カミングアウトをして良かったと思うことは?友達や家族との関係に変化はあった?同性に恋する僕のこれまでの体験を振り返りながら、考えてみました。
こんにちは!台湾人ボーイフレンドと台北で暮らして10年目のMae(@qianheshu)です。
最近、世界各国のBLドラマ(特にタイ)に夢中になっている、僕とボーイフレンド。
単なるファンタジーではなく、カミングアウトの難しさや偏見の問題など、現実社会の現状に触れられている作品も増え、自分たちの境遇に重ね合わせながら鑑賞しております。
僕もこれまで、カミングアウトをする場面は様々ありましたし、難しいと感じることも、幾度となく(今でも)あります。
しかし、改めて振り返ってみると、最終的には「ちゃんと伝えて良かった」と、感じることの方が多かったように思います。
では、カミングアウトをして良かったと感じるのは、どんな変化を実感した時なのか?
僕個人の一例にはなりますが、考えてみたことをまとめてみたいと思います。
ちなみにですが、この記事では「絶対にカミングアウトした方がいい!」などと主張するつもりはありません。
カミングアウトをするタイミング、そもそもカミングアウトをする・しないも、ひとりひとりの置かれている環境や気持ちに沿って、自分のペースで決めていけば良いと思います。
(僕自身、相手によってはカミングアウトしない、と決めることは今でもあるので。)
ここではあくまで、カミングアウトをすると自ら決め、終えた後に実感してきたこととして、書かせていただきますね。
1. 職場での、余計なストレスが減った。
一見関係がないように思えて、
でも実はすごく関係がある
職場とセクシュアリティ。
カミングアウトをせずに
働いていた頃は、
仕事以外のところでも
常々やきもきしてしまって、
ストレスを感じてもいました。
仕事中の同僚との
ふとしたおしゃべりや、
社内やクライアントとの
会議前後の雑談、
同僚・上司を交えての
食事会など。
恋人がどうこう、
結婚がどうこう、
君はどうなんだ、
どうこう。
メンバーが男性ばかりになると、
「男なら、
みな感じることは同じだし、
分かるだろう!」
とでも言わんばかりに、
もっと踏み込んだ話に
なることもあります。
そんな場面になると、
僕は一歩も入っていけないし、
自分のことには
踏み込まれたくない。
恋する相手が
同性であることを知られて、
職場での立場や人間関係に
影響が出たり、
仕事までスムーズに
進まなくなってしまったら…
そんなことを考え始めると、
カミングアウトなんて
ますますできず、
悶々とした日々を
過ごしていたことも
ありました。
その職場を離れ、
現在の職場では
カミングアウトを
している僕。
幸い、新しい環境では、
僕が恐れていたような事態は
起こることなく、
余計なストレスを感じずに
仕事へと臨めている気がします。
関連する話題に
あえて触れたくない場合は、
配慮して避けてくれますし、
逆にごく自然なこととして、
フランクに恋の話を
してくれる同僚も。
仕事でも、
セクシュアリティが
関係してくる商品を
扱うことがあるのですが、
意見を求められた際には、
自分の感じていることを
素直に伝えることが
できています。
もし、
カミングアウトを
していなかったら、
それは僕にとって
とてつもなく、
ストレスフルな案件と
なっていたに違いありません。
関連記事→【台湾の会社で全社員に同性が好きであることをカミングアウトしたら、意外な反応が返ってきた。】
ちなみに、
今回の記事を書こうと思ったのも、
同僚とタイのBLドラマについて、
キャッキャとおしゃべりを
していて、
「あれっ、この感じ、
何か良いっ!」
と、実感したことが
きっかけとなっております。
2. 新しい出会いに、前向きになれた。
カミングアウトをしていなかった頃、
僕はずっと嘘をついて、
あるいは受け流しながら、
生きていました。
好きな芸能人を尋ねられ、
本当は男性の俳優さんの名前を
挙げたくても、
有名な女性の俳優さんの
名前を告げる。
好きなアニメを尋ねられ、
本当は美少女戦士の話が
したいのに、
みんなが話している
スポ根アニメに
自分も興味ある風な
雰囲気を醸し出す。
好きな子について尋ねられ、
本当は隣の席の男の子が
何だか気になっているのに、
(当時は、それが恋だと
気づいていませんでしたが。)
遠くのクラスの女の子
