台北を自転車でぐるっと一周すると、どんな景色に出会える?レンタサイクル・YouBikeで台北一周に挑戦してみました。
こんにちは!普段の移動はもっぱら自転車なYouBike大好き男子Mae(@qianheshu)です。
先週は、3~4日ほど連続で大雨が降り続いた台北。
週末になって、ようやく雨が上がり、綺麗な青空が広がる絶好のお天気となりました。
台北では稀に見る好天だったのに加え、長続きした雨で鬱憤(?)が溜まっていたのもあり、何かすごくアクティブなことがしたい気持ちに。
「自転車に乗ろう!」と思い立ち、どこへ行こうかと探していたところ、「台北自行車環狀線」なるものを発見しました。
調べてみると、このサイクリングロードは、台北市をぐるっと一周するために計画されたものとのこと。
もともと、台湾一周に憧れていた僕は、「一周」という言葉に心が鷲掴みに。
居ても立ってもいられなくなり、思い切って挑戦してみることにしました。
家から淡水くらいまで(約24km)は自転車で行ったことがあるのですが、今回の道のりは全長約60km。
どのくらい時間がかかるのか、想像がつかないながらも、ワクワクしながらいざ出発です!
台北をぐるっと一周するサイクリングロードを走れば、一体どんな景色が見えるのか?
今日は、台湾一周ならぬ「台北一周」に、自転車で挑戦してみた様子をご紹介したいと思います。
マイ自転車がなくても大丈夫!レンタサイクル・YouBikeで台北一周。
「台北一周」とは言え、
自分の自転車は持っていない僕。
ですが、大丈夫!
台北には市民の強い味方
「YouBike」というレンタサイクルが
普及しています。
街の至るところにレンタルスタンドが設置されているため、
自分の自転車を所有しなくても、
とても便利に移動できてしまいます。
街の中心部での移動はもちろん、
休日にサイクリングに出かけたい時も、
いつもお供はYouBike。
今回の「台北自行車環狀線」も例に漏れず、
僕にとっては乗り馴れた
YouBikeで走ってみることにしました。
関連記事→【YouBike(レンタサイクルサービス)|台北ナビ】
厳密に言えば、
「台北自行車環狀線」という自転車道があるわけではなく、
台北市内にあるいくつかの自転車道を、
環状につなげたものとなっています。
道中は「台北自行車環狀線→」
といった案内は出ていないので、
地図を確認しながら巡りました。
「台北自行車環狀線」は、
台北をぐるっと一周するルートになっているため、
決められたスタート地点はありません。
僕は「華中河濱公園」が家から最寄りでしたので、
公園の上にかかる橋「華中橋」の下からスタート。
スタート地点にしては、
無機質で地味ではありますが、
まあそこは良しとしましょう。
また、後ほど触れますが「ある事情」も踏まえて、
反時計回りに走っていくことにしました。
台北一周初挑戦とはいいながら、
このあたりは僕も新店までサイクリングした時に、
何度か走ったことのある道。
走り慣れた場所でもあるので、
スイスイ飛ばしていきます。
それにしても、今日は本当に良いお天気。
雨が降る気配も一切なく、
台北でここまで盛大に晴れてくれる日は、
本当に貴重です。
文山區へと入ると、
緑の比率がグッと増してきました。
木々や草の香りも一段と濃厚になり、
郊外に差し掛かったことを感じさせてくれます。
河濱公園の終点が近づくと、
動物園駅から発着するMRT文湖線の列車の姿も。
ここから河濱公園を抜けて、
背後に顔を覗かせている、
キリンさんの煙突を目指していきます。
台北一周一番の難所!約8kmの山道を越える。
河濱公園を抜けたら、
アスファルトに描かれた自転車マークに沿って
「木柵路五段」を直進。
先ほど遠くに見えていた煙突が、
かなり近くまで迫ってきました。
進行方向左側に注意しながら走っていくと、
「福德坑環保復育公園」と描かれた
モニュメントのある脇道が見えてきます。
実はここが、
ルートを反時計回りに走ることにした一番の理由。
「台北自行車環狀線」最大の難所を、
