台湾の年金ってどんな制度?1ヶ月にもらえる金額を試算してみました。


台北一周自転車道「觀山河濱公園」から見える內湖科學園區のビル

台湾と日本の年金制度は、どんなところが違う?「勞保(勞工保險)」と「勞退(勞工退休金)」で保障されることって?将来のお金に関する、気になるポイントを調べてみました。

こんにちは!台湾で現地採用の会社員として働いておりますMae(@qianheshu)です。

【台湾の永住権「外僑永久居留證」の申請方法。申請条件・必要書類・手順をまとめました。】の記事でもお話ししていますが、僕は1年半ほど前に、台湾で永住権を取得しました。

それに合わせて、在籍している会社でも、就労ビザから永住権への切り替え(就労ビザ申請の必要がなくなった)を行ったのですが、その際に人事の方から「勞退」に関するお話がありました。

「勞退」とは、台湾の公的な退職金制度のこと。

それに加えてもう一つ、「勞保」という一文字違いの制度もあり、この2つが日本で言うところの「年金」に似た制度となっています。

これらの制度については、ぼんやりと知っているくらいだったのですが、最近日本の年金に関する本を読んだこともあってか、「台湾の制度は、具体的にどうなっているのか?」と、好奇心が湧いてきてそわそわ。

せっかくの機会なので、詳しく調べてみることにしました。

※以下の内容は、台湾で雇用されている「会社員」の場合で、お話を進めていきます。

 


日本の年金に似た制度が台湾には2種類!「勞保」と「勞退」とは?

台北・永安市場「四號公園」で体操レッスン中のおじさんおばさんたち

冒頭でも触れた通り、

台湾には、

「勞保」「勞退」という

2つの制度があります。

 

それぞれ正式名称は、

「勞工保險」「勞工退休金」

 

勞保の費用は、

個人と雇用主でそれぞれ負担し、

 

僕の例で言えば、

毎月の給与のおよそ2%ほどが

天引きされています。

 

勞保の方は、

働き始めた頃から天引きされていたので、

前々からその存在を知っていましたが、

 

「勞退」について知ったのは、

永住権を取得してからのこと。

 

勞動部によると、

民國108年(2019年)5月より、

永久居留證(永住権)を取得して働く外国人も、

勞退への加入が義務付けられるように

なったそうです。

 

政府為了建構外籍人士在台灣服務的友善環境,

放寬取得永久居留許可且適用勞基法的外籍人士,

自108年5月17日(勞退條例修正生效日)起

為勞退新制強制提繳對象,

 

雇主應自108年5月17日起為其提繳勞工退休金,

進一步保障在台永久居留的

外籍工作者的退休生活。

 

出典:勞動部勞工保險局
 

 

政府は、外国籍人材が

台湾で仕事をするための

友好的な環境を整えるために、

 

永久居留許可を取得し、

勞基法の適用範囲となっている外国籍人材も、

民國108年(2019年)5月17日より、

新しい勞退制度の強制加入対象とすることを

決定しました。

 

雇用主は民國108年5月17日より、

勞工退休金の支払いをし、

台湾に暮らす永住居留権を持つ

外国籍人材の退職後の生活を、

さらに保障する必要があります。

 

訳:Mae
 

 

上にも書かれているように、

「勞退」のための毎月の支払いは、

給与からの天引きではなく、

 

雇用主側が、

給与の6%にあたる額を負担し納める

システムとなっています。

(つまり、手取りの給与に影響はありません。)

 

また、将来受け取れる金額を

増やしたい場合には、

自分の給与から自主的に上乗せして

支払うこともできるそうです。

日本の年金制度に似ている「勞保」。老後の年金以外にも様々な保障が。

高雄のおすすめ観光スポット「衛武營」都會公園

この2つの制度のうち、

より日本の年金制度の近いのは

「勞保」
の方。

 

現在の制度で、

僕と同年代の人であれば、

 

加入した年数に応じた金額を、

65歳から毎月年金として

受け取ることができます。


(一括受け取りや、受け取り年齢を早めたり
遅らせたりすることも可能なようです。)

 

しかし、台湾も日本と同じく、

高齢化が進行中のため、

今後何らかの変更が加えられる可能性は

ありそうですね。

 

そして、勞保には

退職後に受け取れる年金だけではなく、

他にも様々な保障が。

 

カラダに何らかの障がいを抱えてしまい、

仕事ができなくなってしまった時に

支払われる「失能年金」

 

不幸にも命を落としてしまった際に、

遺族に支払われる「遺屬年金」

 

お子さんが生まれた時に支払われる

「生育給付」など。

 

支払われる金額の算出方法などは、

勞動部勞工保險局のホームページ

書かれていますので、

ご参考にしてみてください。

年金にプラスして受け取れる「勞退」。個人口座で管理される公的投資信託のようなもの?

