こんにちは!『にじいろ台湾』にお越しいただきありがとうございます!
作者の前 和樹(まえ かずき)です。
生まれは香川、育ちも香川、恋愛対象は男性(ゲイ)。
大学時代は福岡に移住し、グラフィックデザインを専攻。
卒業後は、Uターン就職で香川の印刷会社にてデザインを担当。
2012年8月、台北での初めての海外生活スタート。
2013年9月より、ご縁あって台北の広告制作会社でデザイナーをしています。
同僚からもお客さんからも、もっぱら Mae と呼ばれています。
現在の目標は「脱もやし体型」、「自分で収入をコントロールできるライフスタイル」、「日中英のマルチリンガルになること」。
写真を撮ったり、本を読んだり、レンタサイクルでふらふらしたりするのが大好きです。
四国は、うどん国生まれ。
のちに台湾でMaeと呼ばれることになる男の子は、うどん国にて誕生しました。
消防士のたくましくてかっこいいお父さん、
企業事務職の世話焼きでかわいらしいお母さんの人生に、
初めての子供として登場したわけです。
きつねうどんが大好物のMaeは、アトピーに悩まされながらも、
それ以外はおぴっぴパワーのおかげで、至って健康に成長していきました。
女の子ばかりと戯れる幼少期。
小学校に入学すると、どういうわけか女の子とばかり遊ぶようになります。
校庭で一緒になわとびしたり、彼女たちの家でお絵かきしたり…
要するに、周りから見れば「ハーレム状態」。
それを心配してか、学校の先生からは
「女の子とばかり遊んではいけないよ。」と注意されるようになりました。
幼心にも、この先生の言葉はかなり強烈でした。
「先生の言うことは聞かなくてはいけない。」
当時はピュアだったMaeは「そういうものなのか」と、
理由は分からないまま素直に聞き入れたのです。
先生の忠告どおり、女の子といる時間も少しづつ減っていきました。
詳しくは → リアルなゲイのセキララな告白『誕生編』へ
オタク道をゆく中学時代。
黄金の(?)思春期、中学時代。
スポーツにどうしても興味を持てなかったMaeは、
「科学・パソコン部」入部を機にオタク道まっしぐら。
「テレビゲームがお友達」な毎日を過ごし始めます。
休日は1日家にこもりっきりでブラウン管に向かう日々で、視力もバッチリ低下。
メガネ男子誕生の瞬間でした。
でも、学校では意外と成績よかったんです!
校内で10本の指に入れるくらいに。
そのおかげか、県内で最も荒れた中学校として大変評判だった母校ながら、
蹴られも殴られもせず、3年間のサバイバルゲームを
オタクとしてなんとか無事に切り抜けました。
高校で初めて出会った「恋」。
高校は、うどん県でも有数の進学校へ。
相変わらずのオタクぶりでしたが、部活には入らず、
大学受験という目標をめざして、Maeは勉学の世界に猛進します。
「国立大学合格」というゴールのため、放課後はまっすぐ家に帰って机に向かう毎日。
大好きだったテレビゲームともお別れして、ひたすら教科書とにらめっこ。
いわゆる「ガリ勉」というやつです。
その甲斐あってか、校内テストでは1番を争えるくらいにまで成長しました。
一方で、高校生ともなると、カラダはオトナ。
「カップル」なるものが増殖し始める恋の季節なわけです。
ここに来てようやく、ウブだったMaeも「恋」というものが何であるかを知り始めます。
初恋の相手は同じ学年の男の子、サクラくん。
ルックスに一目惚れでした。
そのころから自分のセクシャリティについて若干の疑問を持ち始めます。
とは言え、大学受験に追われる日々の中、深く考える時間を持たないまま、
高校生活は終わりを迎えることになります。
詳しくは → リアルなゲイのセキララな告白『初恋編』へ
台湾へとつながる、デザイナーを志すきっかけ。
念願の国立大学合格を果たしたMaeは、九州福岡へ。
人生初、ドキドキの一人暮らしスタートです!
