台湾男子の宿命?「兵役中」の恋愛生活はどうなっちゃうの?

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台湾男子の青春といえばコレ。2人にとっての「試練の時」を僕は今こんな風に過ごしています。

こんにちは!兵役中の台湾人ボーイフレンドとプチ遠距離中のMae(@qianheshu)です。

昨年大学院を卒業した彼は、学校を出ると同時に「當兵」と呼ばれる台湾の兵役へと、タワシのような丸刈り頭で旅立って行きました。

お付き合いをしている相手と県境を2つも3つも隔てることになるのは、僕にとって初めての経験。

当初はちゃんと関係を維持できるのかどうか、不安でいっぱいでした。

しかし、気づけば、そんな生活も残りあと数ヶ月。

特別大きな問題が生じるということもなく、意外とあっという間だったなあと、振り返りながら感じているところです。

台湾男子とお付き合いすることをお考え中のみなさん、兵役中の2人の生活について想像してみたことはありますか?

今日は、台湾ならではの特殊な恋愛事情についてのお話です。

 

目次

台湾の兵役は何歳から?

台湾の高級ステーキチェーン「王品 Wang Steak」のバースデーケーキ

19歳の誕生日を迎えた台湾男子は「役男(役齡男子)」と呼ばれるようになります。

 

これは兵役へ行く適齢期を迎えた男子という意味で、

この頃から「兵役に来なさい!」というお知らせが、家に届くようになります。

 

大学に通っている場合は、その旨の申請を行うと学校卒業の年までは延長できますが、

卒業した時点で必ず兵役へと向かわなくてはいけません。

 

なので、台湾では仕事を探す際にも「兵役を終えていること」

条件に挙げる会社がほとんど(終えていないと途中で会社を離脱することになるため)。

 

日本では大学3年生ともなると卒業後の就職を視野に入れて活動を始めますが、

台湾ではそういう事情もあってなのか「新卒採用」という枠はなく、

企業も新卒社員の獲得に躍起になるということはあまりない印象です。

 

パスポートを手に持つ『にじいろ台湾』作者:Mae

また、役男になると出国をするにも申請が必要で、

パスポートと航空券がとれたからと言って、自由に海外へ行くことはできなくなります。

 

ボーイフレンドが兵役へ旅立つ前に一度、2人で香港へ行くことがあったのですが、

空港のチェックインカウンターで手続きをする段階になって、彼の書類に不備が発覚。

 

飛行機出発の2時間前になって、「搭乗不可」という状況に遭遇したことがあります。

 

その際はやむなく、僕だけ先に予定便に乗って香港へ向かうことに。

 

最悪一人旅行になるかもと覚悟はしていましたが、

幸い彼も再手続きを無事終えて、半日ほど遅れての到着。

 

旅行開始早々ヒヤヒヤしたのを、今でもよく覚えています。

 

これは一例ではありますが、19歳から兵役を終えるまで、

台湾男子は一定の制限がある生活を迫られることになるのです。

 

台湾の兵役期間ってどれくらい?

台湾の兵役には、いくつか種類があります。

 

兵役と聞くと、迷彩柄の服を着て泥だらけになりながら訓練するのかなと、

僕も最初は思っていましたが、必ずしもそうとは限らないみたいです。

 

僕のボーイフレンドの場合は、「替代役」と呼ばれるボランティア系の兵役。

 

市役所で業務のお手伝いをしたり、警察官や消防士のサポート役になったり、

中には青年海外協力隊のような海外派遣もあったりと、

替代役の中にもすごくたくさんのジャンルがあって、

それぞれの持つ資格や専門を生かして申請ができるようになっています。

 

彼はこの替代役の制度を利用して、1年間兵役に就くことになりました。

 

ただし、ここ数年の制度変更で民國83年(1994年)以降に生まれた台湾男子の場合は、

最長6ヶ月で良いことに。

 

今現在20代前半の台湾男子とお付き合いしているという方は、

兵役での遠距離不安が多少軽減されるかもしれません。

 

また、家庭や身体的な事情によって長期の兵役が難しい場合も、

この限りではないとされています。

 

兵役中は離ればなれになるの?

ボーイフレンドは今、台湾北部の街・新竹というところにある宿舎に住んでいます。

僕は台北に住んでいるので、県境を2つ越えた距離になりますね。

 

別々に住んではいつつも、電車やバスに乗れば1時間ほどでお互いに行き来できるので、

プチ遠距離といったところでしょうか。

 

僕たちの場合は、比較的簡単にたどり着ける距離のところに収まったので

まだ運の良い方ですが、もちろんもっと離れた場所に配属になることも。

 

台南や高雄など西部の都市であれば、台湾新幹線の費用さえ惜しまなければまだ良いとして、

列車で5時間以上かかる台東や公共交通機関のない山の中などに当たれば、

完全に離ればなれという可能性も充分にあり得ます。

 

なので、配属先が決まるまでは、彼も僕も落ち着かない毎日を過ごしておりました。

 

ちなみに、基地配属のスタイルで兵役に就く場合、台湾男子が一番恐れているのは「金馬獎」

 

もともとは台湾の由緒ある映画賞の名前なのですが、兵役で言われる場合は別の意味。

 

台湾で一番中国大陸と近い場所にある島・金門と馬祖の頭文字を取って、

この2つの地区の配属に当たったことを指します。

 

地理的にリスクが高いのはもちろん、飛行機に乗らないとたどり着けない距離的な意味でも、

カップルにとっては試練の賞となりそうです。

 

台湾男子の兵役中の生活って?

