されますが、
その一方で、手放しで喜んでばかりもいられない
現実とも隣り合わせとなっています。
2019年の台湾各地のパレードは、
一体どのようなイベントとなるのか。
この秋は台湾で、
にじいろパワーを肌で感じる旅を
楽しまれてみてはいかがでしょうか。
※イベント開催日時は変更になる可能性もありますので、旅行計画の際には各公式Facebookページにて最新情報のご確認をお願いいたします。
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コメント
コメント一覧 (2件)
こんにちは!
今年は同性婚実現の年で盛り上がり必須ですね!
今年は日程の都合で台中のパレードに行ってみようと思っています。
Maeさんのレポートをいつも楽しみにしてますので、今年もよろしくお願いします。
ありがとうございます!
僕はもしかすると、11月は台中か高雄どちらかだけになってしまうかもですが、
記念すべき1年ですので、できるだけ全てまわれるよう頑張りますね!