国立大学ながら本格的なデザインが学べるというのが、その大学への志望理由。
デザインと一言で言っても様々な分野があるわけですが、
その中からグラフィックデザインを専攻することにしました。
結果的に、この選択が7年後のMaeを台湾に留まらせることになるのですが、
そんなことはまだ知る由もありません。
漆黒に堕ちゆく心。
一方で、高校時代のかすかな疑惑が、
Maeの頭の中を止まることなく、グルグルと駆け巡りはじめます。
「ガールフレンドのいる未来」は、僕には訪れない。
「おまえはゲイだ。」
当時のMaeに、この事実を受け入れられる勇気はなく、
ベッドで1人膝を抱える、悶々とした日々を過ごしはじめます。
「僕って、変わった人なの?」
「僕は一生、一人きりなんだろうか?」
「僕は、存在しているだけで、罪なのだろうか。」
湧き上がってくる黒い疑問の数々が、絶えず、そして容赦なく襲いかかってきます。
命を投げ出そうかと、本気で考えました。
詳しくは → リアルなゲイのセキララな告白『墜落編』へ
覚醒の刻、来たる。
黒い心に支配された日々が、1年以上続いたころでしょうか。
ネットの掲示板で、ある男性と知り合いました。
人生初の恋人「マコさん」誕生の瞬間でした。
2人でショッピング、2人で映画、2人で料理。そして、2人の夜。
彼と過ごす時間が、涙が出るほどうれしかった。
これまでの暗い1年間がまるでウソのように。
「人って、あったかい。」
僕が出会ったのは「禁断の愛」でも「変わり者」でもなかった。
まぎれもない、何の変哲もない、「自然な恋愛」でした。
心の中の暗いものは、気づけば溶けて、消えていました。
「マコさん」は僕を、深い真っ暗な谷底から助け上げてくれた救世主でした。
詳しくは → リアルなゲイのセキララな告白『覚醒編』へ
初めての海外上陸。
就職先も決まり、卒業論文も書き終えたころ。
ゲイであるという自分をやっと受け入れられたころ。
気づけば大学卒業まで、もうカウントダウンが始まっていました。
海外に興味はあっても、飛び出す勇気がなかった。
慣れ親しんだ言葉も常識も通じない土地に、実際に身をおくとなると、
恐ろしくてたまらなかった。
だからこそ、中学生の頃からずっと憧れを持っていながら、
ここまでズルズルと後回しにしてしまった。
しかし、会社勤めが始まるという現実が目前に迫ってようやく、焦りが生まれ始めました。
「ここで行動しなければ、もうチャンスはないのかもしれない。」
小心者だった僕も、もう動かずにはいられませんでした。
海外一人旅を決心した瞬間でした。
卒業式を一ヶ月後に控えた頃。
12時間のフライトの末、人生初の海外の土をスニーカーを履いた自分の足で踏みしめていました。
生まれて初めて見る外国の景色は、息を飲むくらい美しいものでした。
威風堂々に聳える凱旋門、シャンゼリゼのオープンテラスのカフェ、
ルーブル美術館に眠るモナリザの微笑み。
公園に寝そべってひなたぼっこを楽しむパリジャン、
雨上がりに水をはねつけながら走るプジョー、
夜のセーヌ河岸で愛を語り合うカップル。
そして、レインボーフラッグのはためく、マレの街並み。
教科書やテレビの中でしか見られなかったすべてが今、ほんとうに自分の目の前にある。
日本とは全く違った文化や空気を今、この肌で感じている。
その感動は、これまでの自分の観念を粉々に打ち砕いてしまうくらい、衝撃的で、刺激的でした。
「いつかは、海外へ!」
気づけばもう「夢物語」なんかじゃなく、それは「目標」へと形を変えていました。
詳しくは → チキンな僕が初めて一人で海外へ飛び出したお話。へ
台湾、現る。
仕事を始めてからは、「時間がなくて行けない」どころか、
スケジュールを調整しては、度々海外へと出かけるようになりました。
「世界は広い。」
まだまだ僕の知らない場所、知らない文化、知らない人々がたくさんあるのだということを、
様々な国への旅行を通して身にしみて感じました。
今まで20数年生きてきた、日本という場所とは全く違う環境に身を置いてみたい!
「もっと、世界を知りたい!」
その思いは、もはや数日の旅行では満たされないほどに、どんどん大きくなっていました。
パリを訪れてから1年ちょっと。
海外生活への憧れを心に抱きつつ、台北に初めて旅行でやってきた時のこと。
「あっ、ここかもしれない!」
そんな直感が働きました。
ストレスフリーな環境。
無理のない生活コスト。
プラス思考のかわいい台湾人。
ゲイフレンドリーな空気。
台湾という国に、すっかり恋してしまいました。
新しい生活の場として、申し分のない環境がこの場所には整っていました。
詳しくは → 僕が台湾で暮らすことを選んだ5つの理由。へ
いざ、海外生活!
まだ住むところも決まっていない状態から、台北での新生活はスタートしました。
語学センターに通いながら勉強にはげむ傍ら、習いたての中国語を使っての仕事探しも同時進行。
そして、台湾上陸から8ヶ月目、念願の台湾現地での就職が決定!
大学時代の専攻と、日本での仕事経験を台湾での就職にも生かすことができました。
現在、広告制作会社のデザイナーとして奔走しながら、台湾で「にじいろ」な毎日を送っています!
ここでお会い出来たのも何かのご縁、どうぞよろしくお願いします!
『にじいろ台湾』前 和樹(Mae)
【 『にじいろ台湾』Facebook / Twitter / Mail 】