「デザイナーは、絵が上手?」「デザイナーなら、残業は当たり前?」日本と台湾でデザイナーとして仕事をしてきた10年を振り返ってみて、実感していることがあります。
こんにちは!台湾で現地採用として働いておりますMae(@qianheshu)です。
僕は大学を卒業して以来これまで、デザイナーとして仕事をしてきました。
デザイナーと一口に言っても様々な分野がありますが、僕は現在、広告を作るデザイナーとして、台北にある広告会社にて働いています。
改めて数えてみたら、デザイナー歴も10年を越えたところ。
「自分に務まるだろうか」と、自信が全くない中でスタートしたこの仕事が、まさか10年も続いていて、台湾での就職にまでつながることになるとは、当初は想像もしていませんでした。
現在でも、自信を失うことは多々ありますが(笑)、今になって振り返ってみると、デザイナーという道を選んだことは、なかなか良い選択だったのかなと思っています。
今日は、台湾とはあまり関係のないお話になるかもしれませんが、デザイナーとして10年仕事をしてきた中で実感していることについて書いてみました。
まずは「デザイナーは、絵が上手」と、みなさん思っていませんか、というお話からです。
※あくまで、僕個人の経験にもとづいたものですので、考え方や感じ方の一例としてご覧いただけますと幸いです。
1. 絵が上手じゃなくても、デザイナーにはなれる。
僕がデザイナーであることを告げると、
よく言われるのが
「じゃあ、絵が上手なんですね!」
という一言。
正直、僕も
デザイナーという仕事を始めるまでは、
「絵が描けて当然」と、
そう思っていました。
しかし、実際に仕事を始めてみると、
全員が全員、
絵が上手というわけでは決してない、
と気づきました。
その一例が、僕自身です!笑
これまで10年仕事をしてきて、
「自分より絵を描くのが
苦手なデザイナーさんいたっけ?」
とすら、感じているくらいです。
何なら、デザインとは
関係のない仕事をしている
僕のボーイフレンドの方が、
明らかに絵が上手なくらいです 笑
そう言うと、
「でも、ブログで
イラスト描いてましたよね?」
と思われた方も
おられるかもしれません。
でも実は、あのくらいシンプルな絵でも、
1枚にとてつもなく時間をかけてしまうくらい、
本当に描くのが苦手…
時間をかけて、
すごく神経を使って整えに整えた結果でも、
あのくらいの完成度が限界なのです。
絵が上手に描けることは、
デザインの仕事をしていく上で
絶対にプラスになるので、
上手な方たちが本当にうらやましい。
ですが、そんな僕でも10年間、
デザイナーとして、
なんとかやって来られています。
正直、簡単なラフスケッチしか描けなくても、
それでアイデアが
相手にちゃんと伝われば充分で、
仕事は進められます。
(例えば、上のようなラフでも、何となくイメージは伝わりますよね。)
アイデアを実現するための手段として、
イラストが必要なら
イラストレーターさん、
写真が必要なら
フォトグラファーさんと協力すればいい。
アイデアに沿った
イラストや写真が上がってきたら、
illustrator や photoshop など
デザインソフトを使って、
自分で最終形に仕上げる。
その能力さえあれば、
デザイナーには充分なれます!
もしも、
「絵の才能がないから、
デザイナーになるなんて無理」
と思っている方は、
あきらめる必要なんて全くないですよ!
