この台湾映画がすごい!LGBTがテーマのおすすめ7作品をご紹介します。


苗栗愛轉來平權遊行(苗栗LGBTプライド)2019のパレードにはためくレインボーフラッグ

アジア初の同性婚が実現した台湾では、どんなLGBT映画作品が鑑賞されている?現地在住の僕のお気に入り作品をご紹介します。

こんにちは!来月から始まる台湾のLGBTプライドシーズンにワクワク中のMae(@qianheshu)です。

すでにご存知の方も多いかと思いますが、台湾はアジアでもトップクラスに「LGBT」というテーマに関心の高い国。

今年2019年には、アジアで初めて同性婚が実現し、そのニュースが世界中を駆け巡ったのも記憶に新しいところですね。

その関心の高さを裏付けるように、LGBTを題材とした映画作品も数多く制作されている台湾。

中には、映画館で公開されるや否や、瞬く間に話題となり、台湾映画の年間興行収入上位に食い込むほどの人気を博した作品も。

現地に住んでいる僕も、映画館へ足を運んだり、インターネットの動画配信サービスを利用したりして、よくボーイフレンドと一緒に映画時間を楽しんでおります。

今日は、僕がこれまでに観たことのある作品の中から、7本のお気に入り台湾LGBT映画を集めてみました。

台湾の映画、LGBTに関する作品を観てみたいという方は、ぜひご参考いただけるとうれしいです。

 


1.【囍宴】形だけの結婚のはずが、意外な展開に?!「多元成家(多様な家のあり方)」を描いた台湾LGBT映画の先駆け的作品。

 

今から26年前、1993年に公開された

『囍宴』(英題:The Wedding Banquet)は、

台湾のLGBT映画を語る上で、

絶対にハズすことのできない名作。

 

監督は後に『ブロークバック・マウンテン』

『ライフ・オブ・パイ』など、

世界的ヒット作を手がけたアン・リーさんです。

 

主人公は、

アメリカ・ニューヨークに住む台湾人男性。

 

アメリカ人の同性パートナーと暮らし、

台湾に住む両親から送られてくる

(女性との)お見合い話にうんざりだった彼は、

知り合いの中国出身の女性と、

形式だけの結婚を企てます。

 

結婚の知らせを聞いた両親は、

すぐに彼の住むニューヨークへ。

 

主人公、彼の母親と父親、

同性パートナー、結婚相手の女性。

 

一時的に一つ屋根の下で過ごすことになった5人の物語は、

当初は予想もしていなかった、

意外な展開を迎えていくことになります。

 

26年前と言えば、

台湾でLGBT当事者の人権をめぐる運動が、

産声を上げ始めたばかりの時代。

 

作品の完成度の高さはもちろんのこと、

その当時すでに「多元成家(多様な家の在り方)」を

テーマに掲げていた、時代を捉える目線の鋭さが、

本当に素晴らしいと思います。

 

ベルリン国際映画祭では

最高賞となる「金熊賞」にも輝き、

世界的な評価も非常に高い一作です。

 

 

2.【藍色大門】セクシュアリティに揺れる、みずみずしい10代の夏。今やトップ俳優となった主演2人の初々しい姿にも注目。

 

2002年に公開され、興行収入でも好成績を収めた

『藍色大門』(邦題:藍色夏恋)。

 

台北市内の高校に通う女子学生と、

次第に彼女に惹かれていく男子学生の恋模様を通して、

10代ならではの繊細な心の動きが描かれています。

 

男子学生との距離が近づいていく中で、

少しずつ自分のセクシュアリティについて

模索を始める主人公。

 

しかし、決して悲観的ではなく、

やさしいピアノの音色を背景に、

淡々と、みずみずしく、柔らかなタッチで綴られていく

彼女たちの物語に、グッと心を引き込まれていきます。

 

そして、主役を演じた

桂綸鎂さんと陳柏霖さんは、

今や台湾を代表するトップ俳優に。

 

まだあどけなさののこる、

17年前の初々しい2人にも注目です。

 

個人的には、

当時の陳柏霖さんのルックスも演技も可愛すぎて、

キュンキュンが停まりませんでした 笑

 


 

