台湾はいつから同性婚ができるの?台北在住LGBT(ゲイ)の僕がよく尋ねられる疑問にお答えします。

スポンサーリンク

高雄同志大遊行(高雄レインボーパレード)2017でレインボーフラッグを担ぐ台湾男子

同性婚合法化が決まってから変わったことは?台湾はどうしてLGBTフレンドリー?セクシャルマイノリティの観点から見る台湾の「気になる疑問」にお答えしたいと思います。

こんにちは!台北に暮らして5年、ボーイフレンドとのお付き合いも5周年を迎えましたMae(@qianheshu)です。

大変ありがたいことに、このブログ『にじいろ台湾』もこれまで多くの方にお読みいただき、たくさんの応援のメッセージやフォローをお受けしております。

また、僕自身がLGBTの「G(ゲイ)」に当たることから、同じく当事者の方はもちろんのこと、セクシャリティに関する話題に興味を持っていただいた方々からも、ご質問のメールが届くことも増えてまいりました。

特に、今年2017年は台湾の「同志(LGBT)」コミュニティにとって、非常に大きなニュースが駆け巡った年。

日本はもちろんのこと、アジア、さらには国際社会全体からの「台湾」という国への注目度はこれまで以上に高まっていることが、LGBTプライドなどへのイベント参加を通しても、ひしひしと伝わってきています。

今日は、そんな台湾のLGBT事情についての話題。

実際にお会いした方や読者のみなさんからよく聞かれる「台湾のLGBTに関する疑問」ついてに、現地で見聞きしている情報や生活の中で感じることを交えてお話しさせていただきます。

※ここでお答えさせていただく内容は、この記事を書いている2017年11月末現在の状況をもとにしています。


スポンサーリンク

 

台湾ではもう、同性婚ができるのか?

高雄同志大遊行(高雄レインボーパレード)2017で手を引いて歩くゲイカップル

日本でもすでに様々なメディアで取り上げられ、ご存知の方も多いことと思いますが、

今年2017年は台湾で同性婚の合法化が決定された記念すべき年となりました。

 

関連報道 → 『【台湾:婚姻平權を追う】「同性婚不可は違憲。」これから台湾はどう変わる?|Letibee Life』

 

異性カップルのみに適応されるとする現行の婚姻制度を、

台湾(中華民国)の憲法に基づいて討論したところ、

「同性カップルに婚姻の権利を認めないことは違憲」との判断が下され、

事実上の同性婚合法化が確かなものに。

 

これまでアジア地域には同性婚を実現した国は存在しておらず、

アジア初の快挙として、台湾の人権の先進性を世界に示すこととなりました。

 

しかし、「決定」されただけであって、まだ「実施」には至っていないこと、

みなさんは正しく理解されていましたか?

 

「台湾が同性婚合法化!」とのニュースが駆け巡ったことは、

台湾に暮らす僕にとってももちろん嬉しいことではありますが、

タイトルがひとり歩きしすぎて誤解されていた方も、おられるのではないでしょうか。

 

実は、違憲判決には「判決より2年以内に」と時間的猶予が記されており、

早急の実施を要請するものではありませんでした。

 

そして、2017年11月末現在、まだ同性婚の実施(合法化)は達成されておらず、

どのタイミングで実現されるかも目処が立っていない状態です。

 

ですので、将来的に台湾人の同性パートナーと結婚をお考えの方も、

まだもうしばらく、最長で1年半の時間を待つ必要があります。

 

残念なことに、判決から半年が経った現在でも、

台湾政府による同性婚合法化に向けた具体的な討論は保留のままとなっており、

当事者たちからは不安の声が上がりつつあります。

 

LGBTコミュニティにとって記念すべき1年も残すところ、あと1ヶ月あまり。

 

年内には具体的な法案を提示するとの見方もあるものの、現状先行きが不透明なため、

手放しで喜びながらのカウントダウン、とはいかなさそうです。

 

同性婚合法化が決まってから、台湾で変わったことって?

台湾LGBTプライド(台灣同志遊行)2017で台北駅へと向かうパレード隊列

同性婚合法化の正式な実現には、もうしばらく時間がかかりそうではありますが、

判決が発表されて以降、確かな変化は起こりつつあります。

 

最も顕著な現象が見られたのは、2017年に台湾各地で行われた「LGBTプライド」

 

台湾東部の花蓮・台東の2都市で行われた「花東彩虹嘉年華」

アジア最大のLGBTプライドとして名高い台北の「台灣同志遊行」

台湾第二の都市・台中の「台中同志遊行」、そして台湾南部の中心地・高雄の「高雄同志大遊行」

 

僕も実際に4つのパレードへ参加させていただきましたが、

どの都市でも参加者が急増し、いずれも昨年を大きく上回る盛り上がりに。

 

台北の「台灣同志遊行」を例にすると、

イベント最高記録を更新した昨年よりもさらに約4万人以上増え、

合計12万人もの人々が街を練り歩きました。

 

