台湾東部唯一のLGBTプライド「花蓮彩虹嘉年華」とは?

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花蓮彩虹嘉年華(花蓮LGBTプライド)2016でレインボーフラッグを掲げる先頭集団

2016年初レポート!台湾のLGBTプライドシーズンがいよいよ開幕です! 

こんにちは!久々にレインボーフラッグ片手にパレードを歩いてまいりましたMae(@qianheshu)です。 

今年の第一報は、太魯閣國家公園にもほど近い台湾東部の街・花蓮から。

台北で行われる「台灣同志遊行(台湾LGBTプライド)」には毎年足を運んでいるのですが、花蓮では未だ参加したことがなかった僕。

「これは、行くっきゃないでしょ!!!」

ということで、意気揚々と普悠瑪号に乗り込んで、花蓮の街を歩いて参りました!

今日は、9月24日(土)に開催された台湾東部唯一のLGBTプライド「花蓮彩虹嘉年華」をイベントの様子とともにご紹介します!

 

目次

花蓮の街に集合!

花蓮文化創意產業園區a-zoneの倉庫群

今年の集合場所となったのは、花蓮市の中心街にある「a-zone 花蓮文創園區」。

 

台北の「華山1914文創園區」や「松山文創園區」と同じく、

古い建物をリノベーションして新しい「文化の発信基地」として作られたスポットです。

 

花蓮彩虹嘉年華(花蓮LGBTプライド)2016の参加受付ブース

園内に入ってすぐのところに、今回イベント用の特設スペースが設けられていました。

 

花蓮彩虹嘉年華(花蓮LGBTプライド)2016の台灣伴侶權益推動聯盟ブース

台湾における「多元成家(同性婚を含む)」の実現に向けて活動している団体

台灣伴侶權益推動聯盟」。

 

ブースでは活動内容の紹介と当時に、

同性婚の合法化を訴えるメッセージがプリントされたTシャツやナップサックなどの

グッズ販売が行われていました。

 

花蓮彩虹嘉年華(花蓮LGBTプライド)2016のグッズ販売ブース

モザイク柄にデザインされたレインボーがとってもオシャレで、

身につけてパレードに参加するにもピッタリそうです。

 

花蓮彩虹嘉年華(花蓮LGBTプライド)2016のTシャツ販売ブース

他にも、オリジナルの手染めTシャツや帽子販売のブースや、

 

花蓮彩虹嘉年華(花蓮LGBTプライド)2016の花中班聯ブース

LGBT支持を訴える横断幕を掲げた花蓮の高校生自治体のブース、

 

花蓮彩虹嘉年華(花蓮LGBTプライド)2016で風船を配るスタッフ

パレードに彩りを添えるカラフルなバルーンを配って歩くスタッフさんたち。

 

花蓮彩虹嘉年華(花蓮LGBTプライド)2016のパレード出発前の会場

スタート時刻が近づくにつれて、会場には参加者もどんどん集まってきましたよ!

 

花蓮彩虹嘉年華(花蓮LGBTプライド)2016のステージでダンスする子供たち

会場中心に設置されたステージでは、

子供たちによる可愛らしいダンスのパフォーマンスが始まりました。

 

LGBTプライドで子供たちが幕開けを飾るというのは、かなり斬新。

 

彼らのように幼い頃から「多様性」に触れて育つ子供たちがもっと増えて、

未来を変える力になってほしいと、心から願うばかりです。

 

花蓮彩虹嘉年華(花蓮LGBTプライド)2016でパフォーマンスを披露する高校生バンド

続いては、地元の高校生たちによるバンドのパフォーマンス

 

台湾ではゲイアンセムとして知られている張惠妹(A-mei)の「彩虹」や、

同性カップルの医療問題を描いたMVで話題になった蔡依林(Jolin)の「不一樣又怎樣」などを、

参加者に向けて演奏してくれました。

 

花蓮彩虹嘉年華(花蓮LGBTプライド)2016の司会者二人

「花蓮彩虹嘉年華」がユニークなのは、すべてが学生主体となって行われている点。

 

世界にその名が知られる大企業も参加する台北の「台灣同志遊行(台湾LGBTプライド)」のような

圧倒的な華やかさには届かないものの、

 

「自分たちの力で、社会を変えて行きたい!」

 

