台湾の忘年会「尾牙(ウェイヤー)」とは?臨時収入もゲットできる春節前の定番行事に参加してみました。

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台湾春節前の定番忘年会「尾牙(ウェイヤー)」の会場

日本の忘年会とはどんなところが違う?台湾の会社員が一番楽しみにしている一年に一度の豪華パーティーに、現地採用の僕も参加させていただきました。

こんにちは!台北でデザイナーとしてお仕事をして5年ほどになりましたMae(@qianheshu)です。

2019年を迎えて、3週間。

日本ではそろそろお正月のお祝いムードが落ち着いてきて、普段通りの生活が戻り始めた頃ではないかと想像します。

しかし、お正月事情が少々異なる、お隣の国・台湾。

実は、台湾の新年は、いよいよこれからです!

西暦は日常に定着していますが、暦の上でのイベントは旧暦(農暦)に基づくのが習わし。

カウントダウンイベントが各地で行われる西暦の新年(跨年)とは区別して、旧暦の新年は「春節(過年)」と呼ばれています。

つまり、この記事を書いている現在の台湾は、忘年会シーズン真っ盛り!

「尾牙(ウェイヤー)」と呼ばれる台湾の忘年会を楽しむ人々で、街のレストランはどこも大いに賑わいます。

しかも、日本の忘年会とはかなり趣が違っていて「参加しないと損!」と言っても過言ではないくらい、会社員なら誰もが楽しみにしているパーティーなのです。

日本の忘年会と、台湾の尾牙はどんなところが違う?

今日は、僕が参加した在籍中の会社での「尾牙(ウェイヤー)」の様子とともに、台湾の忘年会についてご紹介したいと思います。

目次

台湾の忘年会「尾牙(ウェイヤー)」は、大盤振る舞いのド派手なパーティー。

台湾春節前の定番忘年会「尾牙(ウェイヤー)」会場のテーブル

「尾牙(ウェイヤー)」とは、

春節前の締めに行われるパーティーのこと。

 

日本語で言えば「忘年会」と呼ぶのがしっくりくる尾牙ですが、

その内容は、日本の忘年会とはかなり違った趣となっています。

 

台湾の尾牙とは、単なる食事会とは一線を画する、

大盤振る舞いのパーティー。

 

1年の苦労を労うとともに、

各企業とも社員の心を会社に繋ぎとめようと、

威信と費用をかけて盛大に催します。

(春節明けは、台湾の転職シーズンでもあるのです。)

 

社員が数百人以上の大きな会社では、

ホテルの巨大な宴会場を丸々貸し切って、

会場に特設ステージが設けられることも。

 

ステージ上では、台湾の有名アーティストが登場してのミニライブや、

パフォーマーを招いてのショータイムなど、

社員を楽しませる演出を忘れません。

 

台湾の春節用ディスプレイ

そして、社員たちが一番楽しみにしている目玉イベントが「抽選会」

 

大企業の抽選会では、最新式のスマホやパソコン、

時には車1台(!)が当たるなんてことも。

 

プレゼントの豪華さが半端なく、

まさに「参加しないと損!」なイベントとなっているのです。

 

ただ、僕は台湾で会社員として働いて5年ほどになり、

一度転職も体験していますが、まだそこまでの大規模な尾牙は未体験。

 

すべての会社の尾牙が上記のようなスタイルかというと、

決してそんなことはなく、社員数や業績、社風に合わせて、

行われ方も様々です。

 

VIPルームを貸し切ったカラオケ大会だったり

(「KTV」と呼ばれる台湾のカラオケには、

パーティー用の超豪華で巨大なお部屋があるのです)、

 

ハローウィンのように仮装して楽しむパーティーだったり

(僕の友人の会社のパターン)、

 

社員旅行も兼ねた日帰りツアーが組み込まれていたり

(僕のボーイフレンドの会社のパターン)。

 

一口に尾牙と言っても、本当にいろいろなスタイルがあります。

 

では、実際のパーティーの様子は、どのようなものなのか。

 

一例として、僕が現在所属している会社(社員約30人)の

今年の尾牙の様子をご紹介してみたいと思います。

 

豪華な台湾伝統料理に舌鼓。が、ちょっと怖いしきたりも…

台湾春節前の定番忘年会「尾牙(ウェイヤー)」の会場

今回の尾牙の会場となったのは、台北市内にある高級レストラン。

 