2. コピーライターは、とっても頼れるパートナー。
台湾で広告を作る仕事してきた中で、
(もちろんチームのどの役割の方も大切ですが)
コピーライターとの関係は特別だと、
いつも感じています。
浮かんだアイデアについて
真っ先に相談したり、
行き詰まった時に
調整や助けを求めたり、
1つのコピーをきっかけに
イメージが膨らんで、
思わぬデザインができあがったり。
正直、コピーライターのみなさんに
助けられたことは、
これまで数え切れないくらいにあります。
広告を作っていくチームの中でも、
「産みの苦しみ」を
一番に理解してくれる人。
コミュニケーションが、
特に密になるパートナー。
それがコピーライターで、
彼ら彼女らがいることで、
僕はすごく心の支えを感じています。
また、コピーライターは、
デザインに先立って、
プロジェクトの核となるコンセプトや
方向性を定める役割を担っている
ことも多いです。
真っ白な状態からの
「難産」を日々こなしていて、
僕が非常に尊敬している存在
でもあります。
そういう役割だからこそ、
プロジェクトのクリエイティブを
取りまとめるトップ
「クリエイティブ・ディレクター」も、
デザイナーよりコピーライター出身の方が
多いように思います。
3. 遊ぶ時間の体験が、アイデアの糧になる。
広告を作るにあたって、
「商品についてしっかり理解すること」
「商品を使う(使いたい)人の
立場に立って考えること」
は、すごく大切です。
(あらゆるサービスに対して言えることですね。)
制作にかかる際にあらかじめ、
商品に関連する経験や知識が
自分自身にあった方が、
的を得た仕上がりになりやすいのは
間違いないです。
例えば、
台北観光に関する広告を作る時。
台北に一度でも行ったことがあれば、
表面的な知識だけでなく、
「中正紀念堂は建物もキレイだけど、
その横に広がる庭園に緑がいっぱいで
心地よかったな。」
「鼎泰豐は小籠包も最高だけど、
炒飯も想像以上においしかったなあ。」
「でも、路線バスの運転は、
荒くて車酔いしちゃったなあ 笑」
など、より詳細に
リアリティを持ってイメージできますよね。
当然、表面的な知識だけでは
浮かばないような、
アイデアもたくさん思いつきます。
だからこそ、
日頃からしっかり遊んで、
たくさんの新しい体験をしておくことって、
すごく大切です。
行ったことのない街や、
スポットへお出かけしてみる。
ちょっと背伸びして、
いつもよりも高めのホテルに
泊まってみたり、
レストランで食事をしてみる。
(あまり興味が湧かなくても)
とりあえず流行りのドラマを観たり、
音楽を聴いてみる。
本や映画、ポッドキャスト、
YouTubeなどで、
いろんな人々の立場や生活、
気持ちを知ってみる。
いつもは地下鉄だけど、
今日は気分転換でバスに乗ってみる。
小さなことであっても、
そうやって遊びながら得てきた
経験や知識は、
すぐではないとしても、
いつかふとした瞬間に
生きてくることがあります。
僕は、結構出不精なので(笑)、
そういう意味でも
題材探しに自分を奮い立たせる
このブログがあることは、
とても役立っているように思います。
4. アイデアは、パソコンの前では出ない。
今回書いている内容の中でも、
デザイナーを10年やってきて、
一番にひしひしと実感していること。
それは、
アイデアはパソコンの前では出ない、
ということです。
(もちろん、あくまで「僕個人は」ということですが。)
現在では、インターネットを探せば、
数え切れないほどたくさんの
デザイン事例が掲載されていて、
僕も空いた時間などに
よく眺めています。
世界中の完成度の高い
作品を見ることは、
刺激を受けるという意味で、
すごく大切。
その刺激に触発されて、
何かを思いつくということも、
もちろんあると思います。
でも、僕自身が
アイデアを思いつく瞬間を振り返ってみると、
たいていが不思議と
パソコンの前(オフィス)を離れている時、
だったりします。
オフィスの外でごはんを食べている時、
買いものをしている時、
ぶらぶら散歩している時。
そういう何気ない時に、ふと
「こういうのいいかも?」と、
思い浮かんでくることが大多数です。