3.【盛夏光年】花蓮の美しい自然の中で交錯する3人の男女の想い。青春のまばゆさと切なさを思い出さずにはいられない一作。

 

2006年に公開された作品

『盛夏光年』(邦題:花蓮の夏)は、

大人へと成長する過程の中で

変化していく3人の男女の姿を描いた作品。

 

高校時代に自分のセクシュアリティに気づいた

主人公の男子学生と、

彼が密かに想いを寄せる幼なじみの男友達、

そして主人公の秘密を知りながら

彼の幼なじみに惹かれる女友達。

 

迷いながら、もがきながら進んでいく彼らの青春に、

まばゆいような羨ましさと、

心を突き刺されるような切なさが、

思わず込み上げてきます。

 

この作品の舞台となっているのは、

彼らが高校時代までを過ごす台湾東部・花蓮と、

大学時代を過ごす台北。

 

特に、彼らの背景に広がる花蓮の美しい自然は、

キラキラとした高校生活とすごくマッチしていて、

この作品の魅力を一層高めてくれているように思います。

 

ちなみに『盛夏光年』は、

僕がまだ日本で暮らしていた時に、

初めて観たLGBTをテーマとした台湾映画。

 

この一本をきっかけに、

台湾の映画に興味を持つようになった、

個人的にも思い入れの深い作品です。

 


 

4.【滿月酒】子供(孫)が欲しい!同性パートナーと暮らす息子と母親の揺るぎない想いが、世界中を駆け巡る。

 

2015年に公開された

『滿月酒』(英題:Baby Steps)は、

同性カップルが子供を授かるために、

世界中を奔走する物語。

 

自らの子供を持つことを夢見る台湾人の主人公と、

彼のアメリカ人パートナー、

そして孫を抱くことを望んでやまない主人公の母親が、

代理母出産で子供を授かるまでの過程が描かれています。

 

たった1人のまだ見ぬ子供のために、

台湾、アメリカ、インド、タイと

4カ国を飛び回る主人公たち。

 

始終あたたかで、

ユーモラスな雰囲気に満ち溢れている本作ですが、

各国での法制度の限界などにより、同性カップルは一体

どれだけの労力、時間、費用をかけなくてはいけないのか。

 

その現実に気づき、学び、考えさせられる、

秀逸な作品に仕上がっています。

 

また、主人公の同性愛者ゆえの苦悩や、

パートナーへのプレッシャー、

同性愛者を子供に持つ親としての葛藤なども

しっかりと描かれていて、当事者目線で観ても、

とてもリアリティに溢れているのが印象的です。

 


 

5.【醉・生夢死】ベルリン国際映画祭入賞作品。近しい人間関係の難しさを容赦なくえぐり出す、ショッキングな描写が話題に。

 

『醉・生夢死』(英題:Thanatos, Drunk)は、

2015年に公開された作品。

 

厳密に言えば、LGBT自体がテーマ

というわけではないのですが、

作品中の非常に重要な要素の一つとして

盛り込まれています。

 

お酒に溺れる日々を過ごす母親、

嘘で固めた偽りの生活を送るホスト、

自らのセクシュアリティに迷い

一時は海外へと拠点を移した兄、

失うばかりの閉塞感の中に生きる弟。

 

作品中では、彼らの関係性が複雑に絡み合い、

愛し合い、憎み合う姿が描かれており、

思わず目を背けたくなるような、

ショッキングな描写も、公開時には話題となりました。

 

また『醉・生夢死』は、

台湾最大の映画賞・金馬獎や、

ベルリン国際映画祭にて入賞を果たすなど、

国内外にて非常に高い評価を得ている作品でもあります。

 

ちなみに、この作品で

彼らの生活の場となっている主な撮影ロケ地は、

台北MRT公館駅近くの「寶藏巖國際藝術村」

 

台北市の古蹟に指定されており、

実際に敷地内を見学することもできますので、

観光で立ち寄られてみるのもおすすめです。

 


 

6.【阿莉芙】これぞまさに多様性!トランスセクシュアルとして生まれた排灣族の青年が紡ぐ、本当の自分になるための物語。

 

2017年公開『阿莉芙』

(英題:ALIFU, THE PRINCE/SS )の主人公は、

排灣族(パイワン族)のとある青年。

 

