良質な温泉だけじゃない!台北・烏來(ウーライ)を日帰りでまったり過ごすなら、こんな楽しみ方はいかがですか?
こんにちは!台北に暮らし始めてから温泉がやけに恋しいMae(@qianheshu)です。
台北近郊には、北投、行義路、金山など、有名な温泉スポットがいくつかありますが、その中の一つとしてハズせないのが「烏來(ウーライ)」。
市内へと流れる淡水河の上流区域にあたる山間のこの街は、美肌効果のある良質な温泉が楽しめるとあって、現地の人の間でも人気を博するスポットとして知られています。
また、温泉以外にも、烏來で楽しみたいことはたくさん。
深い山々に囲まれた風光明媚な景観に、烏來ならではの美味しいグルメ、そしてちょっとシュール(?)なテーマパーク。
さらに、泰雅族(タイヤル族)の方たちが今も多く暮らす土地でもあることから、彼らの文化に触れられるのも烏來ならではの魅力の一つです。
そこで今日は、烏來温泉に来たら楽しんでおきたい6つのことをご紹介!
街の喧騒を離れて1日まったり過ごしたい時におすすめですので、台北へお越しの際には、ぜひ日帰りで足を運ばれてみてはいかがでしょうか?
1. 泰雅族(タイヤル族)の文化に触れる。
「烏來」という地名は、泰雅族(タイヤル族)という
この土地に古くから暮らす民族の言語に由来すると言われています。
タイヤル語で「熱い水に気をつけて!」と、
注意を促すために叫ばれていて言葉が、
このエリア一帯を表す名として定着したようです。
許多人及許多文本上都說「烏來」是泰雅語的「溫泉」,其實是有待商榷的。
一般說是早年烏來尚未開發時,原是一片叢林地帶,
也是野生動物出沒的獵場,
有一天一群泰雅獵人狩獵到此,看到南勢溪岸邊的溪水冒著水霧,
乃伸手去探試,發覺水很燙,於是大叫「Kiluh-ulay!」,
「Kiluh」是熱、燙的意思,「ulay」讀音為「烏來」,
據說是含小心的警語,後來進入的漢人就解讀為溫泉了。
出典:臺灣原住民族 資訊資源網
「烏來」の語源はタイヤル語の「温泉」にあたると、
多くの人々や文献の間で言われていますが、
実はこの説にはまだまだ討論の余地があります。
烏來がまだ開発されていなかった頃、もともとは深い樹々に覆われ、
野生動物が出没する狩場でもあったこの一帯。
ある日、タイヤル族の狩人が、南勢溪(烏來を流れる川)のほとりで、
川の水が蒸気を上げているのを発見しました。
手を伸ばしてみたところ、その水がとても熱いことに気づき、
「Kiluh-ulay!」と大声で叫びます。
「Kiluh」は熱いの意味で、この言葉の「ulay」の発音が
「烏來」という地名の由来となっています。
注意を促す警告の意味があったこの言葉が、
後に漢人によって「温泉」の意に読み替えられたのです。
訳:Kazuki Mae
この語源からも分かるように、烏來は彼らの文化が深く息づいている土地。
街を少し歩いてみただけでも、
その特徴を至るところから感じとれるのではないかと思います。
道路脇のコンクリートに伝統模様のタイルが埋め込まれていたり、
歩道脇の柵に伝統衣装に身を包んだ彼らの姿が刻まれていたり。
矛を手にした「勇者の像」にも、街の様々なところで出会うことができます。
烏來のバス停から歩いてすぐのところに伸びる「烏來老街」内には、
タイヤル族の文化や歴史を伝える博物館もあるので、
理解を深めたい方は立ち寄られてみるのもおすすめです。
おみやげもの屋さんをのぞいてみると、
伝統の織物を使ったバッグや小物などもたくさん並んでいます。
台北市内ではなかなか出会えない、
烏來ならではのアイテムを記念に購入されてみるのも良いかもしれませんね。
2. 烏來ならではのグルメを堪能する。
「烏來老街」を歩いてみると、四方八方から漂ってくる、おいしそうな香り。
烏來エリアでは、ここより先、食事のできる場所がグッと少なくなるので、
到着したら、まずは老街で腹ごしらえをしておきましょう。
こちらでいただけるお料理は、
