台湾での家事の中で一番ハードなことは?僕なら間違いなくコレを一番に挙げます。
こんにちは!台北在住もうすぐ丸6年になる現地採用サラリーマンMae(@qianheshu)です。
以前【「台湾ルームシェア」そういえば、台北在住の日本人ってどんな部屋に住んでるの?】の記事でも触れていますが、最近新しい部屋での生活を始めました。
これまでに住んでいた一人暮らしの部屋とは状況が大きく変わって、より快適な環境が手に入ったことには満足しているのですが、一点意外と理解していないかった、ある問題が浮上。
それは、毎日の暮らしの中で出る「ゴミ」のこと。
住む環境が変わったことで、これまでの生活では出なかった種類のゴミにも、対処しなくてはならなくなりました。
6年も住んでいながら、これらを「どうやって捨てる」のかイマイチ理解していなかったことを、ここに来てようやく気づかされる事態になっております…
今日は、台湾の「ゴミ捨て」について。
日本とは全く違う独自のシステムもあり、なかなかおもしろいので、捨て方や分別の仕方などについてご紹介してみたいと思います。
※以下は、僕が住んでいる新北市エリアのお話になります。お住まいのエリアによってルールが違うこともありますので、ご留意ください。
ほぼ毎日がゴミ捨てデー。
台湾で暮らし始めた頃、日本の習慣とは違う部分が多く、
新鮮さを感じることはたくさんあったのですが、
その中でも「ゴミ捨て」は、かなりフレッシュ度が高かったことの一つ。
管理人さんが常駐しているような、設備の良いマンションなどの場合は別ですが、
ごく一般的な住宅の場合は、基本的に「ゴミ捨て場」というものがありません。
では、どうやって捨てるのかと言いますと…
「ゴミ」をひとまとめにして、収集車が持って行ってくれるのとは逆に、
台湾ではなんと「人」をひとまとめに、収集車へ集めるシステム!
一定の時間になると、どこからともなく「たらららららららら~ん♪」とか
「トゥルルトゥルルルン〜♪」などの、けたたましい音楽が流れて来て、
これを合図に近隣住民たちがドッと外へ飛び出して来ます。
(クラシック音楽の『エリーゼのために』と『乙女の祈り』という曲です。)
余談ですが、この音楽のアレンジにはいくつか種類があって、
遠くまでよく響く電子音だったり、本格派(?)のピアノ調だったり、
テンポがゆっくりだったり、急ぎ足だったり。
街によっては、台湾語の曲が流れることもあるらしいです。
音楽がさらに近づいてくると、黄色いライトをビカビカさせながら、
ゴミ収集車が到着!
場合によっては全く停車してくれない収集車を、半ば小走りで追いかけながら、
ゴミ袋を手際よくポンポン投げ込んで行きます。
捨て終わったら、みなさん何事もなかったかのようにササーッと屋内へ退散。
先ほどまでの賑わいがまるで夢であったかのように、元どおりの静かな通りに戻ります。
この台湾式のゴミ捨て、
僕の住んでいるエリアでは週5で回収に来てくれる、かなりのマメさ。
しかし、会社勤めをしている方にとっては、
数ある家事の中でも、結構ハードなルーティンであったりします。
台湾のゴミ捨ては意外とハード!?
ほぼ毎日のように収集に来てくれる台湾のゴミ収集車ですが、
捨てるチャンスは、車が家の前(または周辺)を通り過ぎる、その瞬間のみ。
それを逃すとその日はゴミが捨てられず、部屋に溜め込むことになります。
通る時間は大体固定されていて、僕の住んでいるエリアの場合は、
14:20ごろと19:40ごろの2回。(日によって5分前後のブレあり)
しかし、この時間設定が、会社に行っているとキツイんです…
昼間が無理なのはもちろんのこと、19:40となると、
会社が終わってから急いで帰宅しないと間に合わないレベル。
ちょっとでも退社時間が遅れようものなら、確実に間に合いません。
しかも、気温の高い台湾。
生ゴミなどは早めに捨てないと、あっという間に傷んで、においを発生する上、
それに惹かれてゴソゴソ集まってくる者が無きにしもあらず。
収集の時間に間に合わないと、
いろんな意味でモチベーションがガクッと下がります…
エリアによっては、21:00や22:00の設定になっているところもありますが、
自分が暮らすことになった部屋周辺のゴミ収集が何時にくるかは、ほぼ運任せ。
タイミングこそたくさんあるものの、
日本の「ゴミ捨て場」システムの方が、会社員の身には便利かな、と思わなくもありません。
あと、僕が個人的にハードだと感じていることが、もう一点。
ここ3、4年ほど、僕はずっと屋上に増築された「頂樓加蓋」に住んでいます。
築数十年の古い建物には、エレベーターなどついていないので、
毎日自分の脚で上り下りするしかないわけですが、
ゴミ捨ての時はまさに、運動部のトレーニングさながら。
会社から急ぎ足で家到着→