僕の所属している会社の場合は、豪華な食事会をメインに、

ミニゲームや抽選会をプラスしたスタイルで、

圓桌3つが並ぶ一間を貸し切って行われました。

 

台湾春節前の定番忘年会「尾牙(ウェイヤー)」で振舞われた台湾伝統料理

全12品のコースメニューは、お肉のオードブルから始まり、

ホタテの炒め物、蒸し魚、あんかけチャーハン、

蒸し饅頭、季節のフルーツなどがずらり。

 

尾牙に参加すると、

大人数でいただく台湾伝統料理の真髄に触れることができるので、

その意味でも、毎年とても楽しみにしています。

 

普段の食事では、

滅多にお目にかかれない珍しい食材もたくさん登場するので、

僕も参加する度、新しい発見ばかりです。

 

台湾春節前の定番忘年会「尾牙(ウェイヤー)」で振舞われたフカヒレスープ

今回のお料理は、どれも本当においしかったのですが、

僕の一番のお気に入りは、

「蟲草花雞燉翅(鶏とフカヒレの煮込みスープ)」。

 

プチプチと弾けるフカヒレの食感と、

鶏のうまみがギュッと詰まった、スープの風味が最高のコンビネーション。

 

ひとさじ、ひとさじ、大切に味わいながらいただきました。

 

台湾春節前の定番忘年会「尾牙(ウェイヤー)」の料理メニュー

ちなみに。

 

お料理に関しては、ちょっと怖いしきたりもある、台湾の尾牙。

 

鶏をまるごと使った一品がテーブルに並んでいる際、

もしその鶏の頭が自分の方を向いていたら…

 

なんと「あなたはクビです」という、

会社からの暗黙のメッセージとなっているのです!

 

このしきたりによって実際にクビになった人が、

現在でもいるのかどうかは定かではありませんが、

料理を準備する際は、この点にとても注意が払われている様子。

 

今回の尾牙でも、鶏の丸焼きがカットされて出てきましたが、

頭の部分はお皿にのっておらず、あらかじめ取り除かれていました。

 

一年の終わりに鶏に睨まれないよう、お仕事はしっかり頑張りましょう。

 

賞金争奪戦!ミニゲームに闘志燃ゆる尾牙会場。

台湾春節前の定番忘年会「尾牙(ウェイヤー)」の紅包争奪ゲームに参加する同僚たち

豪勢なお料理で、おなかが程よく満たされて来たところで、

尾牙には欠かせないレクリエーションの時間に。

 

レストランの一間なので、

「特設ステージで有名人のパフォーマンスを鑑賞!」とはいきませんが、

社員全員が参加できるミニゲームで、会場は盛り上がっていきます。

 

ジェスチャークイズや風船割りなど、

日本でおなじみのものが多いですが、

そんな中にも垣間見える台湾ならではの風習。

 

じゃんけんの替わりに、

「黑白黑白…(ヘイバイヘイバイ…)」と言いながら、

手のひらの表裏でチーム分けをする方法、

今回のパーティーで始めてお目にかかりました。

 

台湾春節前の定番忘年会「尾牙(ウェイヤー)」の紅包争奪ゲーム

どのゲームも、参加した同僚たちは目が超本気 笑

 

それもそのはずで、ゲーム優勝者に贈られるのは、

日本円にして数万円単位の賞金!

 

何かと物要りな新年ですから、

ものすごく気合いが入るのも自然なことでしょう。

 

紅包の嵐!管理職の方は「お財布」にご用心。

台湾春節前の定番忘年会「尾牙(ウェイヤー)」の抽選会

そして、尾牙で一番盛り上がるのは、何と言っても抽選会!

「抽選始めまーす!」の掛け声と共に、会場が一気にヒートアップします。

 

プレゼントは、台湾のお年玉「紅包」

今年は、3等賞から1等賞まで、5つの紅包が用意されていました。

 

僕も初めて参加した時は、

「えっ!現金がプレゼント!?」と驚きましたが、

どこの会社でも紅包プレゼントは必ずあり、

台湾ではこれがスタンダードな様子。

 

しかも、この中身、数千円どころじゃありませんよ。

 

場合によっては、1ヶ月分のお給料を軽く超えるくらい入っていることも!

 

僕のボーイフレンドの会社などは、

一晩で一気に8万元(=約28万円!)もゲットした社員さんがいたそうです。

※1元=3.5円で計算。(2019年1月現在)

 

そして、なんと僕も、今年はラッキーなことに…

 

台湾春節前の定番忘年会「尾牙(ウェイヤー)」の抽選会で当たった紅包(お年玉)

2等賞もらっちゃいました!

