台湾でいよいよLGBTプライドシーズンが開幕!2017年の第一弾は台湾東部の街からスタートです!
こんにちは!今年初のパレードに参加するため、台東へと足を運んでまいりましたMae(@qianheshu)です。
台湾東部では昨年も「花蓮彩虹嘉年華」に参加させていただいたのですが、2017年はイベントがさらにパワーアップ!
「花東彩虹嘉年華」と名を改め、花蓮と台東の2都市で2日連続でのLGBTプライドが催されました!
台東でLGBTプライドが開催されるのは今回が史上初ということで、どのようなイベントになるのか、僕も興味津々。
居てもたっても居られなくなり、台北から台東へひとっ飛び、レインボーフラッグ片手に実際にパレードを歩いてみることにしました!
今日は、イベント当日の様子を織りまぜながら、台東のLGBTプライドについてご紹介したいと思います。
花蓮から繋ぐ、にじいろのバトン。
9月24日(日)、天候は晴れ。
集合場所となった「鐵花路行人徒步區」には、特設ステージやグッズ販売のブースが設置され、
まもなく始まろうとしているパレードに向けて参加者たちが続々と集まってきます。
前日9月23日(土)には、台東に先駆けて同じく東部の街・花蓮でLGBTプライドが開催。
中には、主催者側が手配したパレード参加者専用バスに乗って、
花蓮から引き続き台東へと駆けつけている方も少なからずおられる様子です。
昨年2016年までは「花蓮彩虹嘉年華」として花蓮のみで行われていたイベントが、
今年は若き意志のもと、2都市間での連携が実現。
イベントに協賛しているLGBTフレンドリー店舗も一気に増え、
120あまりのスポンサーを集めるまでに成長しています。
会場を歩いていると、あちらこちらから聞こえてくる
「インタビューに応じてくれませんか?」の声。
facebookファンページ、Youtuber、一参加者としてのライブ中継など、
個人メディアを持つ方たちが多く集まっていて、
今回のイベントをより多くの人に知ってもらいたいという熱意が会場中から伝わってきます。
僕も台湾のLGBTをめぐる環境について思うところを少しだけお話しさせていただいたので、
もしかするとどこかで流れているかもしれません 笑
インタビューのお礼にと受け取った、LGBTをテーマにデザインされたシール。
台湾原住民族の言語で書かれたものもあるところが、台湾東部ならではだなあと実感させられます。
実は、僕(私)もです。
今年のイベントのテーマとして設定されたのは「其實,我也是」。
「実は、僕(私)もです」というこの言葉には、
LGBTへの理解が進んでいると言われている台湾にありながら、
未だ苦境に立たされている東部在住当事者たちの心の声が反映されています。
今年的主題:「其實,我也是(Me too)」
每個人內心都有著不同的煩惱,
說不出口,而「性別」(認同、氣質、性傾向)也是一樣,
這句話(中略)正好也是一個起頭語,開啟我們之間的連結。
(中略)
「花東彩虹嘉年華」作為整合東部性別資源的平台,
更希望納入更多更廣的性別族群,無論你是同志、酷兒、性少數族群,
或是進行被排拒於主流之外的性實踐,都也有被公平看待、自由現身的機會。
在這個巨大的共同體裡,也許我們永遠不會遇到每一個人,但我們都真實存在。
我們上街遊行,捍衛的是彼此的權益。
今年のテーマは「其實,我也是(Me too)」です。
誰の心の中にもそれぞれ悩みはあるはずですが、
それを口に出すことはなかなかできないものです。
「性別」(認識、気質、性の傾向)についてもそれは同じで、
このフレーズは「きっかけ」として、私たちの関係をつなぐものであります。
「花東彩虹嘉年華」は、
東部のセクリャリティ関連資源を統合したプラットフォームとして機能することを目標に、
より多様で幅広いコミュニティからの参入を期待しています。
LGBT、クィア、性的マイノリティー、
あるいは特別なセクシャリティとして社会から拒絶感を感じてしまっている方々。
誰もが公平な扱いを受け、自由に姿を現わすチャンスを持ち合わせています。
この巨大な共同体(社会)の中にあって、
私たちはすべての人たちに出会うことは永遠にできないかもしれません。
しかし、私たちが存在していることは、疑いようのない真実です。
パレードを歩くことによって守るのは、一人一人の権益に他ならないのです。
訳:Kazuki Mae
台湾では現在、
実質的に全国民が「同性パートナーシップ条例」を利用できる環境が整っているのですが、
すべての県市で条例が実施されるには至っておらず、
その中には花蓮・台東の2都市も含まれています。
伝統の継承を重んじる台湾原住民族が多く暮らしていること、
キリスト教を信仰している人々が特に多いエリアであること、
また地理的要因からLGBTに関する正しい情報が入りにくいということも
関係していると言われています。
当事者にとってはまだまだ過酷な環境のもとで行われる、LGBTプライド。
規模こそ西部の大都市には届かないかもしれませんが、
「パレードを歩くことの意義」はある意味、台湾一深いと言っても過言ではないかもしれません。
台東の街で、パレードを歩く。
台東のパレードを先導するのは、イベントのスローガンを掲げたパレードカー。
レインボーアイテムを全身に身につけた司会者の掛け声のもと、まもなくパレードが始まります。
元気いっぱいの溌剌なアナウンスと共に、
LGBTプライドには欠かせない巨大レインボーフラッグも登場。
パレードカーに続く形で、パレードの隊列を誘導して行きます。
出発の合図を、今か今かと待ちわびる参加者たち。
どうやらみなさん、とっくに準備は万端なようです。
パレードカーから大音量の音楽が鳴り響き始め、ついにパレードスタート!