前半の体力のあるうちに越えておこうという作戦です。
ここからは、鬱蒼と木々の生い茂る山道。
そしてこの坂道が、
緩やかそうに見えて、結構キツイ…
おそらく、ロードバイクで頻繁に走り込んでいる方にとっては、
どうってことのない傾斜なのだろうと思われますが、
平坦な市街地の移動でしか自転車に乗っていない身には、
なかなかこたえます…
ペダルを漕ぐ脚が悲鳴を上げ始めたので、
一旦自転車を降り、押して上ることにしました。
もし台湾一周したら、
きっとこんな坂道を、何度も超えないといけないんでしょうね。
途中、サイクリング上級者らしきおじさんに
「加油!」と、応援の言葉もいただいたので、
気力を振り絞って上っていきます。
この山の中で写真をあまり撮っていないのは、
単純にそれどころじゃないというのもありますが、
理由はもう一つ。
実はこの周辺は、
大部分が台湾のご先祖様たちが眠る場所となっており、
住宅地のごとく沿道にまで迫ります。
まだ太陽の高い昼間だから良いですが、
夜にここを通るのは、より一層の勇気が必要かもしれません。
30分ほど上り続けると、
ようやく勾配が緩やかになってきました。
頂上近くになると、
クーラーなしでも過ごせそうなくらい、
涼やかな風が抜けて心地よいです。
先ほど走ってきた河濱公園が、あんなにも小さく。
思っていた以上に高いところまで、
上ってきたようです。
そしてようやく、
「下り注意」のサインが見えてきました。
おお~っ!本当に下り坂!
上りきったよ~っ!
ここぞとばかりにサドルにまたがり、
風をきるように、下りへと入ります。
と、ここで気がついたのですが、
サイクリングでは上りよりも「下りの方が危ない」。
上り坂が終わったうれしさも加わって、
一気に進みたくなりますが、油断すると、
知らず知らずのうちに、ものすごいスピードが出てしまいます。
あやうくコントロールを失いそうになったところで、
身をもって知りました。
下り坂では、
こまめにブレーキを効かせることが大事ですね。
緑の迫る小川や、切り立った崖を眺めながら、
麓の「中華科技大學」へ。
一番心配していた難所越えも、
無事攻略することができました。
台北一周中のお昼ごはんは、南港展覽館エリアで。
スピードの出し過ぎに注意しながら下っていると、
「中華科技大學」の建物が見えてきました。
河濱公園に山道と、
ここまであまり車の通らない道を走ってきましたが、
ここからはしばらく繁華街の一般道。
一気に交通量が増え、
路線バスもバンバン走っているので、
そのギャップに一瞬ひるみそうになります。
前方に「We are family~♪」でお馴染みの
中國信託ビルが見えてきたら、
捷運「南港展覽館駅」周辺に到着。
難所を越えて、いい具合におなかも空いてきたので、
このあたりでお昼ごはんをとることにします。
「台北自行車環狀線」のルート中では、
このあたりが唯一の繁華街。
食事どきに南港へ着くよう、
設定するのが良いかと思います。
「研究院路」沿いに、
グルメ店がたくさん並んでいましたよ。
ふらっと立ち寄ったおかゆ屋さんで、
鍋燒麵。
麺が河粉(お米麺)だったのが意外でしたが、
おかゆに使うものと同じ
出汁の効いたスープが素朴で沁みました。
台北のシンボルが続々!平坦で快適な河濱公園を走り抜ける。
お昼ごはんを終えたら、サイクリング再開。
「經貿疏散門」から河濱公園に入り、
再び河沿いのサイクリングロードを走って行きます。
目の前には、台北のシンボル「台北101」。
ここからは、
台北の有名スポットも遠景に眺められる道が続きます。
「彩虹橋」も見えてきました。
ということは、堤防の向こう側は
派手派手の門がトレードマーク(?)の
「饒河街觀光夜市」ですね。
対岸に何やら、ものすごい迫力のビル群。
「台北にこんなところあったっけ?」と思ったら、
「內湖科學園區」でした。
捷運の走っているビル群の反対側からは、
何度も見たことがあったのですが、
この角度から眺めるのは初めて。
「台北って大都会なんだな」と、
改めて実感させられる光景です。
