ゲイである僕が声を大にして伝えたい4つのこと。「自分の周りにいない」はただの思い込みです。

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台湾LGBTプライド(台灣同志遊行)2017で配布された蝶ネクタイ型のにじいろステッカー

「LGBT」という言葉が広く聞かれるようになってきた現在。ネットやテレビの中だけの存在と誤解してはいませんか?

こんにちは!LGBTの”G(ゲイ)”として台北からブログを書いて3年目突入のMae(@qianheshu)です。 

僕が住んでいる台湾では今年2017年、同性カップルにも婚姻の権利を認めるため、2019年5月末まででの実現を目指して国が動き始めました。

先月開催されたLGBTプライド「台灣同志遊行(台湾LGBTプライド)」には約12万人もの参加者が集まり、アジア最大級と言われていたパレードの規模をさらに拡大。

社会においても「非常に身近な話題」として、LGBTに関する討論はいたるところで活発に繰り広げられています。

そんな台湾に日本からやってくると、よく聞かれるのが「台湾には同性カップルが多い」との感想。

街に出て見ると、仲睦まじそうに手を繋いで歩く同性2人の姿も少なからず見られるため、驚かれる方は多いかもしれません。

しかし、だからと言って「台湾は特別」と結論づけてしまうのは安易。

台湾に限らず、日本、はたまた世界中のどの場所であっても、LGBTが存在することは決して「特別」なことではないのです。

今日は、ゲイである僕が声を大にして伝えたい4つのことに関するお話。

ネット上に星の数ある記事の中から、このページにお越しいただいたのも1つのご縁。

これまであまり考えたことがなかったという方にこそぜひ、目を通していただけると嬉しいです。

※後ほど触れることではありますが、セクシャリティのあり方は本当に多様です。ここで書かせていただくことはあくまで僕個人の感じ方ですので、必ずしも全ての方に当てはまるものではないことをあらかじめご了承ください。

 

目次

LGBTの存在しない環境こそが「不自然」。

台湾東部のLGBTプライド「花東彩虹嘉年華」台東会場に翻るレインボーフラッグ

LGBTとは、L(Lesbian / レズビアン)、G(Gay / ゲイ)、B(Bisexual / バイセクシャル)、

T(Transgender / トランスジェンダー)の頭文字をとった言葉です。

 

厳密には、このカテゴリ分けに必ずしも全ての人が当てはまるわけではなく、

他人と完全に一致することはないとも言われるセクシャリティ。

 

途切れのない光のスペクトルのような「にじいろのグラデーション」に例えられることもあります。

 

「LGBT」の定義で言うと、僕は自身が「男性」、恋愛対象も「男性」のG(ゲイ)にあたります。

 

以前、日本の有名携帯キャリアのCMでも取り上げられていましたが、

この社会において「13人に1人」と言われるLGBTの人たち。

 

学校の1クラス、課外活動の1サークル、職場の1部門…

 

自分がこれまでに所属してきた、あるいは現在所属しているコミュニティを思い返して見ても、

13人以上の人が集まる場面というのは、誰にとっても非常に身近なことではないでしょうか。

 

「当事者の知り合いはいない」、「会ったことがない」と言う人も少なくない現在の日本。

 

しかしこの割合に基づくとすれば、

むしろ身の周りにLGBTが1人も存在していない環境の方が不自然

ということになります。

 

確かに、学校や職場で自らのセクシャリティをオープンにしている人は少ないかもしれませんが、

それは「存在していない」のでは決してなく、単に「見えていない」だけと考えるのが自然。

 

周りにいないからと思い込んで、

知らず知らずのうちに人を傷つけるような発言をしていませんか?

 

セクシャリティをオープンにするしない以前に、

クラスメイトや生徒、同僚や部下にストレスを感じさせる環境がまかり通ってはいませんか?

 

LGBTがどこにでも「存在している」のだということは、話題への興味のあるなし以前に、

この社会で生きる誰もが踏まえておくべきことではないかと、僕は思うのです。

 

「いない」のではなく「見えて」いないだけ。

台湾LGBTプライド(台灣同志遊行)2017の会場へと向かう参加者たち

「カミングアウト」はLGBTにとって、この上なくセンシティブな話題。

 

今でこそ、ブログという場でフランクに語ることができるようになったものの、

僕も過去には「自分がゲイである」という事実に苦悩していた経験があります。

 

家庭や職場など、日常生活との関係が密接な場であればあるほど、

自身のセクシャリティを打ち明けることへのハードルは高くなります。

 

カミングアウトをすることによって、これまで築き上げてきた平穏が、

自分を支え続けてくれてた場所が、一気に崩れ去る可能性を否定できないからです。

 

セクシャリティは、自らオープンにしない限り、他の人に伝わることはありません。

 

とても「見えづらい」からこそ、

「自分の周りにはいない」との誤解が生まれがちです。

 

でも「本当はそうではないのだ」ということに、まずは気づいていただきたいのです。

 

LGBTという言葉の広がりとともに、ブログやYouTube、テレビや雑誌などで

当事者としてメッセージを発信する人たちも、どんどん増えてきました。

 

これからはそれぞれの生活の中でも、LGBTに関する話題はきっと増えてくるだろうと思います。

 

もしも近い将来、あなたが友達や同僚からカミングアウトを受けることがあったら、

まずは話を聞いてあげてください。

 

もちろん、受け入れてあげることができるのであれば、

それほどに嬉しいことはないと思います。

 

しかしもしも、突然すぎてすぐに受け入れることはできないとしても、

せめて目の前の彼(彼女)は「あなたに一生縁を切られるかもしれない」という

覚悟も持って話しているのだという気持ちだけは、分かってあげてください。

 

あなたがかけがえのない大切な人だからこそ、これ以上嘘をつきたくないからこそ、

僕たちはカミングアウトをするのです。 

 

ゲイというセクシャリティは「男女両方の視点」があるわけではない。

台湾LGBTプライド(台灣同志遊行)2017で配布された蝶ネクタイ型のにじいろステッカー

ここからは少し、僕自身の経験したことを踏まえて

「ゲイ」というセクシャリティに関するお話をさせていただきたいと思います。

 

みなさんは「ゲイ」と聞くと、どのような姿を思い浮かべるでしょうか?