やばっ、もう「たらららららららら~ん♪」が迫って来た!→
階段で6Fへ猛ダッシュ→
ゴミ袋鷲掴み→
手すりを滑り降りたい勢いで1Fへ→
あ゛~!!!! 収集車待て~!!!→
ダッシュで追いかける→
憎しみ込めて投げ入れる
のような高負荷・高ストレスな出来事も、少なからず起こります。
または、部屋には居ても、
思っていたより早めに音楽が聴こえて来て、慌てて駆けおりることも多数。
あんまり上の階層に住むと、ゴミ捨て時のハードルは間違いなく上がります。
(何事も「余裕持って行動」できれば、それでいいのですけどね。)
「一般ゴミ」は指定のゴミ袋が必要。
そして、ここからは「分別」に関するお話。
台湾も日本と同じく、「ゴミは分別」という概念が浸透しています。
大きくは「一般ゴミ」「資源ゴミ」「生ゴミ」の3種類。
ゴミ捨ての際はそれぞれ、捨てる場所が異なっています。
「一般ゴミ(燃えるゴミ)」は、市指定のゴミ袋をコンビニやスーパーで購入。
指定のゴミ袋以外は受け付けてくれない他、容量にも制限があるので、
(袋を結んで閉じられる範囲であればOK、と聞いたことがある)
注意が必要です。
後に登場する「資源ゴミ」と「生ゴミ」以外のものは、
全てこの袋へ、という認識で良いと思います。
黄色い収集車の後ろ側に収集口があるので、
そこにポーンと投げ込んでおけばOKです。
ちなみに、台湾ではレジ袋が有料になっているのですが、
台北市では最近、このレジ袋をそのまま一般ゴミ用の袋として使えるようになった
というニュースも。
レジ袋の左隅にシルバーのシールが貼られていたら、
ゴミ袋として使える証ですので、間違えて捨ててしまわないようにしましょう。
【関連報道→『減塑記得「袋」 北市明年推出攜袋借袋兩用袋|新頭殼newtalk』】
「資源ゴミ」は「平面」と「立體」の2種類。
「資源ゴミ」は、ペットボトルや卵パック、お肉や魚の入っていたトレイ、缶、瓶などで、
日本で資源ゴミとされているものと、ほぼ同じ扱い。
パッケージを眺めてみて、このリサイクルのマークがあれば、資源ゴミで捨てられるものです。
こちらは、特に詰める袋の指定はないので、適当なものにまとめて出せば問題ありません。
と思っていたのですが、これだけではなかった資源ゴミの分別。
さらに細かくは「平面」と「立體」という区別があり、
僕がもともと資源ゴミとして認識していたこれらは「立體」にあたるものでした。
「平面」は何かというと、新聞紙や雑誌、洋服、ポリ袋など。
これらも、資源ゴミとして捨てられるらしいです(一般ゴミに入れてたよ…)。
そして、台北市の場合は「平面」と「立體」はそれぞれ回収の曜日が決まっていて(!)、
指定の曜日でないと捨てられないとのこと。
「何で受け取ってもらえなかったんだろう…」とならないよう、
台北市環保局のホームページで、日時をしっかり確認しておきましょう。
僕の住んでいる新北市の場合は、近隣住民の分別の仕方や、
受取拒否されたことのない経験から察するに、曜日関係なくどちらも回収してもらえるようです。
捨てるときは、黄色いゴミ収集車の後ろからついてくる白い収集車へ。
トラックの荷台に放り込むか、回収しているスタッフさんに手渡しましょう。
「生ゴミ」は「豚のエサ用」と「肥料用」に分別。
そして、「生ゴミ」も捨てる際、いやキッチンにいる時から分別に注意が必要。
「養豬(豚のエサ用)」と「堆肥(肥料用)」の区別があると知ったのは、つい数日前のことで、
ずっと混ぜこぜにしたまま捨てていました…(上の写真はダメな例です)
区別の仕方は、新北市環保局のホームページに、すごく分かりやすい例がありました。
野菜の切れ端や食べきれなかったごはんなど、
人が食べようと思えば食べられるものは「豚のエサ用」。
たまごの殻や果物の種、魚や肉の骨など、
人が食べられないものは「肥料用」にあたるとのことです。
夜にゴミ収集車を追いかけ回しながら撮ったので、無駄に躍動感のある写真で恐縮ですが、
豚のエサ用は「青」のバケツ、肥料用は「緑」のバケツへ。
ただし、この時ポリ袋ごと捨てるのはNG。
袋から出して捨てるか、
家庭でもバケツにまとめておいて、直接中身だけ捨てるのをよく見かけます。
僕はこれまで、2種類に分けていないのはもちろんのこと、
直接袋にまとめたものを収集車のスタッフさんに渡していたのですが、
なぜか一度も注意されたことがなく、今に至り…
今後は、どうやって家庭内で分けておくか、ちゃんと考えておかなくてはと反省中です。
僕がゴミの分別を理解していなかった理由。
台湾のゴミ捨て事情、確かに簡単ではありません。
が、僕が以前日本で暮らしていた時の地域では、
ペットボトルの蓋のリングまできっちり外さなくてはいけないくらい分別が厳格でしたし、
それと比べても、とびっきり複雑というわけではありません。