会場から一斉に、参加者たちが飛び出していきます。
台東のパレードに集まった人々は、およそ300人。
花蓮で初めてLGBTプライドが開かれた際よりもさらに多くの人が集まったという点からも、
今回のパレードへの注目度の高さがうかがえます。
レインボーカラーのプラカードを頭上に掲げて歩く参加者たち。
これまでセクシャリティに関して社会に広く訴えかける機会のなかった現地に暮らす人々にとっては、
喜びもひとしおなのではないかと想像します。
台湾の同性婚合法化決定に大きな貢献を果たした活動家・祁家威氏の姿も。
ご自分の身長ほどもあろうかという大きなレインボーフラッグを誰よりも高く掲げて、
台湾東部でのLGBTプライド開催をお祝いします。
こちらの参加者は、台湾一周旅行中の合間を縫って参加している様子。
レインボーフラッグをカラダに纏って、パレードに彩りを添えます。
お天気に恵まれたのはありがたいものの、容赦なく降り注ぐ強烈な太陽の光。
油断するとすぐにでも熱射病になりかねないほどで、
体感温度は40度近くと言われる台北よりもさらに上。
首筋に汗の粒を浮かべて、Tシャツもびっしょりになりながらも、
「LGBTの存在を知ってもらいたい」という一心で、隊列は歩き続けます。
台東での同性パートナーシップ制度実施を求めるプラカードも。
「同性婚を認めない現在の法制度は違法」であるとされたはずであるのに、
未だ制度を認めようとしない台東の市政府に対して問題提起を行うことも、
パレードを行う上での一つの目的と言えそうです。
先導するパレードカーでは、参加団体の代表者による演説も随時行われていました。
参加者に労いの言葉をかけつつ、沿道に集まる人々へそれぞれの想いを伝えていきます。
距離にして1km程度の短いパレード路線でしたが、
2時間ほどの時間をかけてじっくりと台東の街を練り歩いた今回のLGBTプライド。
通りすがりに車のウインドウを開けて手を振ってくれる人や、
家の窓際から「いいね!」を送ってくれる人など、
初開催ながらフレンドリーな空気を感じられたのがとても印象的でした。
フィナーレは台東出身ゲイアイコンの名曲と共に。
パレードを終えて戻ってきた会場のステージ上では、
各参加団体の代表者や地元大学教授によるスピーチが始まりました。
手話による同時通訳も行われていて、
「多様性」への配慮はLGBTプライドにとって欠かせない要素の一つとなっています。
台湾原住民族にあたる阿美族の青年も、ステージに登場。
台湾で生活していてもなかなか知る機会のない、
部族内でのLGBTをめぐるお話はとても興味深く聞かせていただきました。
スピーチタイムの最後に登場した主催者の青年は、
初めての試みとなった台東でのパレード成功に涙ぐむ場面も。
花蓮、台東それぞれの責任者が互いを労いあう様子には、思わず目頭が熱くなってしまいました。
そして、イベントもついにフィナーレ。
「さあ、一緒に歌いましょう!」
の掛け声とともに、張惠妹の「彩虹」のメロディーが流れてきます。
張惠妹と言えば、台湾を代表する超人気アーティストであると当時に、
ゲイアイコンとしてLGBTの権利向上に大きな役割を果たしてきた女性。
ここ台東は彼女の故郷でもあり、台東に暮らす当事者たちにとっては
「誇り」と言っても過言ではないほど、憧れの存在に違いありません。
続々と参加者たちが集まり、あっという間にステージ上は満載に。
ゲイアンセムとして知られる名曲を合唱しながら、
花東彩虹嘉年華は惜しまれつつ幕をおろしました。
まとめ
今日は、初開催となった台湾・台東のLGBTプライド「花東彩虹嘉年華」
の様子をご紹介しました。
現地で暮らすLGBT当事者にとっては必ずしも理想的な環境と言えない中で、
300人近くの参加者を集めて行われた今回のイベント。
「まずは存在を認めてもらう」というテーマの通り、
台湾東部の社会に向けて大きなインパクトを持って肯定的な理解を促すことが
できたのではないかと思います。
来年2018年はさらに進化を遂げて、
またこの街で成功を収めてくれることを、願わずにはいられません。
花東彩虹嘉年華
Facebook : https://www.facebook.com/hlLGBT
そしてそして、来月10月28日(土)はいよいよ!
台湾最大かつアジア最大規模のLGBTプライド
「台灣同志遊行(台湾LGBTプライド)」が開催です!
今年は同性婚合法化が決定された記念すべきタイミングということで、
これまで以上の盛り上がりが予想されます。
歴史に残る特別なイベントとなること間違いなしですので、
秋のご旅行と合わせて、みなさんぜひ台北へお越しくださいね!
台湾のLGBTプライドへお越しのみなさん、どこに泊まるかはもうお決まりですか?
【台湾各地で出会ったおすすめホテル&ゲストハウス集。】には、
台北はもちろん、台中や高雄、台南、花蓮など、
僕とボーイフレンドが台湾各都市を旅する中で出会った素敵なホテルとゲストハウスを
エリアごとにまとめていますので、旅の滞在先でお悩み中の方はぜひ合わせてご覧ください!
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