 

よく誤解されがちなのが、「ゲイの心は女性に近い」と認識されている点。

 

確かに、メディアや映画、アニメに登場するゲイのキャラクターといえば、

女性的な言葉遣いであったり、メイクやファッションに詳しかったり、

女性の洋服を身にまとっていたり、といった描かれ方が多いので、

誤解を生んでしまうのも無理はないかもしれません。

 

そういうスタイルの方が存在することも否定しませんが、

それが全てではないということを、ぜひ知っておいていただきたいのです。

 

ゲイというセクシャリティは、

「心の中に男女が共存している」のではありません。

 

男性のカラダに生まれながら「自分は女性である」と感じているわけでもありません

(こちらはLGBTで言うところの”T(トランスジェンダー)”にあたります)。 

 

僕の場合で言うと、心もカラダも、紛れもなく男性。

 

自身の認識は疑いようもなく「男性」であるけれども、

興味の対象が「男性」に向くというだけの違いに他なりません。

 

もちろん、興味の対象が同じである以上、

女性の感じ方と重なる部分は少なからずあるとは思いますし、

友達として意気投合しやすいということはあるかもしれませんが、

男性である以上「女性視点も持っている」とは到底言うことができません。

 

むしろ、自身も対象も男性である以上、

自ら意識的に知ろうとしなければ、ストレート(恋愛対象が異性)の男性よりも、

女性に関する情報と接触する機会が少なくなってしまう可能性だって考えられます。

 

僕自身で言うと、メイクやファッションに関しては大変に疎いので(!)、

女性の友達とショッピングに行ったりということはかなり稀。

 

一緒に街に繰り出しても、ストレート男子ほどの気配りは期待できないものと思われます 笑

 

女性と分かり合えるのは、

恋愛対象としての「男性」に関する話題くらいになってしまうかもしれません。

 

セクシャリティに関わらず「同じ」であることを認めよう。

台湾東部のLGBTプライド「花東彩虹嘉年華」でレインボーカラーのプラカードを掲げる参加者たち

以前、食事会に参加した時のこと。

 

誰かから僕がゲイであることを又聞きしたのか(それは別に構わないのですが)、

ある初対面の男性(A)がおもむろに隣の席へとやってきて、次のような会話を展開し始めました。

 

A :「君、男子が好きなんだってね。」

僕:「ええ、そうですが。」

A :「俺なんて、どうかな?」

僕:「いや、(僕のタイプじゃないので)大丈夫です。」

A :「ハッハッ!そうか!まあ、俺のことは狙わないでくれよな 笑」

 

初対面でこのような話題を持ちかけてくる彼に、

僕が良い印象を持たなかったことはご想像していただけるのではないかと思います。

 

なぜ、「相手が男性であれば、誰かれかまわず好きになる」 と思われてしまうのでしょうか。

 

このAさんだって、自分のことを考えてみればすぐに分かるはず。

相手が女性でさえあれば、彼は手当たり次第に関係を持とうと試みるのでしょうか。

 

セクシャリティに関わらず、 それがナンセンスな振る舞いであることは明らかなはずなのに。

 

自分に直接言われる、あるいはたまたま耳に挟むに関わらず、

このような発言を僕はどうしても「冗談」として軽く受け流すことはできません。

 

ストレート、ゲイ以前に、「一人の人間」であることは誰しも同じ。

 

ここで挙げたのは小さな一例にすぎませんが、どんな場面においても、

人と付き合う上での基本は決して忘れてはいけないことだと思います。

 

セクシャリティの違いは、全く関係ありません。

まずは「みんな同じ」なのだと、認めることからはじめましょう。

 

まとめ

台湾LGBTプライド(台灣同志遊行)2017に参加するピンクパンサー

今日は、ゲイである僕が声を大にして伝えたい4つのことについて

お話させていただきました。

 

ここでお伝えしたかった一番大切なことは、ただ1つ。

 

LGBTは決して、自分の生活と縁のない話題ではないのだ、ということ。

 

全ての人がありのままに生きていける社会を作り上げられるかどうかは、

当事者もその周囲の人も分け隔てなく、一人一人の心がけ次第なのだと理解することが、

スタートラインとして必要だと僕は思います。

 

もちろん、かくいう僕もまだまだ足りないところだらけです。

 

自身が属しているはずのLGBTコミュニティのことに限っても、

学ぶべきことは数多く残されていると日々実感しています。

 

もっと広い視野で物事を見られるように、さらに見聞を広げられるように、

これからも精進してまいりたいと思います。

 

もし、少しでもご興味を持っていただけたのであれば、

ぜひ自分の周囲の人とも、この話題について意見交換してみてくださいね。

 

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