イベント史上最大を記録!「台灣同志遊行(台湾LGBTプライド)」に次ぐ台湾第二のプライドパレードが高雄で開催です!
こんにちは!今月末には台北101のカウントダウン花火かと思うと、1年という時間の早さに衝撃を感じてしまうMae(@qianheshu)です。
先週末11月26日(土)は、台湾で今年3つ目のLGBTプライドとなる「高雄同志大遊行(高雄レインボーパレード)」が開催されました!
高雄でのパレードに参加したことで、台湾各都市で行われているLGBTプライドをすべてまわったことになるのですが、「多様性」という概念を最も感じることができたのが、今回高雄でのパレード。
今日は写真とともにイベントを振り返りながら、台湾第二の規模を誇るLGBTプライドの様子をご紹介したいと思います。
イベント史上初!1万人が会場に集結!
集合場所となったのは、高雄捷運「獅甲」駅を降りてすぐのところにある「勞工公園」。
最寄りの3番出口前はすでに大勢の参加者で、公園内に向かうのも一苦労なほどの賑わいです。
特設会場へ向かう途中には、LGBTプライド恒例のレインボーアイテムを扱う個人ブースが出現。
売りものなのかと思いきや、
こちらのお兄さんはなんと無料でレインボーフラッグを配布していました!
ばっちりポーズまで決めていただいて、ありがとうございます!
レインボーステッカーを配って歩くお姉さんにも遭遇。
こちらもしっかりカメラ目線をきめていただき、素敵な一枚が撮れました。
まだパレード開始前ですが、すでに高雄の人の積極性をひしひしと感じます。
ステッカーのデザインも、シンプルでおしゃれ。
さっそくボーイフレンドの胸元に貼り付けてあげました。
少しずつ会場内へと近づいてきたところで、なにやら一段とにじいろが濃厚なスポットが。
正面に回ってみると、見事なスタイルのイケメンたちと
ウェディングドレス姿パフォーマーさんが撮影に応じていました。
彼らの背後に「結婚」の2文字が躍っているように、
同性婚支持をアピールするためのパフォーマンスですね。
人波をかき分けかき分け、ようやく会場内に到着。
参加者で埋め尽くされた会場は秋の気配が漂うお天気にも関わらず、
ものすごい熱気に包まれています。
イベント後に発表されたレポートによると、今回の参加者はおよそ1万2,000人。
昨年までは7~8,000人規模だったと聞いていますから、
なんと一挙に70%近く増えたことになります!
台湾南部の大都市・高雄の街でも「LGBTの権利」への関心度は、
年を追うごとに高まっているようです。
高雄レインボーパレード限定のチャリティーグッズ売り場前も、
長蛇の列ができるほどの大盛況ぶり。
僕は事前に台湾のクラウドファウンディング「flyingV」で募金をしていたのですが、
そのお礼としてイベント前にブースで売られているものと同じグッズが
フルセットで送られてきました。
どれもかわいいデザインかつパレードで使えるものが盛りだくさんなので、
この人気ぶりにもうなずけます。
台北の「台灣同志遊行(台湾LGBTプライド)」に参加した際にも見かけた「UBER」は、
この高雄のLGBTプライドにも協賛。
その場でUBERのアプリをダウンロードしたら、
無料のミネラルウォーター2本をいただくことができました。
LGBTプライドへの企業の協賛も、ますます増えている印象です。
学校と、職場と、LGBT。
今回の高雄レインボーパレードのテーマとして設定されているのは「勞師眾動」。