という熱い意思がひしひしと伝わってきて、そこがかえってパワフルな印象を与えてくれます。

 

第6回目となる今回のパレードのテーマは「性/別穿衣鏡,面對停看聽」

「性の全身鏡 / 立ち止まり、目を凝らし、耳をすまそう」という意味になります。

 

本屆訴求從歷屆訴求發想而來,爬梳性別運動發展中面臨的阻礙,

並重新思考「歧視」的存在。

 

在台灣,性少數族群仍然因為性別氣質不符合社會性別期待而遭受異樣的眼光,

正面刻板印象、負面刻板印象仍然隱性潛存於在社會裡。

 

我們希望能夠藉由與不同立場的人對話、瞭解,進而改變成見,

讓每個人都能夠展現自己內在的複雜與多元,打造自在的生活空間。

 

「穿衣鏡」即是此概念的具象化。

 

我們選擇穿戴的每件衣服、每個表情,

都難以逸出社會性別的規範,鏡子即反映出個人發展中受到的外在形塑。

 

本次遊行希望藉由「穿衣鏡」達到兩個層次的目標:《打破偏見》、《多元再現》。

 

Via:花蓮彩虹嘉年華Facebook公式ページ

 

 

この度の花蓮彩虹嘉年華のテーマは、

これまでの5回にわたる活動において妨げとなってきたものをもう一度整理し、

「偏見」の存在について思考を巡らせる中で生まれました。

 

台湾では、社会の期待する「性のあるべき姿」にそぐわないという理由で、

セクシャルマイノリティーの人々は依然として不合理な視線にさらされています。

ポジティブ、ネガティブにかかわらず、

「固定観念」は現在でも見えないかたちで社会の中に潜んでいるのです。

 

私たちは、異なる立場の人々が対話を通して了解し合い、これまでの考えを改め、

一人一人が内に秘めた「複雑性」と「多様性」を表現することで、

誰にとっても自由自在な生活環境を作り上げていただきたいと考えています。

 

今回のテーマに掲げた「全身鏡」は、この概念を具現化した存在です。

 

私たちが選択して身につけている衣服から表情にいたるまで、

あらゆるものが社会における「性の規範」を超えることは難しく、

鏡は個性の発展の中で受けて来た影響を否が応にも映し出してます。

 

そこで今回は、パレードを「全身鏡」に例えることで

「偏見を打ち破り」「多様性を再現し」

自らの真の姿を映し出す機会とすることを目標としました。

 

訳:Kazuki Mae

 

花蓮彩虹嘉年華(花蓮LGBTプライド)2016のパレードカー

ステージでのパフォーマンスが終わったところで、先導車の上からはいよいよカウントダウンが。

 

5、4、3、2、1… 出發!

 

元気な掛け声とともに、2016年第一陣となるLGBTパレード開始です!

 

花蓮に迸るにじいろパワー。

花蓮彩虹嘉年華(花蓮LGBTプライド)2016でレインボーフラッグを掲げる先頭集団

パレードは花蓮文創園區を出発して花蓮の中心街をぐるりとまわる約2.5kmの道のり。

レインボーフラッグを思い思いに掲げて、花蓮の強烈な日射しの中へと繰り出していきます。

 

花蓮彩虹嘉年華(花蓮LGBTプライド)2016でレインボーフラッグを掲げる子供達

会場で配られていた色とりどりのバルーンも隊列に花を添えて、

誰でも自由に飛び込んでいけそうな親しみやすい雰囲気に。

 

「対話しあい、了解しあう。

 

という目的をそのまま体現したかのようなフレンドリーさは、

沿道から眺めているだけでも感じられます。

 

花蓮彩虹嘉年華(花蓮LGBTプライド)2016のプラカード「眾生平等 婚姻平權」

「婚姻平權(婚姻の平等)」は台湾の同性婚をめぐる討論におけるキーワード。

 

その足がかりとも言える

「同志伴侶註記(同性パートナーシップ条例)」の実施は

台湾各地へと広がりを見せているものの、花蓮では未だ認められていません

 

花蓮彩虹嘉年華(花蓮LGBTプライド)2016キリスト教団体のプラカード

実は、花蓮は台湾でも指折りの「基督徒(キリスト教信者)」比率が高い街

 

LGBTの存在が受け入れられにくい環境にあると言われているこの場所で、

支持を訴えるキリスト教団体が参加する意義は、他の街以上に大きい

のではないかと思います。

 