台北市内でよく見かけるものとは少し趣が異なります。
手付かずの自然が残る山々で採れた山菜や、ぼたん肉(イノシシ肉)、
水質に恵まれた渓流で採れた川の恵みたち。
どれも烏來ならではの食材を生かしたものばかりなので、
気になるグルメを見つけたらぜひ、存分に堪能されてみてください。
竹筒にお米を詰めて炊きあげた「竹筒飯」は、
烏來に来たらぜひ食べておきたい名物中の名物。
香りが芯まで染みわたった粘りのあるお米は、
竹の薄皮で包まれていて、パリッもちっとした食感がポイントです。
山菜は、どのお店にも種類豊富に揃っていて、
名前を見ただけでは、台湾の人でも分からないことが多いほど。
店頭に名前付きで並べられていることもあるので、
気になったものを指差しでオーダーしてみるのも手ですね。
僕も正直、何がどんな山菜なのかよく分からなかったので、
字面的においしそうな「山茼蒿」をオーダーしてみました。
市街では沸騰したお湯に浸して湯通しする「燙」が一般的ですが、
烏來ではニンニクと一緒にサッと炒める「炒」が主流。
口に運んでみると、菊の花のような、ちょっとクセのある独特の香り。
おそらく「春菊」の仲間かな? 竹筒飯のおともにピッタリでした。
おやつには、ぼたん肉を詰めたソーセージ「山豬肉香腸」をぜひ。
僕が立ち寄ったお店では、山椒や胡椒、レモングラスなど、
香草をお肉の中に混ぜ込んで、バリエーションに富んだメニューとなっていました。
パリッと弾けるような食感の外皮の中には、
ほんのり甘みのある、焼きたてほくほくのジューシーなお肉。
馬告(山椒)入りソースのピリッとした風味が、
アクセントに効いていました。
胃袋容量がもう少しほしいところでしたが、
小米(あわ)を使ったお餅やアイスクリーム、川海老の揚げ物など、
まだまだ気になるグルメがたくさん。
烏來ではお食事でも、ユニークな体験ができること間違いなしです。
3. ちょっぴりスリリングなトロッコ列車に乗る。
烏來で温泉と並んで有名なアトラクション(?)と言えば、トロッコ列車。
烏來老街~烏來瀑布を5分ほどで行き来できる足としてはもちろんのこと、
普通の列車とは一味違ったちょっぴりスリリングな乗車体験も楽しめるので、
烏來散策中1度は試されてみてください。
乗車賃は50元(=約180円)。
烏來瀑布(台湾北部最大級の落差を誇る滝)の駅から乗る場合は、
切符売り場と列車乗り場が少し離れているので、
先に切符を購入してから乗り場に並ぶようにしましょう。
列車とは言っても、
遊園地を走る子供用列車のように小さくて、かわいらしいルックス。
ですがこの子、乗ってみると意外と速度が出る上、
ガタガタとくる揺れと、カクンと曲がるカーブにヒヤッとします。
扉や窓ガラスがはまっていないオープンスタイルなので、
ビュンビュン風を受けながら走るのが、暑い日には心地よいです。
が、間近に民家やコンクリの斜面が迫っているので、
手や頭を車外に出すのは控えましょう。
4. 渓谷に広がる自然に触れながらお散歩する。
トロッコに乗って、ビューッと一気に移動するのも良いですが、
烏來老街~烏來瀑布までの往復のうち、1回はぜひ徒歩で。
2つのスポットを一本道で結ぶ「情人步道」を歩きながら、
渓谷に広がる美しい景観を間近に観察してみましょう。
とは言っても、この道のりの間に「コレが見どころ!」というものは、
特にありません 笑
ただただ山道が続くだけなのですが、
台北の街中では味わえない自然満ち溢れる環境は、リラックス効果抜群です。
谷に流れる南勢溪を眺めてみれば、
「かなり上流に来たのだな」ということを実感していただけるはず。
一縷の濁りもない清らかで、時に険しいその様子には、
人の力の及ばない自然の偉大さをも感じとることができます。
先ほどのトロッコ列車は、情人步道に沿うように伸びる線路上を運行。
柵は張り巡らされていないので、
散策の際はうっかり線路上に入ってしまわないよう、ご注意を。
烏來瀑布の近くまで来たら、おみやげもの屋さんや、