ちなみに、すぐ隣は松山機場の滑走路。
タイミングが合えば、
離陸する飛行機が頭上を飛んでいく光景にも出会えます。
真下から眺める飛行機も、
すごく新鮮で迫力満点です。
內湖の都会的なビル群を過ぎていくと、
そろそろ「大佳河濱公園」。
こちらには先日、
端午節の時に龍舟比賽(ドラゴンボートレース)を観に
立ち寄ったばかりなので、景色に覚えがあります。
レースの日はとても賑やかな雰囲気でしたが、
打って変わってすごく静かで、
穏やかな空気が漂います。
「龍舟練習中のイケメン選手さん、いないかな~」と、
うっすら期待もありましたが、
流石にレース翌週にはおられませんでした 笑
さらにまっすぐ行くと、
「圓山大飯店」が対岸に見えてきました。
河の向こう側からみても、
威風堂々とした佇まいは、流石の貫禄です。
圓山大飯店を過ぎれば、
まもなく「社子島」。
このまま道なりに進んで、
社子島もぐるっと一周しちゃうコースもアリですが、
今回はそろそろ体力の限界も近い(!?)ので、
ゴールの萬華方面を目指すことにします。
台北一周いよいよゴール!◯時間で走破できました!
ここからは、
僕も淡水行きで何度も走っている「淡水自行車道」。
淡水までつながるこのサイクリングロードは、
台北でも一番人気ということで、
休日のサイクリングを楽しむ人々で賑わっています。
「TAIPEI」の文字が書かれた水門。
ようやく現れ始めた見慣れた光景に、
もうすぐゴールなのだな、という実感が湧いてきます。
「大稻埕碼頭」まで来ました。
1年ほど前から、河辺におしゃれなグルメ店が並び始め、
夕日を見ながら食事を楽しめるスポットとして大人気です。
「ちょっと休憩していこうかな」とも思ったのですが、
ゴールまでもうあと少しなので、そのまま突っ走ります。
ちなみに、水門の向こう側は、
レトロな趣のこるストリート「迪化街」です。
いよいよ、ゴール目前。
高速道路の下を抜け、
緑の木々が生い茂る道を抜ければ、
ついにあの光景が!
スタート地点と同じ、
「華中橋」の橋の下に到着しましたー!!!
あの無機質で味気なかった光景が、
少しばかり輝きを帯びて見えます 笑
台北をぐるっと一周しておよそ6時間、
YouBikeの料金は150元(=約510円)でした。
※1元=3.4円で計算(2019年6月現在)
ただ、写真を撮るために
かなり自転車を停めるタイミングがあったので、
純粋に走ることに集中すれば、YouBikeでも
もう30分ほどは、早くゴールできるのではないかと思います。
これまで片道だけ自転車、というのは多々ありましたが、
ずーっと走りっぱなしで同じ場所に戻ってくる
という経験はなかったので、
じんわりと来る達成感がありました。
台湾一周してスタート地点の街に戻ってきたら、
きっとこの何十倍も感動するんだろうなあ。
距離は比べ物にならないくらい違いますが、
少しだけその気持ちを実感できたような気がします。
まとめ
今日は、台北をぐるっと一周するサイクリングロード
「台北自行車環狀線」をご紹介しました。
こちらのサイクリングロード、
率直に言って「観光」目的で走る路線ではありません。
台北一周には違いないものの、
市街地を通ることはほとんどなく、大部分が河沿いなため、
特に見どころと言えるところもありません。
しかも、山越えも盛り込まれていて、
レジャーで楽しむというよりは、
「がっつりサイクリングの練習用」という印象です。
しかし、台北に住んで久しい僕にとっては、
とても新鮮な体験に。
これまで知っているつもりだった台北という街を、
また違った角度から見つめ直すことができ、
新しい発見もたくさんありました。
台湾を自転車で巡りたいサイクリング好きの方なら、
かなり楽しめるのではないかと思いますので、
ぜひ挑戦されてみてはいかがでしょうか。
そして、この約60km走破で絶賛体調崩し中の僕は、
スタミナ不足を痛感したので、
体力づくりも頑張りたいと思います 笑
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