
人生初の体験!台湾原住民族式の結婚式には、想像をはるかに超えたパワー炸裂の展開が待っていました。
こんにちは!友人からお誘いをいただき、台湾で結婚式に参加してまいりましたMae(@qianheshu)です。
実は僕、日本に住んでいた頃には結婚式に参加したことがなく、今回台湾でお招きいただいたのが人生初でした。
さらに、お嫁さんとなる友人からは「台湾人でもなかなか体験できない式になると思うから、期待してね!」とのお言葉。
というのも、彼女のお相手は、台湾原住民族・阿美族(アミ族)出身の男性。
その言葉の通り、僕がこれまで見聞きしていた一般的な台湾の結婚式とはかなり違った、とびっきりユニークな内容になっていたように思います。
「ブログに書いていいよ~!」と、ご本人からOKをいただいたので、今日は彼女の結婚式についての話題。
阿美族文化盛りだくさんな披露宴の様子を、みなさんとシェアしてみたいと思います。
台湾の結婚式招待状「喜帖」。
台湾での結婚式参加は、自宅ポストへと送られてくるこちらのお手紙がはじまり。
特別に凝った装飾が施されているわけでなく、
赤地に黒文字というインパクト満点なこのルックス。
これぞ、一目でそれと分かる、
台湾式の結婚式招待状「喜帖(シィティエ)」です!
封筒を開いて見ると、中からは箔押しがキラキラと輝く、
可愛いイラスト入りのウェディングカード。
新郎新婦の名前と式の日時、場所などの詳細が書かれているのですが、
日本のお知らせのように「出席・欠席」のアンケートはありません。
台湾では、届いた時点で送り主にSNSやメールなどでお祝いを告げると共に、
式へ参加するかどうかを伝えるのが一般的なようです。
ちなみに、この喜帖。
実は、出席・欠席にかかわらず、
届いたら問答無用でご祝儀を払わなくてはいけません!
おめでたいお知らせである反面、お財布への打撃は少なくないということで、
なかなかに恐れられている(?)存在でもあります。
ただそういう事情もあってか、喜帖を送る方もやはり気を使うらしく、
僕の友人も送る前に「(結婚式に)参加してくれる?」と、
確認のメッセージをあらかじめ送ってくれました。
「知っている人には、容赦なく送りつける人もいるのかなあ?」と、
そのあたりはまだ把握していません。
ご祝儀は縁起のよい四字熟語を添えた「紅包」へ。
当日会場に着く前までに準備しておかなくてはいけないのが、ご祝儀。
台湾では旧正月や就職祝いなど、おめでたいことがあると、
真っ赤な封筒にお金を包んで渡す「紅包」という風習がありますが、
結婚式でもこの紅包をご祝儀として渡します。
ただし、単に封筒にお金を包めばOKというものではなく、
結婚式の場合は、封筒に文字を書き入れる必要があります。
右上には「祝」と書いて、その下に「結婚する2人の名前」、
右下には「自分の名前」とその下に「敬賀」。
そして真ん中には、「賀詞(お祝いの四字熟語)」を大きく書き入れます。
「百年好合」「美滿家庭」「百年偕老」…などなど、たくさんあるのですが、
僕はその中から「永結同心(いつまでも心を一つに)」を選びました。
紅包に包む金額は、日本とは逆で割り切れる数字が良いとのこと(4や8はNG)。
結婚式の会場や、新郎新婦との関係の深さ、同伴者のありなし、
出席・欠席によっても変わりますが、以下のサイトに書かれていたことを参考にしつつ、
今回は2,200元(=約7,900円)を包んでおきました。
【参考リンク→ 朋友結婚這樣包!2018 婚禮紅包行情 & 禁忌報你知,這樣準備不NG】
気合いを入れすぎると逆に誤解されるかもしれない「服装」。
また、何を着ていけば良いのかというのも、かなり迷ったポイント。
「キレイめなスーツが良いんだろうな」と思ったりもしたのですが、
あいにく仕事でスーツを着る機会がないため、1着も持っておらず…
そんな折に、知り合いのSNSで結婚式に参加した時の写真を眺めていると、
意外なことに気づきました。
