「台中同志遊行(台中LGBTプライド)」2019に過去最大の2.5万人!同性婚実現だけじゃない参加者爆増の理由は?


台中同志遊行(台中LGBTプライド)2019パレード後の台鐵・台中駅前

台湾中部の都市・台中でも史上最高記録を更新!2万5000人参加のパレードでは、来年の「重要イベント」に向けて力強くメッセージが伝えられました。

こんにちは!今年5つ目のLGBTプライドを歩いてまいりましたMae(@qianheshu)です。

今回参加してきたのは、台湾中部の都市・台中で毎年行われている「台中同志遊行(台中LGBTプライド)」

先月の台灣同志遊行(台湾LGBTプライド)では、過去最高となる20万人が参加しましたが、その勢いは台中へも波及するカタチに。

参加者数はイベント史上最高の2万5000人となり、記録的な大パレードとなりました。

またその一方で、今年の台中のパレードでは「あるメッセージ」が非常に色濃く出ていたのも印象的。

同性婚実現の一方で、人々はすでに来年に控えた「重要イベント」へと目を向けているのが、ひしひしと伝わってくるパレードとなりました。

今日は、11月9日(土)に行われた「台中同志遊行(台中LGBTプライド)」当日の様子についてご紹介したいと思います。

 


台中駅前に2万5000人が集合!過去最高の参加者数となった「台中同志遊行(台中LGBTプライド)」2019。

台中同志遊行(台中LGBTプライド)2019の会場となった台鐵・台中駅前

今年の会場となったのは、

台鐵・台中駅の駅前広場。

 

さすがは台中の玄関口とあって、

会場を行き交う人の数が、とにかくすごい!

 

パレード参加者はもちろんのこと、

ちょうど駅前を通りかかった人たちも加わって、

出発前から活気に満ち溢れています。

 

一人でも多くの方に、パレードについて、

そしてLGBTについて知ってもらうと言う意味でも、

台中駅前広場という場所は、

絶好のロケーションに違いありません。

 

台中同志遊行(台中LGBTプライド)2019会場ブース

台中同志遊行(台中LGBTプライド)2019の会場ブースで販売されていたミニタオル

会場でのブース出展も、

昨年までにも増して、

多様性に富んでいる印象。

 

レインボーグッズや洋服、

フード系アイテム、LGBT運動に携わる団体…

 

駅前広場を埋めつくさんばかりに、

テントがずらり。

 

人波をかき分けなくては進めないほどに、

どのブース前も大盛況を博していました。

 

台中同志遊行(台中LGBTプライド)2019会場のGagaOOLalaブース

写真に写っている「GagaOOLala」は、

LGBT関連作品に特化した

台湾発の動画配信サイト。

 

LGBT関連作品を集めたNETFLIX、

と例えるのがしっくりくるでしょうか。

 

台湾の作品だけでなく、世界中の映画やドラマ、

そしてサイトオリジナルの作品も鑑賞できるので、

僕もよく利用しております。

 

台中同志遊行(台中LGBTプライド)2019の会場で配布されたポストカード

台中同志遊行(台中LGBTプライド)2019の会場で配布されたステッカー

会場では、かわいいポストカードや

ステッカーなどもたくさんいただきましたよ。

 

台中同志遊行(台中LGBTプライド)2019当日の台鐵・台中駅

台中同志遊行(台中LGBTプライド)2019会場でレインボーフラッグを纏う参加者

パレード出発前の雰囲気からだけでも、

昨年以上にパワーアップしているのが

バシバシと伝わってくる、今年の台中同志遊行。

 

パレード後の会場での発表によると、

なんと2万5000人もの参加者が集まったそうです。

 

同性婚実現のニュースを受けて、

台北のLGBTプライドも

過去最高の参加者数となりましたが、

その勢いはここ台中へも、

確実に広がっているようです。

 

「私も、あなたと共にいる。」台中同志遊行(台中LGBTプライド)2019のテーマは?

