アジア最大の参加者数を記録した「台灣同志遊行(台湾LGBTプライド)」の勢いは南部にも!高雄のLGBTプライドも史上最高に盛り上がりました!
こんにちは!一週間前に行われた台中同志遊行(台中LGBTプライド)に引き続き、週末もレインボーフラッグ片手に街を練り歩いて参りましたMae(@qianheshu)です。
9月に花蓮・台東で行われた「花東彩虹嘉年華」より幕を開けた、2017年の台湾LGBTプライドシーズンもいよいよクライマックス。
台湾南部の中心地・高雄でもLGBTプライド「高雄同志大遊行(高雄プライドパレード)」が開催されました!
昨年はイベント史上初となる参加者1万人を突破し、台湾第二の規模を誇るパレードに成長。
同性婚合法化が決定された今年もその記録をさらに更新し、シーズンのフィナーレにふさわしい賑わいとなりました。
今日は週末11月25日(土)に行われた、2017年のラストを飾るLGBTプライドの様子をご紹介したいと思います。
参加者50%増!1万5000人が高雄に集結!
今年の高雄同志大遊行(高雄プライドパレード)の集合場所となったのは「文化中心」前広場。
会場に到着した時には、
すでにレインボーアイテムを身につけた多くの参加者たちが集まっていました。
昨年よりも広い会場に変更されていたこともあって、テントの数もいくぶん増えている印象。
協賛企業やLGBT関連団体の他、YouTuberやアーティストの方のブースまであって、
様々な活動をされている人たちと、近い距離で交流できる工夫がなされていました。
会場の特設ステージ上ではパフォーマンスも始まり、
出発に向けて参加者のテンションはどんどん盛り上がっていきます。
昨年、台北以外の都市では初めてとなる1万人突破の記録を打ち出した高雄のパレードは、
今年も順調に規模を拡大。
約50%増となる1万5000人の参加者を集め、
台中のLGBTプライドと共に台湾を代表する一大イベントとして認知されています。
同性婚合法化を控える新たな社会に向けた「意識改革」がテーマ。
2017年高雄同志遊行のテーマは「高性出遊」。
10月に台北で開催された「台灣同志遊行(台湾LGBTプライド)」と同じく、
現在の教育制度に関する問題提起と共に、社会全体へも意識改革を呼びかける内容となっています。
我們認為:唯有讓「性」從過往蒙昧封閉的禁談氛圍中解放出來,才能看見性的個別差異,
每個人的性都可以是有價值的。
我們期待:社會能懂得理解、尊重並欣賞每個人的性實踐,
進而發展出有品質、自由的情慾關係;
同時也避免階級、資訊與文化的落差,造成不必要的傷害與遺憾。(中略)
「高性出遊」。
高可以是高雄的高,可以是高興的高,可以是高調的高,更可以是高潮的高。
性,則代表打破社會禁忌,讓性從窠臼與污名中解放出來。
私たちは、「性」について語ることをタブーとする空気を改めることが、
セクシャリティの差異を見つめ直すことに繋がると考えています。
一人一人の「性」は、価値あるものとして認められるべきではないでしょうか。
社会全体が真の意味で「理解すること」を認め、
それぞれの性のあり方を尊重し、観察することで、
品位ある自由な感情関係の発展へと進んでくれることを期待しています。
そしてそこに、階級や情報、文化の違いによる理解の落差はあってはならず、
不要な傷害や悲劇は避けられなくてはなりません。
今年のテーマは「高性出遊」。
「高雄」、「高興(嬉しい)」、「高調(誇り高く)」、「高潮(クライマックス)」の
それぞれを代表する「高」。
タブーとされている観念を打ち破る象徴である「性」。
時代錯誤な縛りや不名誉からの解放を目指して、このパレードをともに歩きましょう。
訳:Kazuki Mae
今年2017年は台湾で同性婚合法化が決定されたということで、
LGBTプライドも「自分たちの存在を認めてもらう」段階から、さらに一歩踏み込んだ形に進化。
LGBT当事者のみならず、周囲に存在する一人一人(社会全体)に、
正しい理解を促していくことが必要不可欠になってきています。
多様性を互いに認め合うことが、これまで以上に重要視される未来はもうすぐそこ。
新しい社会を迎えるにあたって伝えるべきメッセージを、
南部の中心地である高雄の街から発信していくことは、
南部地域、ひいては台湾全体にとって非常に重要な意味を持つと言えるかと思います。
「愛」に関するメッセージがあふれる高雄プライドパレード。
パレードの先頭を行くのは、紅・橙・黃・綠・藍・紫の6色のフラッグ。
そして開始早々、今回の高雄のLGBTプライドで画期的だなと思った点として、
先頭を行く彼らに続いてやってきたのが、
子供たちを連れて歩くお父さん&お母さんたちのグループだったこと。
プラカードやレインボーフラッグを持って、スローガンを叫びながら元気よく歩いていく子供たち。
「教育」と「意識改革」を掲げる今回のテーマが、如実に表れていた一幕ではないかと感じました。
当日は南部らしい青空の広がるお天気に恵まれ、半袖半パンでも汗ばむほどの高温。
夏を思い起こさせる南国ムード満点な陽気の中を、みんな思い思いに楽しみながら進んでいきます。