かわいいかも、
なんて言いながら受け流す。
嘘をついて、隠して、
自分を偽るたびに、
本当の自分に
自信が持てなくなっていきました。
そんな感じだったので、
周りの人たちにとって僕は、
どこか捉えどころのない、
よく分からない存在
だったかもしれません。
嘘をつかなくなって、
少しずつ自分を
取り戻し始めたのは、
カミングアウトをして
以降のこと。
今だって、自信がないという
根っこのところは、
そんなに変わっていないかも
しれませんが、
以前と比べると、
人と付き合うことを
つらいと感じることは
少なくなりました。
新しい出会いにも、
だいぶ前向きに
なれているように思います。
ここ数年、
僕が新しく知り合う方たちの
ほとんどは、
このブログ、
あるいはSNSを経由して
出会う方々。
ブログやSNSでは、
セクシュアリティをオープンに
しているので、
あらかじめ僕が
同性に恋することを知った上で、
お声かけしてくださる
パターンが多いです。
その関係もあって、
初対面の時から、
自分のこと、
好きなものの話を、
スルッと心置きなくできる。
それゆえに、
自分の興味・関心と
似ている方々とのつながりも、
自然と生まれるようになりました。
当たり前のような、
小さなことのような、
でも、過去の僕では
できなかったことが、
今できている。
そう思うと、
やっぱりすごくうれしくて、
やっとできたつながりは、
ずっと大切にしていきたいな、
と、感じています。
3. 家族との心の距離が、近くなった。
カミングアウトすべきかどうか、
この世で一番に悩む相手。
僕にとってはそれは、
「家族」でした。
カミングアウトをする前は正直、
両親や兄弟に対して、
一方的に壁を築いていたような
気がします。
関係があまりに近いからこそ、
何があっても
一生切れない関係だからこそ、
カミングアウトをして
関係性が壊れてしまうことが、
何よりも怖かったです。
いろいろなきっかけがあり、
現在では家族全員が、
僕のセクシュアリティについて
知っているのですが、
それまで築いていた壁は
格段に低くなり、
新しい関係性を
紡いでいけるようになった
と、感じています。
僕のカミングアウトを聞いた後、
それぞれに考えを
巡らせることがあったり、
悩ませてしまったりしたことは、
あったかもしれません。
カミングアウトをする本人だって、
何年にもわたって悩んできた
セクシュアリティのこと。
告げられた側にだって、
消化したり、
考えたりする時間が必要なのは、
当然のことだと思います。
もっと深く知ってもらいたい、
という想いばかりが先走り、
押し付けがましいことを
してしまったことも、
あったかもしれません。
もし、そうであったなら、
その点については幾分、
申し訳ない気持ちも
感じています。
でも、
新しい関係性・バランスを
模索する過程で、
少しずつではありますが、
心の距離は近づいている
実感がある。
同性カップルが
主人公のドラマが
おしゃべりの話題に上ったり、
台北で一緒に暮らしている
ボーイフレンドのことを
尋ねてくれたり。
そんなささやかな出来事からも、
これまでにはなかった変化を
感じています。
家族にカミングアウトをするのは、
とても勇気が必要でしたが、
今になって振り返ると、
本当のことを伝えることができて
良かったと、
心から思っています。
関連記事→【同性に恋する僕が体験してきたリアルストーリー『カミングアウト編』】
まとめ
今日は、
同性に恋する僕が
カミングアウトして良かったと感じる
3つの変化
について書いてみました。
再度になりますが、
置かれている環境は、
ひとりとして同じではありません。
カミングアウトをするのが
簡単でない環境があることを、
僕もこれまでの日々の中で、
痛いほどに味わってきました。
だからこそ、
カミングアウトをするタイミングも、
カミングアウトをする・しないも、
周囲の状況や自身の気持ちに沿って、
焦らずに決めていけば
いいと思います。
でももし、
心の準備ができたなら。
環境が整ったなら。
どうしても知ってもらいたい、
伝えておきたい、
という想いが勝ったのなら。
思い切って一歩を踏み出すと、
新たな生活や周囲との関係性が、
始まるかもしれません。
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