台湾在住の僕が日本の選挙に投票する理由。海外在住者にも、日本の政治や制度は影響するのか?

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海外から請求した日本の選挙の投票用紙

「自分ひとりが投票したところで、何も変わらない。」それが間違いであることを、台湾が教えてくれました。

こんにちは!台湾は台北で暮らして、もうすぐ丸10年のMae(@qianheshu)です。

日本ではまもなく、参議院議員選挙がありますね。

【台湾から日本の選挙の投票用紙を請求する方法。海外からの参加は可能なのか?】の記事でも触れていますが、海外在住の日本人も現地にて、あるいは現地から、日本の選挙に投票することができます。

ただし、台湾からの投票の場合、日本国内に住んでいる方と全く同じ要領で、というわけにはいかず、時間と多少の費用がかかります。

そのあたりの事情については、記事内で詳しく触れたいと思いますが、僕はなぜ、海外で暮らしていても、日本の選挙に投票したいのか?

今日は、選挙が近い今の時期にちなんで、僕が投票について感じていることを、お話ししてみたいと思います。

目次

「自分ひとりが投票したところで、何も変わらない」と思っていた、日本生活時代。

スーツ姿で歩く東京のサラリーマン

今でこそ、

政治にも関心を持つように

なりましたが、

 

僕は決して、

昔からそうだったわけでは

ありません。

 

日本で暮らしていた頃はむしろ、

政治に対する関心はとても低く、

 

投票に行くのも

(一応行ってはいましたが)

何だか面倒だな、

なんて思っていました。

 

その当時は、


 
「政治は、

自分とは関係のないもの。」

 

「自分ひとりが

投票したところで、

何も変わるわけがない。」

 

という、

無力感のようなものも

持っていたように思います。

 

台湾料理教室&プライベートレストラン「好客台北 Be My Guest Taipei」の迪化街ガイドで訪れた慈聖宮美食街のおすすめ店を教えてくれるオーナーさん

そんな考えが変わり始めたのは、

台湾で暮らし始めてからのこと。

 

海外で暮らすようになって、

 

自分自身の生き方とも直結する

「ある問題」が

浮かび上がってきたことも

関係ありますが、

 

一番はやはり、

台湾の選挙の様子を

ずっと近くで眺めてきたから。

 

投票することの意義や力を、

すぐ目の前で体感したことが、

 

とても大きな

ターニングポイントと

なったように思います。

「1票の持つ力」を教えてくれた、台湾。

選挙期間中の台湾で屋外に貼られた巨大選挙ポスター

台湾で行われている選挙は、

各都市の市長や市議会議員を決める

「九合一選舉」と、

 

台湾政治のリーダーを決める

「中華民國總統&立法委員選舉(總統大選)

の、大きく2つ。

 

詳しくは、

【台湾の選挙は超パワフル!

日本の選挙とはこんなところが違います。】

の記事でも触れているので、

 

そちらをご参考いただければと

思いますが、

 

2年に1度のペースで

選挙が行われています。

 

投票率は軒並み70%を超えており、

2020年の總統大選では、

 

民進黨の蔡英文総統が

過去最高の得票数で

続投を決めたことも、

大きなニュースとなりました。

20代の若い世代でも、
投票率70%以上を記録しています。

 

太陽花學運(ひまわり学生運動)

後の選挙で

政権交代が起こったり、

 

唐鳳さんが

史上最年少での

入閣を果たしたり、

 

コロナ対策で

世界屈指の成果をおさめたり。

 

台湾の政治に関する様々な快挙は、

日本でもしばしば、

伝えられているのではないかと

思います。

 

台中同志遊行(台中LGBTプライド)2019のパレードで投票を呼びかけるプラカード

それはひとえに、

台湾の人々が投票によって、

民衆の意見に耳を傾ける政府を

自ら選び取ってきたゆえの成果。

 

台湾の選挙の盛り上がりは

すさまじく、

 

メディアでもSNSでも、

日常生活の中でも、

 

選挙に関する討論を

見聞きしない日がないくらい、

本当に多くの意見が

飛び交います。

 

政治がとても身近な話題として

捉えられ、

 

世代を問わず真剣に、

時にユーモアを持って

向き合っている姿が、

僕にはとても新鮮に映りました。

 

そんな環境の中に身を置くことで、

ようやく気づいたのです。

 

投票には確実に、

社会を、政治を、

変える力がある。

 

投票で社会を変えてきた人々が、

実際にここに存在している。

 

だからこそ、投票もせずに、

現状や将来を憂いている

場合ではない。

 

「たった1票でも、

投票の持つ力はとても大きいのだ。」


と、いうことに。

台湾から日本の選挙に投票するには、時間と少しの費用が必要。

在外選挙制度のパンフレットに書かれた投票の流れ

ただし、

台湾から日本の選挙に

投票をするには、

 

日本国内と同じようには

いきません。

 

台湾には、

日本の大使館がないため、

「郵便投票」が採用されています。

 