台中同志遊行(台中LGBTプライド)2019のステージに立つ司会者

2019年の

台中同志遊行(台中LGBTプライド)のテーマは

「Me Too I Am 你我同在」。

 

パートナー関係において、家庭において、

あるいは社会において、

カラダや心に傷を負ってしまうような

「力」に関係する内容となっています。

 

生為同志的我們,

更能明顯感受到有許多事無法說出。

 

當親密暴力事件發生,

我們必須思考是否有出櫃疑慮;

 

當國家機器鞏固異性戀婚嫁制度,

排除同志生命財產的保障,

使同志繼續躲在暗櫃裡;

 

當校園不再教授性別平等教育,

那些受到霸凌的孩子殞落。

 

同志所面臨的問題,

必須思考許多的層面才擁有能量向外求助。

 

(中略)

 

台灣再次展現亞洲同志友善領頭羊。

但還有許多同志議題,

是需要被社會看見與討論。

 

因此,2019台中同志遊行,

我們將主題訂為『Me Too I Am』。

 

希望藉由各種相關活動,

使你我身邊朋友更認識

同志親密暴力所面對問題。

 

也希望在社會及政治中,

能重視暴力下的影響。

 

出典:2019台中同志遊行 Me Too I Am | flyingV

 

LGBTとして生まれた私たちには、

「簡単には口に出せない」と感じてしまう事柄が

たくさんあります。

 

家族同然の相手から力を振るれ、傷ついてしまった時、

(助けを求めるには)必然的に

カミングアウトの問題がついてくることになります。

 

国が異性愛を前提とした婚姻・家庭制度を断固として譲らない時、

LGBTの生命・財産の保障は排除され、

暗いクローゼットの中へと追いやられ続けることになります。

 

教育の場にて、性別平等教育がされなくなれば、

いじめを受けた子供達が命を落としてしまうことだって、

あり得るのです。

 

すでに命を落としてしまったあの子達を、

忘れたわけではないでしょう?

 

LGBT当事者たちが対面している問題の数々は、

様々な角度から考えを巡らせておかなければ、

外に助けを求めることさえできない場合があるのです。

 

台湾は再び、

アジアでも有数のLGBTフレンドリーな国であることを

世界に示しました。

しかし、社会にその存在を知ってもらい、

討論されるべきテーマは、

まだまだ数多くのこされている現状にあります。

 

だからこそ、2019年の台中同志遊行のテーマを

『Me Too, I Am』と定めました。

 

各種の関連活動を通して、

一人でも多くの方に「力」の問題について知ってほしい。

 

社会、そして政治においても、

「力」の影響を重視してほしい。

 

そんな想いを、今年のパレードに込めました。

 

訳:Kazuki Mae

 

高雄同志大遊行(高雄プライド)2018会場で掲げられたにじいろのカード

このテーマを見て

思い出さずにはいられなかったのが、

昨年2018年の国民投票のこと。

 

LGBTに関する権利運動が

アジアで最も進んでいる台湾ですら、

一体どれだけの人たちが、

依然として誤解や偏見を抱いているのか。

 

具体的な数字として、

投票の結果を目の当たりにしたあの瞬間、

外国人である僕でさえ大きなショックを受けたことを、

今でも忘れることはできません。

 

台湾で生まれ育ってきた人たちであればなおさら、

深い傷を心に受けてしまったに違いありません。

 

あの出来事は紛れもなく、

「力」の行使に他なりませんでした。

 

関連記事→【「高雄同志大遊行(高雄プライド)」2018レポート。国民投票翌日に2万人が歩いた、励ましと涙でいっぱいのパレード。】

 

台中同志遊行(台中LGBTプライド)2019のフラッグ

また、このテーマに決まった背景には、

今年の台中同志遊行代表を務める方が、

実際に体験した出来事も関係しているそう。

 

彼自身が、同性との関係の最中、

振るわれた「力」によって傷ついてしまった過去。

 

どこに助けを求めればいいのか。

誰に相談をすればいいのか。

 

当時深く悩み、苦しんだ経験から、

このテーマが選ばれたと、

クラウドファンディングサイトの動画内にて

お話しされていました。

 

カミングアウトをしていない(できない)

環境にある場合、被害を訴えることが、

望まぬカミングアウトにつながることもあります。

 

カミングアウトをしていたとしても、

周囲の理解が充分ではない状況では、

必要とする助けが得られないことすら、

あるかもしれません。

 

そんな境遇に置かれている人たちがいることを、

知ってほしい。

 

そんな境遇に陥ってしまう可能性が、

現在も存在している事実を、

一人でも多くの方の心に留めておいてほしい。

 

世界中で話題となった

「#MeToo」運動にもつながるテーマを抱えながら、

今年のLGBTプライドは歩かれることになります。

 

「台湾の未来を明るく照らせるように。」台中の街がにじいろに染まる瞬間。

台中同志遊行(台中LGBTプライド)2019の会場をスタートしたパレード隊列

パレード出発の合図と共に、

続々と街へと歩みを進めていく参加者たち。

 

2万5000人の大隊列が、

台中の街をにじいろへと染め上げていきます。

 