花蓮彩虹嘉年華(花蓮LGBTプライド)2016でレインボーフラッグを纏うカップル

 

「レインボーフラッグを掲げて街を歩くことで、

 まずは多様性の存在を知ってもらいたい。」

 

そんな思いも、このパレードには込められているのですね。

 

花蓮彩虹嘉年華(花蓮LGBTプライド)2016でインタビューに応じる参加者

と、隊列に合流して歩きながら考えていると、マイクを持って先導車から降りてくるスタッフさん。

おもむろに、参加者へのインタビューを始めました。

 

沿道にメッセージを伝えることももちろん大切ですが、

スタッフを含めた参加者たちの絆を強めるのもパレードの重要な目的の一つ。

 

共に街を歩く同志として、一人一人の距離がすごく近いのも花蓮のパレードならではの魅力です。

 

花蓮彩虹嘉年華(花蓮LGBTプライド)2016で街を練り歩くパレード隊列

そして、一同が花蓮一の繁華街に差し掛かった頃。

 

花蓮彩虹嘉年華(花蓮LGBTプライド)2016でパレード参加者にしおりを配るスタッフたち

スタッフさんが参加者に、何かを配り始めました。

 

花蓮彩虹嘉年華(花蓮LGBTプライド)2016で配られたしおり

受け取ってみると、それは

「彩虹嘉年華」の文字とスローガンがプリントされたしおり

 

「沿道の人たちに配って、私たちの活動を伝えましょう!」

 

と、アナウンスが流れました。

 

花蓮彩虹嘉年華(花蓮LGBTプライド)2016でしおりを手渡すスタッフ

先ほどしおりを配っていたスタッフさんは早速、

近くのドリンクスタンドに向かって、店員さんにしおりを渡しています。

 

参加者に対して色々なアイテムを配るのはどのプライドパレードでも経験済みでしたが、

見物している人に参加者自らが渡すアイテムというのは初めて

 

自分たちの手で少しずつでも理解を広げていこうという決意が、ここでもしっかり表れていました。

 

花蓮彩虹嘉年華(花蓮LGBTプライド)2016でしおりを配りながら歩くパレード参加者

パレードはいよいよ大詰め。

みんなでしおりを配りつつ、ゴールとなる出発地点へと歩みを進めていきます。

 

花蓮彩虹嘉年華(花蓮LGBTプライド)2016でレインボーフラッグを振るパレード参加者たち

手に持ったレインボーフラッグを力いっぱい降りながら、メッセージを大きな声で叫びながら、

2.5kmの道のりを2時間かけて歩き切りました。

 

LGBTパレードを支えるスポンサーたち。

花蓮彩虹嘉年華(花蓮LGBTプライド)2016でレインボーフラッグを掲げるLGBTフレンドリーカフェ

今回の「花蓮彩虹嘉年華」でもう一つ印象的なのが、

街のいたるところに掲げられたレインボーフラッグたち

 

カフェや本屋さん、民宿など、パレードを応援するスポンサーたちのお店の軒先には必ず、

にじいろの旗がはためいていました。

 

花蓮彩虹嘉年華(花蓮LGBTプライド)2016でレインボーフラッグを掲げたLGBTフレンドリーカフェ

パレード開催前に配られた花蓮のLGBTフレンドリースポットマップによると、

スポンサーはなんと30店舗!

 

徒歩でまわれるほどの大きさの街で、LGBTへの理解をまだまだ進めている最中のこの場所で、

これだけの支援を集めているのは驚異的と言っても良いくらいスゴイことです。

 

花蓮彩虹嘉年華(花蓮LGBTプライド)2016でレインボーフラッグを掲げる飲食店のオーナーさんたち

スタート地点の近くにあったレストランでも、

 

花蓮彩虹嘉年華(花蓮LGBTプライド)2016でスピーチするLGBTフレンドリーカフェのオーナーさん

ゴール間際に通りかかったカフェでも。

 

パレードの沿道にあるお店のオーナーさんたちは、仕事の途中にもかかわらず

マイクを持って参加者たちに応援スピーチを投げかけていました。

 

花蓮彩虹嘉年華(花蓮LGBTプライド)2016で支援者に拍手を送るパレード参加者たち

応援してくれるお店一つ一つに、参加者全員でお礼を言いながら歩いていく。

これも、花蓮のパレードで初めて出会った素敵すぎる試みです。

 