トランスセクシュアル

(主人公の場合は、カラダが男性、心が女性)

として生を受け、性別適合手術の資金を貯めるため、

台北で働いています。

 

ある日、故郷で村長を務める父親から、

次なる村長を引き継ぐよう要求が。

 

自らのセクシュアリティや村での立場、

家族との関係性に悩みながら、

どんな決断を下すのか、

映画ではその過程が綴られています。

 

しかし、この作品、

それだけではないのがすごいところ。

 

次期村長を求められる

トランスセクシュアルの主人公はもちろん、

彼女のセクシュアリティを知り葛藤する排灣族の両親、

彼女と一つ屋根の下で暮らすレズビアンのルームメイト。

 

夫婦生活を営みながら

密かにドラァグクイーンとして働く男性、

そんな夫の秘密を知り、関係に悩む奥さん。

 

末期ガンを患いながらバーを営む

トランスセクシュアルの女性、

そして傍らで彼女を支え続ける男性。

 

セクシュアリティも立場も

それぞれ異なるキャラクターが次々に登場し、

多角的な視点からストーリーが展開されていきます。

 

数あるLGBTがテーマの台湾映画の中でも、

指折りに「多様性」に富んだ一作かと思います。

 

7.【誰先愛上他的】2018年の大ヒット作!保険金争いから見えてくる真実に、台湾中が涙。

 

『誰先愛上他的』(英題:DEAR EX)は、

2018年台湾映画の興行収入TOP5に入る

大ヒットを記録した作品。

 

1人の男性の死をきっかけに巻き起こる、

保険金の受取人をめぐる争いが軸となっているのですが、

その主人公となっているのが、

男性の妻と、男性の同性パートナー。

 

妻との間に生まれた息子が受取人であったはずが、

いつの間にか同性パートナーへと変更されていたことから、

争いが始まります。

 

なぜ、保険金受取人は

変更されなくてはいけなかったのか。

 

その理由を紐解いて行くと、

そこには妻も知らなかった「ある秘密」が

隠されていたことが発覚します。

 

ユーモアを交えて描かれている本作ですが、

作品中で巻き起こるストーリーは決して

「映画の世界」などではなく、

現実世界でも充分に起こりうること。

 

どうして、彼らのような状況が生まれてしまうのか、

作品のヒットを通して、社会に広く問題提起が行われたのは

特筆すべきポイントです。

 

台湾最大の映画賞・金馬獎で8部門にノミネートされ、

最佳女主角獎(最優秀主演女優賞)など

3部門での受賞も果たした『誰先愛上他的』。

 

台湾の日常風景を美しく切り取った、

カラフルな画面づくりにも注目です。

 

まとめ

苗栗愛轉來平權遊行(苗栗LGBTプライド)2019のパレードにはためくレインボーフラッグ

今日は、台湾のおすすめLGBT映画7作品

をご紹介しました。

 

今回の記事では、

公開された年代順に並べてみたのですが、

時代を経るごとに、作品のテイストが変化を遂げているのも、

おもしろいポイント。

 

純粋に「恋愛」に焦点を当てたものから、

「代理母出産」「村長」「保険金」など、

テーマがどんどん多様化してきているのも、

台湾社会での注目の高まりを象徴しているようで、

とても興味深いです。

 

近年では、LGBT関連作品専門の映像配信サービスも登場しており、

ますます多様な作品が生まれそうな予感の台湾。

 

まだ日本語字幕版が発表されていない作品もありますが、

鑑賞のチャンスがありましたら、

ぜひご覧になってみてくださいね!

 

▼こちらの記事もよくお読みいただいています!▼

→LGBTの日常や悩みがよく分かる7冊の本。ゲイである僕の目線からおすすめの作品を選んでみました。

→同性に恋する自分を悩んでいるあなたに伝えたい3つの言葉。

→同性婚が実現したばかりの台湾で、台日カップルの友人の結婚式に参加してきました。

→LGBTプライドってどんなイベント?台湾の全パレードに参加した僕が7つの疑問にお答えします。

→2019年台湾の7大LGBTプライド開催スケジュール。

 


SNSでも更新情報お届け中。



コメントを残す

*