台北一周自転車道「觀山河濱公園」から見える內湖科學園區のビル

では、「勞退」は何が違うのかというと、

こちらは「勞工退休金」と言う名前の通り、

退職金に特化した制度。

 

勞保のように、何らかの保障が

ついている訳ではありません。

 

勞退は、1人1人に

個人帳戶(口座)が割り当てられており、

 

自分の支払った分の金額は確実に、

将来の自分へ戻ってくる
ことになります。

 

60歳から受け取りを始められ、

月払いまたは一括で受け取りが可能
です。

 

月払いの場合は、

総額を平均余命で割った金額を

毎月受け取ることになるので、

 

平均余命を超えると(総額を受け取ると)

支払いが終了する
点が、

一生受け取りのできる

勞保の年金と異なります。

 

勞退新制帳戶是勞工工作期間,

雇主按月提撥薪資6%,

帳戶金額都屬勞工的錢,

勞工到60歲可以請領。

 

帳戶累積的總額含退休金及每年收益分配,

勞工可以選擇一次領或是按月領。

如果一次領,則與平均餘命無關,

 

若選按月領,

則由勞保局根據平均餘命及利率計算,

每季核發給勞工。

 

出典:退休金算盤/勞退月領多少?
先看平均餘命|經濟日報
 

 

新しい勞退制度の口座には、

仕事期間中に雇用主より

毎月の給与の6%に当たる金額が納められ、

口座内のお金は全て、

仕事をしていた個人のものとなります。

 

60歳より受け取りが可能で、

退職金と毎年の収益分配を合わせた総額を

一括受け取りにするか、

月払いにするかは個人で選択ができます。

 

一括受け取りの場合は関係ありませんが、

月払いを選んだ場合は、

勞保局にて平均余命及び利率を計算し、

支払いが行われることとなります。

 

訳:Mae
 

 

そして、上に出てきた

「收益分配」という言葉。

 

実は、ただ口座に

お金を貯めているだけではなく、

納めたお金は、国が株式や国債などで

運用するシステムに!

 

つまり、

口座内に貯まったお金+

運用状況に応じた収益を、

まるっと受け取れる
ことになります。

 

ちなみに、

勞動部勞動基金運用局の報告

のぞいてみると、

 

直近(2020年12月)は、

収益率6.94%だったそうです。

(でも、2020年はほとんどの月がマイナスだ…)

 

イメージとしては、

国が運用してくれる投資信託的なもの?

 

しかも、その資金は全て

雇用主が支払ってくれているので、

 

会社員の立場からすれば、

実質自己負担ゼロで

投資をしているようなものですね 笑


台湾で年金をもらうことになれば、1ヶ月どのくらいの金額になるのか?

台湾の硬貨

では、もし仮に、

台湾で退職する年齢まで

会社員として働いたとして、

年金は1ヶ月にどのくらいいただけるのか?

 

実際に、試算してみました。

 

まずは、「勞保」の年金から。

計算式は、勞動部のホームページを見てみると、

 

(1)平均月投保薪資×年資×0.775%+3,000

(2)平均月投保薪資×年資×1.55%

 

のいずれか、金額の多い方

と、ありました。

 

「月投保薪資」は、

勞動部のこちらの表を参考に。

 

外国人が台湾で働く場合の給与条件

=48,000元以上を基準にすると、

月投保薪資は45,800元となります。

 

「年資(加入年数)」は、

仮に25年としてみると、

 

(1)45,800×25×0.775%+3,000=11,873元

(2)45,800×25×1.55%=17,747元

 

どちらか金額の多い方なので、

(2)の17,747元(=約67,440円)

となりました。

 

次に、「勞退」の試算。

 

こちらは、パーセンテージ設定が複雑なので、

經濟日報にあった自動試算機を使って、

48,000元、25年、給与はほぼ変わらない(泣)

条件で試算してみると、

 

5,940元(=約22,570円)

となりました。

 

つまり、「勞保」と「勞退」を合計して、

 

[勞保]17,747+[勞退]5,940

=23,687元(=約90,010円)

 

という結果です。

 

この金額がどのくらいの感覚か

と言いますと、

 

仮に、今現在の僕の

台北での生活に当てはめて例えれば、

つつましく生活すれば

1ヶ月ギリギリいけるかな、

という金額ですね。

(家賃支払いがなければ、充分足りそうです。)

 

ただ、勞退の5,940元は、

退職後約20年を超えると

支払い終了となるので、

そうなってくると厳しいなあ…

という印象を持ちました。

 

もちろん、

今後の高齢化度合いや、

勞退の運用実績などによって、

結果は変わってくるかと思います。

 

そして、退職を迎える頃には、

現在の生活スタイルからも

たくさんの変化があると思いますので、

 

一概には言えませんが、

ご参考までに。

まとめ

台北・大安森林公園の休日

今日は、

台湾の年金制度について、

調べてみたことをまとめました。

 

台湾で退職を

迎えることになるのかどうかは、

僕にもまだ分かりません。

 

しかし、それは決して

あり得ないことではないので、

将来のことについて考える

良い機会となったように思います。

 

僕と同じく台湾にお住まいの方や、

将来的に台湾で暮らしたいと

ご検討中の方の、

ご参考になりましたら幸いです。

※記事中の日本円表記は、1元=3.8円で計算しています。(2021年2月20日現在)

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