この社会に生きる誰もが関わりを持つことになる
「労働」と「教育」の場に焦点を当てた内容となっています。
我們的性別議題在立法、修法上看似獨步於全亞洲,
但不論是教育或勞動法規中所提及的性別平等,
距離充分執行、真正落實的終點還是相當遙遠。
教育現場迄今仍存有恐性、恐同的聲音,
(中略)職場中也存有許多性別議題需要討論(中略)。
沈默或許得以讓人暫緩面對現實,但歧視與污名卻不會因此消失不見。
我們呼籲不論學校教育與職場訓練都應融入並增加性別議題的內容,
(中略)使社會上的種種角色,不需以刻板的外表與規訓作為評價,
而回歸到尊重身而為人的能力與價值。
我們期待,所有的教育工作者與資方都能明確看見且有能力處理更多元的性別議題,
促成性別平等精神得以落實在教育與工作場域,讓每一個人的生命歷程都得以完整。
私たち(台湾)の性に関する議題は、立法、法改正の面で
アジアの中でも独自の道を行くものでありますが、
教育あるいは労働の規定において提示されている「性の平等」については、
実現されるべきゴールは遥か先にあるのが現状です。
教育の現場では今でも、性やLGBTをテーマとすることに反対の声が上がり続けており、
職場において討論する余地も、手をつけられることなく残されたままです。
沈黙することで現実と向かい合う厳しさを和らげることは可能かもしれませんが、
それでは偏見と歪められたイメージを消し去ることはできません。
私たちは、学校教育あるいは職業訓練の場において、
性に関するテーマをより積極的に討論すべきであること、
社会におけるそれぞれの役割が固定観念上の外見や規則によって評価されるのではなく、
一人一人の能力や価値を尊重するよう回帰すべきであることを呼びかけていきたいのです。
教育や雇用に関わるすべての人々が、多様な性に関するテーマを的確に見つめ、
対応する能力を持ち、「性の平等」の精神が教育・職場の環境に確実に反映されることを、
そして誰もがありのままに自らの命を歩んでいけることを期待しています。
訳:Kazuki Mae
僕も以前の職場では自身がゲイであることをオープンにせず仕事をしていましたが、
正直なところ仕事とは関係のない部分でストレスを感じる場面が少なからずありました。
周囲の人からの理解を得られる・得られないというのは、
やはり仕事のパフォーマンスに大きく影響します。
そして、もしもまだ義務教育を受けていた時、
授業内でLGBTに触れた討論がなされていたとしたら、
当事者としての苦しみが和らぐのはもちろん、
社会全体で相互理解に努めるような、
誰もがもっと生きやすい世の中になっていたのではないか
と思うのです。
職場あるいは学校であらゆる人がありのままに活動できることは、
社会にとっても必ずプラスの影響をもたらしてくれることは間違いないはず。
このパレードのテーマが広く浸透してくれることを願ってやみません。
そろそろ、パレード出発の時間が迫ってきました。
高雄の街にかかる希望の虹。
高雄のパレードでも、先頭を行くのは
10m以上はあろうかという巨大レインボーフラッグ。
高く掲げながら歩くのはなかなか体力のいる役割だと思うのですが、
こんな時でも笑顔でピースサインまでしてくれる高雄のパレードスタッフさんたち。
台湾南部の人たちの心の温かさが北部以上だという噂は、どうやら本当のようです。
レインボーフラッグに続いて、パレードカーも続々とやってきますよ!