この快挙を成し遂げられたのは、当事者はもちろんのこと、

同性婚合法化決定のニュースを受けて、セクシャリティを問わず、

コミュニティの垣根を超えて世界中から参加者が集まったことが、

一番の理由ではないかと思われます。

 

高雄同志大遊行(高雄レインボーパレード)2017に参加するAirbnb

そして、もう一つの変化が「LGBTフレンドリー」を表明するスポットの増加

 

ショップやカフェ、美容室、ホテルなど、台湾一のゲイタウンと言われる西門町のみならず、

あらゆるエリアにおいて、ますますその流れが活発になっているように思います。

 

「LGBTフレンドリー」は、LGBTのために作られた「特別なスポット」ではなく、

「誰もが分け隔てなく利用できる施設」であるという意思表示。

 

ホテルを例にすれば、どこにでもあるような、

ごくごく一般的なビジネスホテルのダブルルームに男性二人で泊まっても、

スタッフの方は不思議な顔一つせずごく当たり前のこととして対応する、

というようなイメージですね。

 

 

特に、「婚紗」を撮影するスタジオなどでは、増加の勢いがさらに顕著な印象。

 

台湾には、カップルが結婚をする際に「婚紗」という記念写真を撮影するのですが、

日本のものとは違い、芸能人のスチール撮影と相違ないほどに、

一般の人でもかなり気合いを入れて大量に撮る文化があります。

 

最近では「同性婚」をテーマにした写真の展覧会が行われるなど、

将来的な需要を見越しての動きも見られるようになって来ました。

 

台湾はなぜ「カミングアウト」している人が多いの?

 

つい最近、日本のある番組におけるLGBTの描写が問題になりました。

 

過去の過ちを改めようとするメディアの動きも少しずつ見られるようになってきたものの、

LGBTに関する理解不足ゆえに、当事者を無意識のうちに傷つけるような表現は、

この番組に限らず、未だあらゆるところに溢れています。

 

日本のYouTubeやTwitterなどのSNS、またはアニメ作品などを眺めていると、

残念ながら僕自身も悲しくなることが少なくないです。

 

【ゲイである僕が声を大にして伝えたい4つのこと。】という記事でも

触れさせていただいたことですが、もしかするとまだ日本の多くの方たちにとっては

「身近な話題」として認識されていないのかもしれません。

 

だからこそ、彼らにとっては縁遠い世界と思い込んでいるLGBTの人たちがどう感じるのか、

というところまで考えがまわらないのかもしれません。

 

配慮に欠ける(当事者を傷つける)表現

当事者たちがセクシャリティをオープンに(カミングアウト)しづらい

存在が認知されない

自分のまわりにはいないとの思い込み

配慮に欠ける(当事者を傷つける)表現

 

このような悪循環に、陥ってしまっているような気がします。

 

台中同志遊行(台中LGBTプライド)2017のメッセージボード「不要讓彩色世界變成黑白」

一方、台湾では、日本以上に自身のセクシャリティを

カミングアウトしている人が多いです。

 

理解に欠ける表現が全くないとはもちろん言えないものの

(むしろかなり過激な表現もよく見られますが)、

それ以上に肯定的に捉える表現を見聞きすることが頻繁な環境。

 

オンライン・オフラインを問わず、「同志(LGBT)」という話題に関して、

タブー感を伴わない積極的な討論が様々な場面で繰り広げられています。

 

そのような中にあって、近い将来同性婚が正式に実施されるようになれば、

より一層カミングアウトしやすい空気が整っていくのではないかと思います。

 

そのため、「自分とは関係のない話題」と考えている人以上に、

支持不支持に関わらず、少なくとも「自分の身近にも存在しているのだ」

という意識を持っている人はとても多いです。

 

さらに、台湾では人気のアーティストや俳優、知識人など、

誰もが名を知っている著名人たちも、かなりの割合でLGBTの支持を表明。

 

社会的影響力が大きい著名人たちが発言することによって、

「LGBTは決して特別なことではない」「ありのままの自分で良い」というメッセージを

広く伝えることに成功しているように思います。

 

また、台湾ブログ『ナカジマチカ』のナカジマさんも書かれていたように、

「男」「女」という性別にとらわれないフラットな土壌がある台湾。

 

このことも、セクシャリティをオープンにしやすい一因であるかもしれないなと、

記事を読ませていただいて感じました。

 

関連記事→『台湾在住日本人から見る台湾のジェンダー規範と、日本では「女子力が高い」と言われる僕が台湾で過ごしやすい理由|ナカジマチカ』

 

台湾はどうしてアジアNo.1にLGBTフレンドリーなの?