 

近隣の国に海外旅行できるくらい入っていたので、

大切に使わせていただきたいと思います。

本当に、ありがとうございます。

 

1等賞まで抽選を終えて「当たった方、おめでとうございました〜!」で、

和やかに終了。

 

「みなさん今年1年お疲れさまでした〜!また来年も頑張りましょう〜!」

 

…とは絶対にならないのがまた、尾牙の恐ろしいところです 笑

 

「加碼!(追加!)」コールが会場に響き渡り、

まだまだ満たされない同僚たち。

 

そしてここから、どんどん加碼の紅包が出てきます。

 

加碼→抽選→加碼→抽選→加碼→争奪ゲーム→加碼→抽選→加碼…

 

もう正直、何回追加の紅包が出れば終わるのか分からなくなるくらい、

エンドレスなループに突入です。

 

最終的には、30人近い全社員が紅包を手にするまで、加碼の嵐。

中には複数回ゲットする、ラッキーな同僚も数人現れるほどでした。

 

みんなお財布ホクホク状態になって、ようやく尾牙はおひらき。

 

この、一晩でウン十万円が飛び交うお年玉プレゼント、

日本の忘年会でも採り入れれば、

きっと大盛り上がりすること間違いなしです 笑

 

台湾春節前の定番忘年会「尾牙(ウェイヤー)」の抽選プレゼント・紅包(お年玉)

ちなみに、この紅包。

 

会社から出る部分もありますが、

大部分は管理職のみなさんの、個人のお財布から出ています。

 

最後には、帰りのタクシー代まで搾り取られようか、

というところまで、みなさんすっからかんになっておられました。

 

(上の写真は、ある管理職の方が、もうお財布からっぽ過ぎて、

デスクでコツコツ貯めていたぶたさん貯金箱までも、

提供せざるを得なくなった図です 笑)

 

日本から駐在員として台湾に来られる方、

または台湾で会社を起こそうとされている方。

 

この台湾の尾牙は、管理職にとっては間違いなく地獄ですので、

ご覚悟の上でお越しくださいね 笑

 

まとめ

台湾の春節用飾り・春聯

今日は、台湾の忘年会「尾牙(ウェイヤー)」についてご紹介しました。

 

所属する会社の規模や業績によって、様々なスタイルがある尾牙。

 

前職現職含めて、僕がこれまで参加してきた尾牙は、

上でご紹介したような食事会がメインのスタイルでした。

 

台湾ならではの文化が詰まっているという意味でもすごくおもしろいので、

もしチャンスがあれば、ぜひ参加されてみてくださいね。

 

最後にもう一度念押ししておきますが、

管理職の方や、会社の代表として協力会社の尾牙に招かれた方は、

とめどなく吹き荒れる「紅包の嵐」に、くれぐれもご用心を。

 

傍らから眺めていても身震いがするくらい、

本当に恐ろしいですよ 笑

 

▼台湾の不思議な魅力について知りたい方はコチラをぜひ!▼

 

おまけ:本日の台灣男子

 
 
 
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走在街上的時候,偶爾會看到把紅色小包掛在脖子上的台灣男子。原本以為是項鍊,但仔細看有點像日本神社可以買的御守,感覺不是單純的裝飾品。後來問我男友才知道,那個叫做「平安符」,直接戴在身上就有遠離危險、身心平安的效果。聽說在大都市比較少見,如果在台北遇到算很幸運喔~ 街を歩いていると、時たま見かける赤い小袋のようなものを首から下げている台湾男子。ネックレスか何かかと思ってよくよく見てみると、日本の神社で売っているお守りにそっくりで、どうやらただのアクセサリーではなさそう。ボーイフレンドに聞いてみると、これは「平安符」と言うもので、身につけておくと危険を遠ざけてくれる効果があるらしい。都市部ではあまり見かけないらしいので、もし台北で平安符をつけている男子を見かけたらラッキーかも? #本日の台灣男子 #平安符 #台灣文化 #傳統文化 #保佑平安

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『本日の台灣男子』は、僕が台湾の街で出会った台湾男子たちを、

思わず胸キュンしてしまったエピソードと共に、イラストで綴るインスタアカウントです。

 

時にかっこよく、時にかわいく、時にゆるゆるな台湾男子の魅力は、

ID:todaystaiwaneseboy に詰め込んでいますので、

ご覧いただけるとうれしいです!

 

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