それなのに、なぜこれまでよく理解していなかったのかと思い返してみると、
大きく2つ理由があるように思います。
1. ゴミを分別してくれる人が身近にいた。
僕はこれまで、3つの場所に住んだことがあります。
1つ目は台北市内、2つ目は新北市內でしたが、
どちらも1階、あるいは近隣にゴミを分別してくれる方がいました。
彼らの家の前には、ゴミを入れておくかごが用意されており、
(生ゴミはさすがにNGですが)ここに資源ゴミになりそうなもの入れておくと、
処理してくれていたのです。
しかも、特に費用をお渡しするでもなく、
どちらも「ここに置いてくれていいよ」とおっしゃってくれていたので、
おそらくご近所さんから集めたものをリサイクルして、収入に変えていたのかな、と思います。
おかげで、自分で捨てなくてはいけないゴミが大幅に少なくなり、
月1回ほどのゴミ捨て(一般ゴミのみ)で充分事足りていました。
2. キッチンがなかった。
2つ目は、どちらの部屋にもキッチンがついておらず、
自分で料理はおろか、家で食事をすることもほとんどゼロだったため。
料理をしなければ、食料を包装しているパックや袋などの資源ゴミはほぼ出ませんし、
当然生ゴミもなし。
さらに、台湾の飲食店には、必ずと言っていいほど「外帶(テイクアウト)」があり、
家に持ち帰ってから食べることももちろんできますが、これが嫌いだった僕。
ゴミになるからというのもありますが、何よりにおいにつられて「虫」が出るのが恐ろしい…
家には基本的に「水」くらいしか口にできるものは置いていなかったため、
「食べ残し(生ゴミ)」が出ることも皆無でした。
という以上の理由により、今まで家庭で「分別」をほとんどしたことがなかったのです。
最近暮らし始めた新しい部屋の周辺には、
1. のゴミ分別をしてくれる人の存在はなく、
2. のキッチンが手に入って、自分でごはんも作るようになったので、
これまでと比べてゴミが一気に急増。
台湾に住むようになって6年、ようやく試行錯誤しながら、
分別と真面目に(?)向き合う毎日となっております。
まとめ
今日は、台湾在住6年ながらよく理解していなかった
「台湾のゴミ捨て事情」についてまとめてみました。
ちなみに、今回この記事を書くにあたって色々と調べていたところ、ある発見が。
実は台湾、世界でも指折りの「リサイクル」大国ということで、
そのシステムが海外からも注目を集めているのだそうです。すごい。
【関連報道→『台灣是世界前三名的資源回收大國,為什麼國際形象始終沒跟上?|獨立評論@天下』】
実際に住んでいないと体験はできないかもしれませんが、
ご旅行中、どこかから「たらららららららら~ん♪」と
『エリーゼのために』が聞こえてきたら、ぜひご注目を。
日本では見ることのできない、
台湾ならではのユニークな日常風景に出会うことができますよ。
▼台湾の不思議な魅力について知りたい方はコチラをぜひ!▼
おまけ:本日の台灣男子
『本日の台灣男子』は、僕が台湾の街で出会った台湾男子たちを、
思わず胸キュンしてしまったエピソードと共に、イラストで綴るインスタアカウントです。
時にかっこよく、時にかわいく、時にゆるゆるな台湾男子の魅力は、
ID:todaystaiwaneseboy に詰め込んでいますので、
ご覧いただけるとうれしいです!
▼こちらの記事もよくお読みいただいています!▼
→台湾でお部屋の下見をする際に必ずチェックしたい12のこと。
→キッチンなし台湾暮らしの台風来襲時はどんな食料を備えるの?
→台湾に5年住んでも克服できない「虫」のこと。旅行中も新生活後も彼らの出現にご注意を。
→台湾でサラリーマンとして暮らす31歳日本男子の家計簿。語学留学時代のお金の使い方とも比較してみました。
コメント
コメント一覧 (4件)
そういえば先日の旅でレジ袋を購入したらいつもと違うのが付いていると思いましたがゴミ袋としても使えるようになったのですね。
理解しました♪
あと写真を見て思い出しましたが台湾には6000mlのペットボトルがあって環境にも良さそう。
運ぶのに筋トレも兼ねられますし(笑)
水道水が飲めないので、ペットボトルの水は必需品なんです。
なので、容量が大きいものもたくさんあるのだと思います。
ただ、これ持って家のある6Fまで登るのがきつい 笑
6月に台湾の彼氏のアパートに滞在してた時、このゴミダッシュ体験しました。音楽が聞こえてきて、2人して1階にダッシュ! 短い台湾での彼氏との同居生活。こんな日常生活体験が、ちょっと幸せでした~ 笑 (自分達も同じ水のボトル買ってました。写真見たときちょっと笑っちゃった)
台湾のゴミ出し、日本とは全く違っていておもしろいですよね。
時間が合わないと、なかなか捨てられないのが若干きついですが 笑
確かに、台湾の生活を代表するひとコマかもしれませんね。