先ほど撮影に応じていたイケメンたちも、パレードカー上でパフォーマンス開始。
ダンスミュージックがあたりに響き渡り、
LGBTプライドらしい底ぬけな賑やかさが高雄の街を染め始めます。
プラカードを掲げながら、颯爽と歩く参加者たち。
みんな生き生きとした良い表情で、この日を存分に楽しんでいるのが伝わってきます。
街にはためく1万のにじいろな思い。
時折ビルの一室から、レインボーフラッグを掲げてパレードに声援を送る
支援者の姿も見ることができます。
大学としてLGBT支持を表明するため参加しているグループも。
「教育の場から変革すべき」という今回のテーマに沿った、
とても意義のある行動だと思います。
高雄の目抜き通り「三多路」に差し掛かると、参加者の声にも一層力が入り始めます。
マイクを手に、弾けるような笑顔でメッセージを伝えながら歩くグループに、
LGBT支持を表明しているキリスト教団体、
仲睦まじそうに見つめ合いながら歩みを進めるレズビアンカップルや、
沿道にはがっちり手をつないだゲイカップルの姿も。
思い出したかのようにぱらぱらと降る雨には、レインボーのパラソルを掲げて応戦。
ベビーカーに乗ってご満悦なにじいろコーギーちゃんも、
お得意の愛くるしさでパレードに花を添えます。
支持者1万人が一堂に集う姿は、
台北のLGBTプライドにも負けないくらいパワフルで圧巻です。
真の「多様性」とは何か。
冒頭で「多様性という概念を最も感じたパレード」と書きましたが、
その理由はこのイベントに集まった参加者の立場が、
非常にバラエティに富んでいることにあります。
一番目を見張ったのは、「親子」での参加者が
他の都市のパレードに比べて圧倒的に多いこと。
さらに注目すべきが、そのほとんどが「異性カップルの親子」という点です。
お父さんに肩車をされながらレインボーフラッグを掲げる女の子に、
両親に手を引かれながら歩く4人家族。
先生に連れられて幼稚園全体で参加している子供たちの姿も見ることができました。
LGBTプライドでこんなに多くの幼い参加者を目にしたのは、
今回の高雄のイベントが初めてです。
そして、「ヘテロセクシャル」として同性婚の支持を表明しながら歩く参加者も
相当数おられました。
セクシャリティにかかわらず広く支持が集まっていることは、
社会がさらなる一歩を踏み出す上でとても大切なことだと思います。
それは、信仰の上でも同じ。
反対派の意見ばかりが目立つキリスト教団体の中にも、
同性婚を支持する層がいるのだということ。
僕を含めたLGBT当事者の側も、固定観念にとらわれることなく
広い視野で物事を見なくてはいけないと、彼らは教えてくれます。
他にも、教育の場に立つ大学教授として支持を訴える方や、
カラダに不自由を抱えながら「多様な家庭のあり方」を支持して街角に立つ方。
また、LGBTプライドでは見かけることの少ない40代以上のお父さんお母さん、
はたまた、おじいちゃんおばあちゃん世代まで、
家族にLGBT当事者がいると思しき参加者の姿も少なからず見られました。
コミュニティの垣根を越えて、
本当に様々なところから支持の声が聞こえてきているのを実感する場面が多かったです。
「婚姻平權」は、今台湾で最も注目されているキーワードの一つ。
「婚姻平等の権利」実現に向けて、現在台湾の国会に当たる立法院では
真の意味での婚姻の平等を認めるための「婚姻平權法案」が審査段階に入っています。
このブログを書いている今日は、反対派の大規模なデモが行われる日。
翌週には支持派のデモが控えており、
まさに社会総出でこのテーマを考える段階にまで台湾は来ていることになります。
同性婚への注目度の高まりをダイレクトに反映した、今回の高雄レインボーパレード。
真の「多様な社会」が近い将来きっと訪れると、
そんな予感を抱かせてくれる希望いっぱいのイベントでした。
まとめ
今日は、台湾南部最大の街・高雄で開催されたLGBTプライド
「高雄同志大遊行(高雄レインボーパレード)」をご紹介しました。
高雄レインボーパレードも、毎年開催されている台湾を代表するLGBTイベント。
2016年は11月の開催でしたが、開催日時は毎年違った時期になっているので、
来年参加されてみたいという方はぜひFacebookページをチェックしてみてくださいね。
来年開催される時には台湾の同性婚をめぐる討論がどこまで進んでいるのか、
その動向からも目が離せません。
高雄同志大遊行(高雄レインボーパレード)
Facebook:https://www.facebook.com/KHpride4/
そして、今月12月17日(土)には台湾中部の都市・台中でも
LGBTプライド「台中同志遊行(台中LGBTプライド)」が開催されます!
台中へお越しの予定がある方は、合わせて参加されてみてはいかがでしょうか?
それでは、今日はこのあたりで。
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