台中同志遊行(台中LGBTプライド)2019のパレードをレインボーフラッグを纏って歩く参加者

台中同志遊行(台中LGBTプライド)2019のパレードを歩く台湾男子たち

台中同志遊行(台中LGBTプライド)2019のパレードカーに貼られたポスター

今回のパレードは、

台中駅前エリアをぐるっと一周するルート。

 

およそ2.5kmの道のりを、

1時間ほどかけて練り歩いていきます。

 

台中同志遊行(台中LGBTプライド)2019のパレード隊列

台中同志遊行(台中LGBTプライド)2019のパレードを歩く柴犬

台中同志遊行(台中LGBTプライド)2019でゴール間近のパレード隊列

台中駅前と言えば、

人気のグルメスポットやおみやげ店などが、

数多く軒を連ねているエリア。

 

地元の方はもちろんのこと、

台中を訪れた多くの人たちへも、

メッセージを伝えて歩くことのできる

ルートとなっています。

 

台中同志遊行(台中LGBTプライド)2019のパレードカーからレインボーフラッグを掲げる参加者

台中同志遊行(台中LGBTプライド)2019のパレードをレインボーフラッグを掲げて歩く参加者たち

台中同志遊行(台中LGBTプライド)2019のパレードを歩く政党グループ

台北から電車に乗り込んだ時は、

薄曇りで肌寒いくらいのお天気だったのですが、

台中は真夏並みの強烈な太陽の光が降り注ぐ好天。

 

昨年のPM2.5が猛威を振るう

コンディションとは打って変わって、

今年はキレイな空気にも恵まれた

絶好のパレード日和です。

 

台中同志遊行(台中LGBTプライド)2019に登場した巨大レインボーフラッグ

台中同志遊行(台中LGBTプライド)2019のパレードカーに集まるドラァグクイーンのみなさん

台中同志遊行(台中LGBTプライド)2019のパレードを歩くレインボー男子たち

先頭を行く巨大レインボーフラッグに、

レインボーバルーンで彩られたパレードカー、

レインボーのコスチュームに身を包んだ台湾男子たちと、

とにかくカラフルで華やか!

 

みなさん思い思いに楽しみながら

歩いて行く様子を眺めているだけでも、

すごくワクワクしてきます。

 

台中同志遊行(台中LGBTプライド)2019のパレードでプラカードを掲げる参加者

台中同志遊行(台中LGBTプライド)2019のパレードでレインボーフラッグを振る祁家威さん

パレードには、

同性婚を実現へと導くきっかけとなった

立役者である祁家威さんも参加。

 

参加者へエールを送るように、

大きなレインボーフラッグを振りながら、

パレードを見守られていました。

 

台中同志遊行(台中LGBTプライド)2019パレード後のステージ

パレードに続いての会場では、

ステージパフォーマンスが開始。

 

ドラァグクイーンたちの艶やかなショーに、

ステージ前に集まった参加者たちも、

大きな歓声を贈ります。

 

台中同志遊行(台中LGBTプライド)2019パレード後のステージに立つドラァグクイーンのみなさん

NETFLIXの人気番組

『ル・ポールのドラァグレース』

大ヒットの影響もあってか、

台湾のドラァグクイーン界も、

年を経るごとに勢いを増している印象。

 

新たにデビューをする

クイーンたちもますます増えていて、

パフォーマンスのレベルも

どんどん進化しているように思います。

 

台中同志遊行(台中LGBTプライド)2019パレード後でミニライブを披露する安苡葳さん

イベントの最後には、

アーティストの安苡葳さんが登場し、

ミニライブを披露。

 

このステージを見るまで

存じ上げていなかったのですが、

安苡葳さんは電音(EDM)のアーティストとして

よく知られている方だそう。

 

次々と披露される、

台湾の廟會でよく流れていそうな派手派手な曲たちに、

会場もひときわ盛り上がります。

 

当日耳にした中でも特に、

『使勁搖』というこちらの曲に、

僕は今絶賛中毒中です 笑

 

台中同志遊行(台中LGBTプライド)2019パレード後の会場で配布されたレインボーミニ天燈

台中同志遊行(台中LGBTプライド)2019パレード後の会場に輝くレインボー天燈

すっかり日が暮れ、

イベントもフィナーレに差し掛かると、

レインボーカラーの天燈が

一人一人に配布されました。

 

スマホライトの光を受けて、

会場中にキラキラとまたたく、

たくさんの天燈。

 