台北・遼寧街夜市の隣にある公園のバスケットコート

ボランティア系の兵役に就いているボーイフレンドではありますが、

最初の数週間だけはやはり基地に配属されて、本格的な訓練に参加したようです。

 

僕も実際に体験したことがないので、その内容がどのようなものなのかまでは

知ることができませんが、訓練が終わって初めて会った時には、

カラダつきが変わっていてビックリしました。

 

余分なお肉がすっかり削ぎ落とされていて、1ヶ月足らずなのにものすごいシェイプアップ効果。

 

それだけ朝から夜まで、過酷なトレーニングを強いられる

ということなのでしょう。

 

基本訓練期間の後は、新竹の小学校に配属になり、

校内業務のお手伝いや先生たちのサポートをしています。

 

元気いっぱいの子供たちに「替代役のお兄さん」として親しまれている彼は、

一緒にバドミントンをして遊んだり、花壇の水やりをしたり、

校内を自由にモフモフ駆け回るモルモットを追いかけたりしているらしいです 笑

 

もともと教育の現場に興味を持っていたこともあって、

インターンシップのような感覚で、充実した毎日を送っていると聞いています。

 

ただ、台湾の学校は朝の始まりが日本以上に早いので、

校内の宿舎に住んでいるにもかかわらず起床は毎日5:30。

 

子供たちをお見送りして17:00前くらいには業務が終わるのですが、

外出できる時間はきっちり決められているため、

会社員のように仕事終わりにふらっと街に出ることはできず、当然ベッドに入るのも早くなります。

 

おかげで、兵役に行く前とは比べものにならないほどの規則正しい生活を手にした彼。

 

僕の生活リズムとは3時間くらいギャップができてしまっているので、

休暇で帰ってきた時など、朝ごはんを一緒に食べるのが無理になりました 笑

 

電話はできる?

花蓮のLGBTフレンドリーゲストハウス「桂憩 Sweet Olive」の共用電話

彼の配属されている小学校の場合は、会社員とほぼ同じような感覚で

携帯電話も問題なく使えるので、連絡は頻繁に取れていますね。

 

「声が聞けなくて寂しいな…」とか「今日もLINE来なかったな…」とか、

兵役前に心配していた種々の心配とは無縁です。

 

ただ、基地での訓練期間中はそうはいかず、

携帯電話は基本的に使用できない状態に。

 

3日4日全く連絡が取れないことも、多々ありました。

 

自分の携帯が使えないので、たまに電話がかかってきた時も、着信元は公衆電話。

 

「ごめん、小銭が足りないから1分だけねっ!」

 

と、一言二言交わして終わりという電話がほとんどでした。

 

そんなセリフを耳にするたびに、台湾ドラマなどでよく見かける、

兵役中の男子が小銭を握りしめて公衆電話の前に行列する光景を想像してしまう僕。

 

「そこまでして電話してくれてるんだ!」と、若干のロマンチックを感じなくもありません 笑

 

しかし、替代役ではなく1年間みっちり基地に配属される場合は、

兵役の期間中ずっとこのような連絡の取り方になる可能性も。

 

愛し合うカップルにとっては、かなり過酷な時間になってしまうかもしれません。

 

どれくらいの頻度で会える?

 

2週間ぶり。#兵役中 #台湾男子 #ボーイフレンド #丸刈り

Kazuki Maeさん(@maekazuki)がシェアした投稿 –

 連絡すら満足に取れない状況が予想される中、2人で会うとなるともっと難しいのでは、

と思ってしまうのも事実。

 

どの兵役スタイルに就いているかにもよりますが、

基地配属の場合は週末も当番などで休めないことがあるらしく、

まとまった休みが取れた数ヶ月ぶりに里帰りということもあるのだろうと想像します。

 

また、週末休みの場合でも、2人の住んでいる場所が簡単に行き来できない距離だと、

さすがに休みのたびに会うというのは現実的でないかもしれません。

 

僕たちの場合は幸い、台北と新竹という、

バス・列車に乗れば1時間程度でたどり着ける場所ということもあり、

他の兵役カップルに比べるとかなり恵まれていると思います。

 

その上で、配属先は小学校ということもあり、

土日はしっかりお休み(日曜日は門限がありますが)。

 

北東部の街・宜蘭への里帰りや、学生時代の友達と会う予定などと合わせて、

ほぼ毎週末くらいの勢いで台北に戻ってきてくれています。

 

社会人カップルが週末にデートするのと全く変わらないくらいの頻度なので、

もはや兵役中ということを意識することがほとんどない程。

 

今後は替代役の採用比率もさらに増えるようなので、ジャンルにもよりますが、

お互いに会いやすい環境が整ってくることは間違いなさそうです。

 

まとめ

台灣同志遊行(台湾LGBTプライド)2016のパレードに参加する迷彩パンツのお兄さんたちとピカチュウ

今日は、台湾男子の宿命「兵役中」の恋愛生活についてでした。

 

現在リアルタイムで体験している身としては、当初考えていたよりは不安も少なく、

ボーイフレンドとは以前と何ら変わることなく良好な関係を維持できています。

 

兵役期間もこれからどんどん短くなっていきますし、

2人にとっての「試練の時」の厳しさも少しずつ和らいでいくはずです。

 

周りが男子ばかりなので、

ゲイカップルの場合は「浮気」という特有の心配もなくはないですが(!)、

ある程度の時間をかけて信頼関係がちゃんと築けているのであれば、

過度に気にする必要もないのかなと思っています。

 

台湾男子とお付き合いするご予定のある方は、パートナーと「兵役」中の関係について、

一度話しあってみるのも良いかもれませんね。

 

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