(オフィスが嫌いなのか?笑)
なので、オフィスにいる時間は、
僕にとっては、
実際に手を動かして
デザインソフトでデザインを
作っていく時間だったり、
浮かんだアイデアを
討論する時間だったり。
パソコンの前にいるのは
最小限にとどめたいので、
できるだけ残業なしで仕上げて、
定時ですぐ帰っちゃいます 笑
これを言うと、
「デザイナーなのに残業しないの!?」と、
驚かれることもよくあるのですが、
僕は日本でデザイナーとして
働き始めて2年目くらいの頃から、
台湾に移って働いている今に至るまで、
ずっとそうして来ています。
そのせいで、
「あいつはやる気がない」
「不真面目だ」
と、思われることも
あったかもしれないですが、
別にそれでもいいです。
僕にとってはそれよりも、
外にあるいろいろな物事を見たり、
触れたりする時間の方が
ずっと大切です。
その時間で体験したことが
アイデアにつながることは、
たくさんあります。
(つまり、ひとつ前のチャプター「3.」につながります。)
それに、
せっかく台湾に住んでいるのに、
ずっとオフィスにいて、
おいしいものを食べに行けないなんて、
もったいなさすぎますしね 笑
5. 動画制作のスキルがあると、より重宝される。
これはここ数年、
とてもよく感じていることなのですが、
デザイナーも「動画が作れる」と、
非常に強い武器になると思います。
僕がデザインの仕事を始めた頃は、
グラフィック(静止画)と動画は
ピシッと分かれていた感じでしたが、
現在はどんどんその境目があいまいに。
インターネット技術の進歩によって、
動画の需要が伸びていることと、
決して無関係ではないと思います。
そして、僕よりも
ひとまわり下の世代のデザイナーたちは、
その面で本当に優秀。
グラフィックだけでなく、
動画編集も難なくこなしていて、
スキルの幅広さには
舌を巻くばかりです。
僕も、YouTubeチャンネルを
とりあえず開いてみて、
時々練習したりもしていますが、
やっぱり勝手が違っていて、
難しく感じる部分も多いですね 笑
関連記事→【ブログとYouTubeの両方に挑戦して感じた4つのこと。記事執筆と動画制作はどちらが大変か?】
もし動画を作るスキルも
持っているとなれば、
とても重宝されるのは間違いないです。
近い将来、
「動画も作れないなんて、
本当にデザイナー?」と、
言われる日が来たりするのかなあ…
動画に限らず、
グラフィックにプラスして、
「イラストが描ける」「写真が撮れる」
「CSSが分かる」など、
もう1つ何かスキルがあるのは、
絶対にプラスになります。
まとめ
今日は、
デザイナーとして
10年仕事をして来た今、
実感している5つのことに
ついて書いてみました。
みなさんが持っていた
デザイナーのイメージと、
違う点はありましたでしょうか。
何かのご参考になるかは分かりませんが、
こんなデザイナーもいるのですよ、
という一例のお話でした。
最後に、もう1つだけ付け加えるなら、
「僕も絵が本当に苦手なので、
みなさんもデザイナーの道、
あきらめないでくださいね!」
ですね。
▼こちらの記事もよくお読みいただいています!▼
→台湾で就職した僕はどんな仕事をしている?海外在住8年目の職場事情。
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コメント
コメント一覧 (3件)
こんばんは。
デザイナーって感性だと思います。絵が上手いのではなく、一つ物を作り上げるための組み合わせというか、無の状態からかたちづくることができるのがデザイナーだと思います。
アパレルの仕事をしていた時にデザイナーと仕事をしていた時に絵が上手くなくてもデザイナーになれるんだなと思ったのを思い出しました笑。
デザイナーという仕事をされているのは尊敬します。
「一つ物を作り上げるための組み合わせ」、
まさにそんな感じですね!
「絵が上手なんでしょう?」と言われるたび、
どうお返事をしていいものか分からず、
何だか引け目を感じてしまうこともあるのですが、
もっと自信を持ってやっていきたいと思います 笑
こんばんは。自信もっていいと思います^^
頑張ってください。