「台湾の未来を明るく照らせるように」

との願いを込めて、

神秘的な光のアートが会場中に広がりました。

 

パレードに溢れた「投票」への呼びかけ。国のリーダーを決める選挙が、台湾でまもなく。

台中同志遊行(台中LGBTプライド)2019のパレードで投票を呼びかけるプラカード

「力」がテーマとなっていた今回のパレードですが、

それに加えて、非常に多く見られたのが

「投票」への呼びかけ。

 

この点に関しては、

20万人が参加した台北のLGBTプライドよりも、

一層に色濃く出ていたように思います。

 

台中同志遊行(台中LGBTプライド)2019のパレードで婚姻平權の支持を訴えるプラカード

台中同志遊行(台中LGBTプライド)2019のパレードで蔡英文総統の支持を訴えるプラカード

来年1月に控えているのは、

「台湾総統&立法委員選挙」。

 

選挙の結果次第では、

婚姻制度をより平等にしていくための討論はおろか、

ようやく踏み出した一歩すら

後退してしまう可能性も危惧されています。

 

今年の台中同志遊行では、

同性婚を実現へと導いた現職の蔡英文総統への

支持を求める声が、とても大きく叫ばれていました。

 

同時に、対抗勢力への批判も、

非常に強く行われていた今回のパレード。

 

特に台中は、2018年に

台湾各地の市長や市議会議員を選ぶ「九合一選舉」にて、

対抗勢力が多数派を握る結果となっただけに、

より一層の危機感が抱かれているのかもしれません。

 

台中同志遊行(台中LGBTプライド)2019のパレードで香港への支持を訴える参加者

また、台中のLGBTプライドに限らずですが、

今年の台湾各地のLGBTプライドでは、

昨年までには見られなかった動きも。

 

今、非常に混乱した状況に置かれている

「香港」に向けてのエールも、

パレード内にて頻繁に見られるようになりました。

 

台中同志遊行(台中LGBTプライド)2019の台湾のカタチをしたレインボーフラッグ

LGBTの権利運動を進める前提として、

「自由」は絶対に欠かすことのできない

土台となっています。

 

台湾には、市民が声をあげる「自由」、

権利を求めて行動する「自由」があります。

 

しかしその「自由」は、

決して最初から存在したわけではなく、

多くの時間、努力、犠牲を経て、

ようやく人々が掴み取ったかけがえのないものです。

 

そうして掴み取った「自由」があったからこそ、

台湾はアジアで初めて同性婚を実現できたと言っても、

過言ではないかと思います。

 

隣国の脅威に立ち向かい、

「自由」のために今まさに闘っている香港と、

同様の危機感と常に隣り合わせな台湾。

 

だからこそ、一見無関係に思える

「香港」と「(台湾の)LGBTプライド」にも、

実はとても深いつながりがあるのです。

 

台中同志遊行(台中LGBTプライド)2019のパレードにはためくレインボーフラッグ

「自由」という観点から見ても、

来年の「台湾総統&立法委員選挙」は、

とてもとても重要なポイント。

 

同性婚実現のニュースに、

楽観視してばかりいられない。

 

台湾の人々は、

すでに「次なる挑戦」をしっかりと見据えていることを、

今回のパレードからはひしひしと伝わってきました。

 

参加者が増えた背景には、

2ヶ月後に迫ったこの大切な選挙も、

決して無関係ではないと感じています。

 

まとめ

台中同志遊行(台中LGBTプライド)2019パレード後の台鐵・台中駅前

今日は、「台中同志遊行(台中LGBTプライド)」2019

当日の様子についてご紹介しました。

 

イベント史上最大となる盛り上がりの一方で、

投票に関するメッセージも

非常に強く打ち出されていた今回の台中のパレード。

 

同性婚実現から、さらにもう一歩進んだ

「自由」と「平等」のために。

 

ようやく踏み出した大きな一歩を、

後退させないように。

 

歩み続ける参加者のみなさんの勇気と懸命さに、

とても心を打たれたイベントとなったように思います。

 

台中同志遊行(台中LGBTプライド)2019パレード後のステージに立つ高雄同志大遊行の主催者

そして、秋のLGBTプライドシーズンも

いよいよフィナーレ!

 

2019年最後となるLGBTプライド

「高雄同志大遊行(高雄プライド)」は、

11月23日(土)に開催されます。

 

今年の台湾のパレードを肌で感じてみたい方は、

これがラストチャンス!

 

台湾へお越しのご予定がある方はぜひ、

現地の参加者のみなさんと共に、

街を歩かれてみてはいかがでしょうか。

 

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