投票のための前準備から、

実際の投票までの郵送費は、

自己負担。

 

日本の選挙へ参加するために必要な

「在外選挙人証」の申請(初回のみ)

 

投票用紙の日本からの取り寄せ、

 

記入した投票用紙の

日本への送付と、

最大で計3回。

 

台湾からの場合、

合わせて200〜300元

(=約1,000〜1,350円)

前後の郵送費を、

 

負担して

投票する必要があります。

※1元=4.5円で計算。(2022年7月3日現在)

 

台湾の郵便局外観

そして、もう1点、

気にかけるべきは「時間」。

 

いずれの段階でも、

台湾ー日本間の

郵送でのやり取りが必要なため、

 

在外選挙人証の受け取りには

2〜3ヶ月、

 

投票用紙の取り寄せにも

1ヶ月ほどかかります。

 

もし、選挙が公示になってから

動こうとすると、

投票には絶対に間に合わないので、

 

選挙がある数ヶ月前から、

余裕を持って準備する必要が

あります。

 

また、公示から

投票日までの日数が短いと、

 

記入した投票用紙の郵送も、

かなり急がなければ

間に合わない場合も。

 

特に昨今は、

コロナ禍の混乱で

余計に郵送に時間がかかるので、

 

公示日翌日に

すぐ記入して送るくらいの

スピード感で動くように

しています。

 

台湾国内線マンダリン航空

全てがオンライン上で

できるようになれば、

お金も時間も、

負担がグッと減るはずなのに…

 

などとは思いつつ、

海外在住でも台湾に戻って来て

投票するしか選択肢がない、

台湾の選挙システムに比べると、

 

これでもまだ

恵まれている気が

しなくもありません。

 

たとえ地球の反対側で

暮らしていて、

高価な航空券を買ってでも、

 

投票にはきっちり戻ってくる

台湾の人たちの姿を見ていたら、

こちらも身が引き締まるような

想いに駆られます。

海外在住なのに、どうして日本の政治が関係あるのか?

東京の電車

もしかすると、

疑問に思った方も

おられるかもしれません。

 

「海外で暮らしているのなら、

日本の政治や制度なんて、

どうでもいいんじゃないのか?」

 

「海外在住でも、

日本の政治や制度の影響を

受けることがあるのか?」と。

 

もちろん、人によって、

その影響度は異なるとは

思いますし、

 

ほとんど影響を感じない、

という方も

おられるかもしれません。

 

しかし、

少なくとも僕にとっては、

どうしても無視できない、

非常に影響があることなのです。

 

「高雄同志大遊行(高雄プライド)」2019のパレードでプラカードを掲げる台日カップルの方

2019年に、

台湾では同性婚が実現しました。

 

しかし、現在でも、

すべての同性カップルが

結婚できるわけではなく、

 

パートナーの一方が

外国籍の場合は、

 

パートナーの母国でも

同性婚が実現している

必要があります。

(=母国で同性婚が実現していない日本人は、
台湾人パートナーと結婚できない。)

 

また、仮に今後、

母国での制度の有無にかかわらず、

台湾で同性婚ができるようになり、

台湾で結婚をしたとしても。

 

同性婚が実現していない

日本では、

台湾での婚姻関係が

認められないので、

 

日本へ入った途端に、

法律上は赤の他人と

なってしまいます。

 

つまり、

2人で日本での生活を

始めようとしても、

 

配偶者ビザの申請ができないため、

一緒に暮らすことが

困難になります。

 

台南彩虹遊行(台南レインボープライド)2020の会場ブースにはためくレインボーフラッグ

この状況は、

僕自身の今後の生き方にも、

とても大きく影響してくること。

 

台湾人のボーイフレンドと

2人で暮らしている身としては、

 

日本の政治や制度にも、

決して無関心では

いられないのです。

 

だからこそ、

投票することで、

この現状を変えられる

可能性があるのなら、

 

自分の持っている投票する権利を、

1票の力を、最大限に生かしたい。

 

今回の選挙でも、

すがるような想いを込めて、

投票用紙を日本へと

送り出しておきました。

まとめ

今日は、

台湾在住の僕が、

日本の選挙に投票する理由


について、書いてみました。

 

「自分ひとりが投票したところで、

何も変わらない。」

 

僕もかつて、

そう考えていた時期がありました。

 

でも、本当はそうじゃない。

 

小さな個人が

影響力を行使するには、

投票こそが最強の力を

持っている。

 

実際に、投票の力で社会を、

政治を変えてきた例が、

日本のすぐおとなりに

存在しているんです。

 

「1票の力で、国は確実に変わる。」

 

そう信じているからこそ、

僕は海外で暮らしていても、

日本の選挙に投票します。

 

誰にだって、

「変わってほしい」と、

願っていることはあるはず。

 

「その願いを実現するために。」

という視点から選挙を眺めてみれば、

 

自分はどう投票したいのか、

答えは出てくるのではないかと

思います。

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