大きな太陽にも負けないくらいに眩くて、キラキラと輝いてた参加者の笑顔は、
どの顔もすごく魅力的です。
同性婚の早期の実施や教育制度の見直しを求めるため、プラカードを持っての参加者も非常に多く、
メッセージ性の強いパレードとなっているのも、高雄のLGBTプライドならではの特徴です。
そして、パレードのあちこちで見ることのできる、様々な「愛」の表現。
仲睦まじそうに手を繋いで歩くカップルや、
フリーハグに応じながら沿道からエールを送る人たちにも、
他都市のLGBTプライド以上に多くの場面で出会うことができました。
台湾南部ならではの朗らかで快活な雰囲気も、関係しているのかもしれません。
EDMを大音量で鳴らしながら、
ド派手なコスチュームに身を包んでパフォーマンスを披露する賑やかな一団も。
パレードカーの周りにはひときわ多くの参加者たちが集まり、
パワー全開で街をにじいろに染め上げていきます。
会場から出発して、およそ5キロの道のりを歩いていくこと約2時間。
疲れた表情一つ見せず、全員が最後まで元気よく歩ききったこのパレードで
社会に向かって伝えられたことは、決して少なくなかったのではないかと思います。
「台湾原住民族」と「学校」に関するスピーチに心打たれたステージパフォーマンス。
パレードを歩き終わって戻ってきた会場の特設ステージでは、
台湾のLGBTプライド恒例のステージパフォーマンスが始まっていました。
参加団体のスピーチと、アーティストによるパフォーマンスを交互に繰り返しながら、
プログラムは進んでいきます。
僕が今回のステージで特に印象に残っているのは、「台湾原住民族」のグループによるスピーチ。
台湾には、中国語で「原住民」と呼ばれる、
古くからこの土地で暮らしながら独自の文化を守ってきた人々がいます。
当然、彼らのコミュニティの中にもLGBTは存在しているのですが、
民族の「伝統」や「宗教(キリスト教)」を重視する環境には、
当事者にとって苦難を強いられる可能性も大いに含まれています。
「カミングアウトすることは、教会を破門になること。」
「教会を破門になれば、部族内にはいられなくなる。」
これまでに知らなかった厳しい現実を、スピーチから学ばせていただきました。
それらを乗り越えてこのステージに立っている彼らの勇気には、
当事者である僕も脱帽するほかありません。
そして、「教師」の立場からではなく「生徒」の立場から、
学校内でLGBTの置かれている状況を伝える高校生たちのスピーチも。
クラスメイトからの「いじめ」とまではいかなくても、
知識が十分でないことによる「心ない発言」によって傷つけられた胸の内を話してくれました。
現在も「性の多様性」を正確に伝える教育を行っていこうと、
LGBT関連団体は努力を続けていますが、やはりLGBTフレンドリーと言われる台湾でも、
まだまだ改善の余地が多く残されていることは、
彼らの経験からも明らかではないかと思わずにはいられません。
台北と高雄。
台湾を代表する2つの都市が、
時を同じくして「教育」をテーマにした理由が、痛いほどによく理解できました。
2017年台湾のLGBTプライドシーズンも、これでいよいよフィナーレ。
来年への新たな目標を参加者全員で見据えながら、
辺りがすっかり暗くなるまで続いた高雄のパレードは惜しまれつつ閉幕を迎えました。
まとめ
今日は、高雄同志大遊行(高雄プライドパレード)2017の様子をご紹介しました。
高雄のパレードに参加して強く感じたのは、同性婚合法化が決定されたという事実に、
手放しで喜んでばかりではいられないのだということ。
法制度がどのタイミングで整うのかということも、もちろん忘れてはならない争点ではあります。
しかし、同性婚の実施がなされた後も、
生活レベルではまだまだ解決していかなくてはいけないことがたくさん。
その現状について広く知ってもらうためにも、パレードを歩くことで、
社会にメッセージを訴えかけていくことは本当に大切なことなのだな、と改めて考えさせられました。
昨年に引き続き、とても心に残る場面を数多く見せてくれた高雄同志大遊行。
次回の開催日程はまだ未定ですが、来年もまたぜひ参加しに来ようと思います。
高雄同志大遊行(高雄プライドパレード)
Facebook:https://www.facebook.com/KHpride4/
そして、2017年のプライドパレードは今回の高雄でのイベントが最後でしたが、
すでに来年のLGBTプライドに関する最新情報も入ってきていますよ!
2018年の第一弾は、台湾の古都・台南にて行われる「台南彩虹遊行」。
台南でLGBTプライドが行われるのは次回で第3回目となり、
こちらも回を経るごとにますますの盛り上がりを見せています。
開催日時は3月24日(土)が予定されていますので、
来年春に台湾旅行をご計画中の方は「台湾の京都」と言われる古都・台南の観光と合わせて、
ぜひ足を運ばれてみてはいかがでしょうか。
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