川の流れを眺めながらお茶ができるお店もあります。
落差80mの迫力ある滝を目の前に眺めながら、しばし足を休めるその時間も、
烏來旅行らしい貴重な思い出になるのではないかと思います。
5. シュールなテーマパークで南国の密林に迷い込む。
烏來瀑布に到着して、まだまだ時間に余裕があるようでしたら、
ここからもう一歩奥地へ。
滝の前に広がる集落から階段を登っていくと、
谷の反対側へと伸びるロープウェーが見えてくるかと思います。
このロープウェーの先は「雲仙樂園」というテーマパーク。
「台湾まで来てテーマパークかぁ…」と感じられる方もおられるかもしれませんが、
騙されたと思って足を運んでみてください。
僕も最初はそう思っていたのですが、これが予想外に楽しめます 笑
テーマパーク入場料込みのロープウェーチケットは、220元(=約800円)。
カウンター横の改札にいるスタッフさんにチケットを提示したら、
乗り場へと向かいましょう。
ロープウェーに乗っている時間は3分ほどと短いですが、
先ほどいた集落や下から眺めていた滝を、空から眺める景色は迫力満点です。
谷の反対側に到着したら、雲仙樂園への道案内が出ているので、
矢印に従って階段を登っていきましょう。
「神乎奇境(神も認める秘境)」らしいですよ。
思わず故郷のこんぴらさんを思い出す長い階段を登り終えると、
何やら古びた鳥居のような門が。
「雲仙樂園」と書かれるということは、どうやら入口に到着したようです。
確かにある意味、神々しくはあるかも?
門をくぐるとお出迎えしてくれるのは、経年劣化の激しいタイヤル族男性の像。
到着して早々のコレは、結構ビビる 笑
子供時代に来てたら、絶対トラウマになるレベルだよ…
園内を歩いていると、ちょいちょい顔を覗かせる、微妙な完成度の動物や人物たち。
樹々に日の光が遮られるほど鬱蒼と生い茂った森林と相まって、
すこぶるシュールな雰囲気に満ち満ちています。
時たま、ホンモノの子たちもいるみたいです。
基本的には森林公園と言った面持ちですが、
ゴーカートやアーチェリーが楽しめるあたりは、一応テーマパーク。
ブラックスワンが華麗に舞う池のほとりには、
軽いお食事ができるスポットもありました。
シュールすぎて悩殺されそうな園内ではありますが、
ここに広がる自然はなかなかにダイナミック。
日本ではあまり見たことのない植物が高密度に育っていて、
まさに「南国の密林」という言葉がふさわしい、
エキゾチックな風景が広がります。
ここまで来ると、上流も上流ということで、水の透明度も驚異的。
水遊びも楽しめるようで、僕が足を運んだ時には、
タイヤル族の伝統衣装に身を包んだ女子たちが、はしゃいでおられました。
(たぶん、MVの撮影か何か。)
シュールさといい、この上なく澄みきった環境といい、
個人的にはかなりお気に入りのスポットです。
6. ライトブルーの水流を眺めながら温泉を楽しむ。
そして、お待たせしました。
烏來のハイライトは何と言っても、美肌効果抜群と言われる「温泉」!
烏來で温泉に入る時、チェックしておきたいポイントは
「川を眺めながら入れるかどうか」かと思います。
ライトブルーに輝く流れと、深い緑に覆われた山々を、
温泉に浸かりながら眺める時間は、烏來ならではの格別の贅沢。
温泉を楽しまれるならぜひ、眺めの良さそうなスポットを選ばれてみてください。
おすすめなのは、老街から瀑布に向かって少し歩いたところにある
「溫泉路」沿いの湯屋か、
烏來からバス停を2つ戻って「堰堤」というバス停周辺に並ぶ温泉宿。
溫泉路沿いでは、リーズナブルに温泉が楽しめる「湯屋」が利用でき、
1人あたり200元(=約720円)足らずで、眺望を楽しめる個室温泉が揃っています。
ただし、「1人あたり」と書いたのは、
このあたりの温泉は基本的に「2人以上」での利用が条件になっているため。
一人旅の場合は、残念ながら利用できないところがほとんどになってしまいます。
しかし、ご心配なく!