高雄同志大遊行(高雄レインボーパレード)2017のステージで同性婚合法化の早期実現を訴えるグループ

同性婚の合法化が決定された台湾も、

もちろん初めからLGBTにフレンドリーな環境があったわけではありません。

 

今の日本、あるいはそれ以上に厳しい環境から少しずつ進歩して、ここまでたどりつきました。

 

「当事者自らがメッセージを発信すること」の大切さを、台湾の人たちはよく理解しています。

 

自分たちは確かに存在していて、そして現状の社会においてどのような苦難を強いられているのか。

 

まずは「知ってもらうこと」を目標に、僕が台湾に住み始めてからの5年間に限っただけでも、

当事者たちはFacebookやPTTに代表されるSNS(WEB)の力を駆使して、

勇気ある行動を何度となく起こしてきました。

 

今回の違憲判決の結果にしても、

活動家・祁家威氏に代表される市民レベルでの30年以上にわたる努力の積み重ねがあってようやく、

道筋がついたのだということは忘れてはいけないと思います。 

 

台湾は、トップ(政治や法)が変わったからここまで来れたのではなく、

「ボトム(国民)の意識が変わったからこそ結果が出た」のだと、僕は信じています。

 

初の女性総統が登場したり、政治の場で同性婚合法化を推進する政党や立法委員が現れたのも、

ボトムである「国民」、特に若い世代や彼らから影響を受けた周囲の大人たちが、

多様性のある社会を望んだからに他ありません。

 

台湾をアジアNo.1のLGBTフレンドリー社会へと導いたのは「国民」の力

 

未来を望む方向へ変えたいと願うのであれば、

たとえたった1人の力は取るに足らないものだとしても、

まずは自分ができることから動き出すこと、発信することが必要なのだと、

僕は台湾という土地で生活をする中で学びました。

 

この『にじいろ台湾』というブログも、

訪れてくれた方々に「LGBT」という話題について興味を持っていただけるきっかけになればいいな、

という気持ちで始めたものです。

 

少しずつではありますが、まずは僕にできることから、発信していけたらなという気持ちのもとで、

これからも書き続けていきたいと思っています。

 

まとめ

高雄同志大遊行(高雄レインボーパレード)2017でレインボーフラッグを担ぐ台湾男子

今日は、台北在住のゲイである僕がよく尋ねられる疑問にお答えしながら、

台湾のLGBTを取り巻く事情についてご紹介してまいりました。

 

同性婚合法化が決定されたというニュースが象徴しているように、

2017年が台湾にとって、記念すべき1年であったことは間違いありません。

 

しかし、この出来事が決して「天から与えらえた贈り物」ではないのだ、

ということは忘れてはならないことだと思います。

 

キレイごとでも何でもなく、「勇敢的台灣人」たち一人一人の一歩があったからこそ、

新たな社会の幕開けを迎えることができたのだと、

僕は彼らの生き方を間近に見ることで、信じられるようになりました。

 

この記事をご覧になっている方の中には、当事者の方も、

LGBTの存在をとても身近に感じている方も、

はたまたLGBTという言葉を始めて聞いたという方も、おられることでしょう。

 

もしも何かヒントのようなものを感じていただけたなら、少し勇気を振り絞って、

小さなことからでも良いのでぜひ始めてみられてはいかがでしょうか。

 

そしてもしご機会があるのであれば、ぜひ実際に台湾にお越しいただいて、

現地のパワーを体感していただければなあと思います。

 

それでは、今日はこのあたりで。

 

▼こちらの記事もよくお読みいただいています!▼

→台湾5大LGBTプライドに1年かけて全力参加してみました。

→台湾で年越しなら西門町へ。台北・西門紅樓のLGBTカウントダウンイベント「REDay NYE Countdown Party」。

→同性婚合法化目前の台湾でゲイカップルの未来を想像してみた。

→同性カップルとして子供を持つことについて考えてみた。

→リアルなゲイのセキララな告白『カミングアウト編』。

 

Pocket


スポンサーリンク



▼台湾のホテルを今すぐチェック!▼

SNSでも更新情報お届け中。



コメント

  1. murakici より:

    台湾でLGBTへの理解がなぜ大きいのか、改めてその通りだなと思いました。2年弱の台湾生活の中で、Maeさんがおっしゃった、「当事者自らがメッセージを発信すること」の大切さを、台湾の人たちはよく理解している。
    ここでの生活の中で幾度となく感じます。
    おそらく両岸の問題もあり、日本よりも人権意識が育つ土壌があるのかも知れませんね。
    私は華語中心にいますが、先日授業の中で「報告」の題目として同性婚姻について取り上げ、ついでにカミングアウトしました。
    先生や外国人のクラスメートもみんな好意的に受け入れてくれ、より仲良くなった感じです。
    台湾人から教えてもらった自分で扉を開くこと。。
    Maeさんが言われた自分がやれることからやってみる!
    日本に帰ってもこの様な行動を続けていく勇気をもらった気がします。
    日本でも私達が生きているうちに、我々の存在が当たり前になるような「安心できる居場所」にしたいなと思ってます。ではまた!

    1. kazukimae より:

      おお!授業でカミングアウトされたのですね!素晴らしいと思います。
      確かに、今の社会LGBTに対して全面的に友好的であるということはできませんが、
      一人一人がしっかり発信していけば、少しずつ良い方向に変わっていってくれると僕は信じています。
      僕もブログを通してはもちろん、日常生活の中でももっと努力していきたいと思います。

コメントを残す

*