夕暮れ時の演説会。

花蓮彩虹嘉年華(花蓮LGBTプライド)2016のステージでスピーチをする女性弁護士

すっかり日も傾き始めた会場に戻ると、

ステージから聞こえてきたのは参加団体や個人からのスピーチ。

 

現在の台湾全体におけるLGBTをめぐる現況、花蓮の県政における状況、

これから台湾で開かれるイベントの告知など、

参加団体それぞれの視点から理解を深めあう時間となりました。

 

花蓮彩虹嘉年華(花蓮LGBTプライド)2016のステージでミニコンサートを開くアーティスト

スピーチが終わると、続いては花蓮を拠点に活躍している

アーティストのミニライブがスタート。

 

台湾原住民族出身の方というだけあって、声量豊富な力強い歌声に完全に圧倒されてしまいました。

 

花蓮彩虹嘉年華(花蓮LGBTプライド)2016でステージに集合するイベントスタッフたち

そして、最後は今回のイベントを企画した大学生たちがステージに登場。

「花蓮彩虹嘉年華」にかける胸のうちを語ってくれました。

 

「このイベントを、

 より多くの花蓮市民が参加できるまで成長させたい。」

 

この一言には、胸が締め付けられる思いがしました。

 

花蓮彩虹嘉年華(花蓮LGBTプライド)2016で会場に座る参加者たち

僕を含めて花蓮以外の場所からイベントに参加している人はたくさんいたものの、

実際に花蓮に住んでいる人となると、

やはりまだまだ比率としては少ないのが現実。

 

「自分の生まれ育った街だからこそ、行動に移すことができない。」

 

その気持ちは、田舎の街で大きくなってきた僕にも痛いくらいに分かります。

 

そんな状況を打破するためにも、「花蓮彩虹嘉年華」が

花蓮を代表する一大イベントとして成長してくれることを、

街に暮らす人たちにより浸透してくれることを、願ってやみません。

 

まとめ

花蓮彩虹嘉年華(花蓮LGBTプライド)2016でポーズを決める二人組

今日は、台湾東部唯一のLGBTプライドパレード「花蓮彩虹嘉年華」

2016年の様子をお伝えしました!

 

今回初めて参加してみて感じたのは、

台湾の他の都市で行われているどのプライドパレードにも負けなくらい、

あるいはそれ以上の「芯の強さ」

 

LGBTプライドを開催する目的の最も深いところにあるエネルギーの源

見せていただいた気がします。

 

台湾東部にまで足を運ばれたことのある方はまだまだ少ないかと思いますが、

花蓮の街にも「多様な可能性」が根を下ろしはじめていることをお伝えして、

この記事を結んでおきたいと思います。

 

来年もまた花蓮から、パレードの様子をレポートしたいと考えていますのでお見逃しなく!

 

花蓮彩虹嘉年華
Facebook:https://www.facebook.com/hlLGBT

 

台灣同志遊行(台湾LGBTプライド)2015のパレードを歩くゲイアプリ「blued」のお兄さんたち

そして、来月10月29日(土)はいよいよ

「台灣同志遊行(台湾LGBTプライド)」が開催!

 

アジア最大のLGBTプライドに、あなたもぜひ参加してみませんか?

 

昨年2015年の様子は【アジア史上最大級!台湾LGBTプライドに行ってきました!】

まとめましたので、ぜひ合わせてご覧くださいね!

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • Maeさんこんにちは
    花蓮パレード 本当に人と人が作った気持ちがこもった手作り感が伝わってきました。
    天気も素晴らしく、より花蓮が華やかに感じますね!
    花蓮は行けませんでしたが、10月から続々後に続きますよねー
    できれば残りは行けるだけ行こうと思います!
    先週末、台南も決まりました。12月31日…
    日本人にとっては、「この日??」と思いましたが、とにかく行うようです~
    もしご都合がよろしければ、また台南レポートに来てください!
    私たち台南人がご案内できるよう頑張ります。主人として(*・ω・)

    • そうですか!台南もパレード開催されるんですね!貴重な情報ありがとうございます!
      もしイベントのリンク等あれば、教えていただけるとありがたいです。
      跨年なので行けるかどうかわからないですが、検討してみます。

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