1人でも入れる大浴場をお探しなら、バス停「堰堤」周辺へ向かいましょう。
こちらには、日帰り入浴のできる温泉宿がいくつか並んでおり、
ホテル内の大浴場を宿泊客以外でも利用することが可能です。
僕が、今回烏來へ足を運んだ時に立ち寄ったのは
「Volando Urai Spring Spa & Resort 馥蘭朵烏來渡假酒店」。
以前、台湾観光局のCMで撮影場所として使われたのを観て以来、
すごく気になっていたので、ようやく来られてワクワクです。
日帰り入浴は、850元(=約3,100円)。
このあたりの温泉宿は、烏來の中でも特に高級なカテゴリーに入るので、
入湯料も高めではあります。
チェックインカウンターで料金を払ってロッカーの鍵を受け取ったら、
階段を降りて下の階にある大浴場へ。
一面ガラス張りになった休憩スペースは、
目の前にライトブルーの川を一望できる仕様になっていました。
浴場内はホームページをご参考いただければと思いますが、
ジャグジーあり、ジェットバスあり、ドライ&ミスト2種類のサウナありと、
設備は超充実。
中でも、露天風呂のデザインがとても素晴らしく、
浴槽のすぐ目の前が川という絶好のロケーション!
目隠しに植えられたソテツの木、ひらひらと舞う蝶、
あたりに響き渡る虫の音色…
ついつい見とれてしまう絵画的な美しさは、
ぼーっと眺めながら何時間でも過ごしていられそうな魅力があります。
入湯料は確かにお安くはありませんが、
それだけの価値は充分に感じられる、贅沢なひとときを過ごすことができました。
烏來観光の最後はぜひ、ゆっくりとカラダを休めて、
疲れをとった上で締めくくりましょう。
烏來温泉への行き方。
台北市内から烏來へ行くには、いくつか方法があるのですが、
ここでは僕がいつも利用する方法をご紹介しておきたいと思います。
まず、MRT松山新店線の新店行きに乗って、終点の「新店」駅で下車。
駅の改札を出て右手方向に小さなバス停があるので、
ここから烏來行きのバスに乗り換えます。
「849」と番号の書かれた路線が、烏來行き。
15分に1本ほどの頻度で運行しているので、
待ち時間に関しては、それほど気にかける必要はないかと思います。
ちなみに、「849」は台北駅も通りますので、
台北駅から乗車して直行で烏來を目指すのも、もちろんOKです。
新店から烏來までは、およそ30分ほど。
ですが、烏來は淡水河上流地域の山奥にありますので、
バスが走るのは、うねうねと曲がりくねる山道ばかり…
車酔いしやすい僕は、このバス車内での時間がなかなかに苦行…
同様に乗り物酔いしやすい方は、酔い止めなど持参しておきましょう。
烏來に到着したら、観光の前に帰りのバス発車時間をチェックしておくのが安全。
帰りは平日でもかなり利用客が多くなりがちですので、
時間に余裕を持って戻って来るようにしましょう。
(帰りの酔い止めもお忘れなく!)
まとめ
今日は、台北・烏來温泉に来たら楽しみたい6つのこと
についてまとめてみました。
台北の一番有名な温泉街・北投温泉に比べると、
確かにアクセスしにくいのが難点ではあります。
しかし、山間の渓谷に広がる美しい自然に親しみながら、
比較的リーズナブルに温泉を楽しめるのは、
烏來まで足を運ぶ大きなメリットかと思います。
また、タイヤル族の文化やグルメ、
トロッコ列車体験なども見逃せないポイントですので、
温泉と合わせてぜひ試されてみてください。
そして、お時間があれば、シュールなテーマパークへも向かわれることを、
最後にワンプッシュしておきます 笑
※記事中の日本円表記は1元=3.6円で計算しています。(2018年10月現在)
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