「あれっ?スーツバッチリ着込んでいる人いなくない???」
伴郎(新郎の付き添い人)や、司会、受付の手伝いなどを頼まれている場合は別として、
一般の参列者は、そこまでカッチリとした服装をしていないことに気づきました。
ごく普通のポロシャツやTシャツで参加している男性の姿も見えたので、
「ああ、台湾ではそのくらいで良いのか」とホッと一息。
最終的には、白のポロシャツに、黒のパンツ、黒のスニーカーという服装で参加しました。
実際に当日の会場でも、特にカジュアルすぎるということもなく、
むしろこれくらいでちょうど良かったかな、と。
逆に、あまりにオフィシャルすぎると、親族の方に間違われるかも知れません 笑
まるでガーデンパーティー!現代風なロマンティック・ウェディング。
当日は、以前の会社の同僚たちとともに会場へ。
エントランスには、2人の名前が入った可愛らしいウェルカムボードが置かれていました。
ピンクと白をベースに飾り付けされた、なんともフォトジェニックな会場。
大きな窓から差し込んでくる日の光が心地よく、開放感も抜群な空間です。
結婚式と言えば、2人の結婚記念写真「婚紗(フンシャー)」。
台湾では、どのカップルでも広告撮影並みに気合いを入れて撮るもの。
スタジオだけでなく、屋外でも場所を変えつつ、衣装を変えつつ、
かなりの枚数を撮影します。
お相手が台湾原住民族・阿美族(アミ族)の出身ということで、
伝統衣装に身を包んだ写真も何枚か飾られていました。
どの写真も、すごくロマンティックで、素敵な仕上がりです。
そして、こちらの会場はガーデンスペースもついた半アウトドア式。
ケーキにシュークリーム、ドリンクと種類豊富なスイーツバイキングが用意されていて、
ガーデンパーティーのような雰囲気が、とても現代的です。
式の始まりは、ガーデンスペースに設営されたこちらのテントで。
席についた参列者たちは新郎新婦の登場を待ち詫びながら、
バージンロードを振り返ります。
すると程なく、花びらをカゴいっぱいに入れた「花童」たちが登場!
全然花びらを撒く気配がなく素通りして行きましたが(笑)、
彼らのかわいさに会場が和んだところで、いよいよ新郎新婦登場です!
愛を誓い合い、指輪を交換しあい、両親へのあいさつへ。
涙を堪えながらメッセージを読み上げる新婦の姿に、
思わず会場全体も感動の涙に包まれます。
そして、バージンロード上には、新婦に招かれた女性陣たちが集合。
ブーケトスで、次なる花嫁へと自身の幸せをおすそ分けです。
僕がここまでで感じたのは、
もともとイメージしていた台湾の結婚式とはかなり違うなあということ。
「喜」の字が2つ連なった大きな「雙喜」の漢字もなく、
婚紗もデカデカと飾られているのでなく、とても控えめ。
もしかすると、新郎のご家庭の信仰とも関係しているのかもしれませんが、
若いカップルならではの「現代的な式にしたい」という意向も
反映されているのかもしれません。
参加者総出で伝統ダンス!これぞ阿美族(アミ族)式披露宴。
披露宴へと進む前に、ここで準備してきた紅包を渡す時間に。
色々調べて準備してきたとは言え、イマイチ自信がなかったのが、紅包に書く賀詞。
他の人がどんなメッセージを書き込んでいるのか観察してみたのですが、
どうやら「必ずしもおめでたい四字熟語である必要はない」ということが
ここで判明しました。
例えば、僕の以前の同僚が紅包に書いていた言葉。
「要幸福喔~(幸せになってね~)」
と、普段の話し言葉と変わらない、かなりカジュアルなメッセージを書いていました。
もちろん、新郎新婦との親しさ度合いとも関係するとは思いますが、
よく知り合った友達同士であれば、そういうのもアリなようです。
参加者は、全部で200人ほどは集まっていたかと。
披露宴開始と共に、テーブルには続々とお料理が運ばれてきました。
まず振る舞われたのは、2色の「地瓜球」。
伝統的な結婚式では、紅白2色の「湯圓」が振る舞われることが多いそうですが、
これも現代風ウェディングならではの工夫でしょう。
サーモンサラダや、焼きホタテのベーコン巻き、エビの唐揚げ、
うなぎの蒲焼き、干し貝柱入り米糕…などなど、
海鮮をメインとした豪華なラインナップ。
どのお料理も台湾伝統の方式を踏まえつつ、
現代風にアレンジされたスタイルになっていたのではないかと思います。
ステージ上では、シャンパンタワーや親族からのメッセージ、婚紗撮影のVTRなど、
会場を盛り上げる様々な催しが。
ガーデンでの涙なみだな雰囲気とはガラリと変わって、
始終おめでたい空気に満ちています。
そして、披露宴が進むにつれて、どんどん上がっていく参加者たちのテンション。
新郎の親族たちによるパフォーマンスの時間になると、
一気に会場が熱気を帯び始めます。
歌って…
踊って…
また歌って。
司会者のマイクを奪い取ってまで(!)我先にとステージに上がる姿は、
さすが歌やダンスが大好きと言われる彼らならでは。
ミニバンドに歌のリクエストまで出し始め、もはやカラオケ大会さながらです。
カメラをスポーツモードに設定しても、
全くシャッターが追いつかないくらい、兎にも角にもパワー全開。
激しくダンスするおじさんがもう、ブレてブレて仕方ありません 笑
さらに、伝統衣装に化粧直しした新郎新婦が登場し、ここからさらにダンス。
参加者たちもどんどん加わり、もはやステージにおさまりきりません!
最終的には、お庭で大きな円陣をを組んで、新郎新婦、彼らの親族、参加者、
全てが入り混じっての大規模ダンスに発展。
歌って、踊って、笑顔が絶えない、とても楽しい披露宴のシメとなりました。
同列した友人たちも「こんな結婚式は初めて!」と興奮した面持ち。
やはり、原住民族式というのは、台湾人でもめったに体験できるものではなかったようです。
本当に、おめでたさと幸せに満ち満ちた、素敵な結婚式でした。
ちなみに、帰り際に新郎新婦よりカゴ入りキャンディのプレゼントがあったのですが、
その中に「檳榔(ビンロウ)」が用意されていたあたりにも、
原住民族ならではの文化を感じました 笑
新婦の来賓のみに配られる引き出物「喜餅」
結婚式に参加するといただける引き出物を、
台湾では「喜餅(シィビン)」と言います。
その名の通り、中身は「お菓子」がメイン。
日本の引き出物のように、タオルやお皿などの「モノ」であることは、あまりないようです。
そして、台湾の喜餅は、新婦が招いた来賓にのみ配られるもの。
新郎の来賓には基本的には配られない(!)のですが、
新郎新婦側の計らいによっては、参加した人全員が受け取れることもあると聞きます。
僕がいただいたのは、マドレーヌやダックワーズといった、洋風のお菓子。
伝統的なスタイルでは、
小豆や芋の餡を包んだおまんじゅうが振る舞われることもあります。
が、僕は台湾の伝統的なおまんじゅうには、少し苦手なものもあるので、
今回受け取った洋菓子系はとてもありがたかったです。
お家で美味しくいただきながら、結婚式当日のおめでたさに想いを馳せております。
まとめ
今日は、台湾原住民族・阿美族(アミ族)の男性と結婚した友人の
披露宴での体験についてご紹介しました。
まさか、人生で初めて参加した結婚式が台湾で、
しかも原住民族式の披露宴になるとは、全く想像もしていませんでした。
おめでたいのはもちろんのこと、
こんなにも間近で阿美族の文化に触れることができたのも初めてだったので、
招待いただけたことをとても光栄に感じています。
みなさんも、もし機会がありましたら、
ぜひ台湾での結婚式に参加されてみてはいかがでしょうか?
きっと、日本の結婚式とはかなり違った、楽しい体験が待っているのではないかと思います。
P.S. 小葉,謝謝妳的邀請!參加到妳們的婚禮覺得非常榮幸,恭喜妳們喔~!!!
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