スポンサーリンク


台湾で同性婚法案が正式発表!でもこのままだと、僕と台湾人彼氏は結婚できない。


高雄同志大遊行(高雄プライド)2018会場でいただいたレインボーフラッグ

台湾が同性婚合法化に向けてまた大きな一歩!法案が可決されれば、できるようになること、できないことを調べてみました。

こんにちは。台北で台湾人ボーイフレンドと暮らして6年になります日本男子Mae(@qianheshu)です。

すでに日本でもニュースになっているので、ご存知の方もおられるかもしれませんが、先日2月21日に台湾で同性婚に関する具体的な法案が提出されました。

順調に進めば、今年5月24日までに台湾で同性婚が実現することになります。

台湾で暮らす当事者の一人として、この明るいニュースに、ようやく希望の光が見えてきたことに、感慨深く感じているところです。

しかしその一方で、これからまだしっかり注視していかなくてはいけない部分があるのも事実。

今回の法案で完全に「婚姻平權(婚姻平等の権利)」が実現するのかというと、そうとは言いきれない現状も見えてきています。

特にそのうちの一つは、僕と台湾人ボーイフレンドの将来とも密接に関わってくることに。

このままでは、もしかすると同性カップルの中でも「結婚できるカップル」「結婚できないカップル」が生まれてしまうかもしれないのです。

一体、それはどのような問題なのか?

今日は、台湾で提出された同性婚法案と、その発表を受けて僕が現地で感じていることについて、まとめてみたいと思います。

 

スポンサーリンク


同性婚法案が正式に閣議決定。が、審議はこれから。

台湾のLGBT音楽イベント『為愛返家音樂會』の会場でマルを掲げる参加者たち

台湾では、2017年5月24日に

「同性カップルに婚姻の権利を認めない現行の法制度は違憲状態である」

との判決が、司法院よりくだされました。

 

その後、判決から2年以内、

つまり今年2019年5月24日までの「婚姻平權(婚姻平等の権利)」実現に向けて、

討論が進められて来ました。

 

また、「どのようなカタチで実現するか?」を争点に、

昨年2018年11月24日に行われた国民投票。

 

台湾の人々が導き出した答えは、

「同性カップルの婚姻は、異性カップルの婚姻とは別の法律によって認めるべき」

というものでした。

 

この結果を受けて、先日2019年2月21日に発表されたのが、

現在注目を集めている同性婚合法化に向けた法案

『司法院釋字第748號解釋施行法』です。

 

花東彩虹嘉年華(台湾東部LGBTプライド / 台東場)で配布されたレインボーフラッグ

法案が発表されたことを受けて、一部日本のメディアでは

「台湾が同性婚可能国となった!おめでとう!」

と言った内容の報道が見られますが、

正確に言えば、まだ「実現」されたわけではありません。

 

法案の具体的な内容が閣議決定され、提出されただけで、

正式な審議は、まさにこれから始まろうかという段階です。

 

ようやく目に見えるカタチで法案が出てきた、

それ自体は確かにおめでたい事ではありますが、

むしろ、ここからが本番。

 

提出された法案をもとに行われる立法院での審議では、

修正や補充要項など、まだ内容が変化する可能性も大きくあります。

 

5月24日までに結論が出される予定ではありますが、

法案で書かれたそのままで可決されるのか、あるいは変更点が発生するのか、

その動向に注目が集まっています。

 

『司法院釋字第748號解釋施行法』法案の内容は?

台中同志遊行(台中LGBTプライド)2018のパレードを眺めるレインボーフラッグを纏った参加者

今回提出された法案の名称は、

『司法院釋字第748號解釋施行法』と言います。

 

この法案の名称を巡っても、発表前には

同性婚支持派、不支持派から意見が飛び交い、

「婚姻」という文字を入れるべき、いや「共同生活」に留めるべき、

と言った討論が、巻き起こっていました。

 

この双方の衝突を避けるため、

最終的には司法院で出された判決の名称に基づいて

『司法院釋字第748號解釋施行法』に決まった、という経緯があります。

 

2018年台湾のLGBTプライド「宜蘭驕傲大遊行(宜蘭プライド)」パレードで手を繋ぐ同性カップル

名称だけ見ると、一体何の法律なのか分からないかもしれませんが、

実質的には同性カップルに「婚姻」の権利を認める内容となっています。

 

税金控除や扶養義務、また逆に、

残念ながら2人の婚姻関係を終わらせる際の取り決めなどについても、

異性カップルの婚姻と同様の規定が適用される見込みです。

 

パートナーにもしものことが起こった際、

手術同意書へのサインができなかったり、

パートナーの遺したものを受け継ぐことができなかったり。

 

これまで、婚姻関係になれないが故に起こっていた問題も、

この法案が可決されれば一挙に解決されることになります。

 

関連記事

→【【同婚專法出爐】行政院會通過《748施行法》草案!完整27條文一次看|鏡週刊 mirror media】

→【《釋字748施行法》懶人包|社團法人台灣伴侶權益推動聯盟】

→【政院版草案若過關 同婚繳稅可準用配偶合併申報|聯合新聞網】

 

異性、同性の婚姻に依然として存在する差。「血縁関係のない養子」は認められない。

2018年台湾のLGBTプライド「宜蘭驕傲大遊行(宜蘭プライド)」パレードに参加する男の子

現状の法案は、

確かに同性カップルに「婚姻」の権利を認めるものには、

間違いありません。

 

この法案が立法院での審議の上、無事可決されれば、

台湾はアジアで初めて同性婚を実現した国となります。

 

ただし、現在提出されている法案も、

異性カップルと同等の権利を完全に保障するものとは、

残念ながらまだなっていません。

 

そのうちの一つが、養子について。

 

同性カップルの婚姻の場合、

「2人のうち、いずれかと血縁関係のある子供」に限り、

「両親」として子供を迎え入れることが可能です。

 

これまでは、2人で育てていても、

血縁関係にないパートナーは法律上「赤の他人」となっていましたが、

今回の法案が可決されれば、その問題は解決されそうです。

 

台灣同志遊行(台湾LGBTプライド)2018でバッジを身につけた参加者

しかし、「両親」として「血縁関係にない子供」を

養子に迎え入れることはできません。

 

どちらか一方が「片親」として養子を迎え入れてから結婚した場合も、

もう一方のパートナーとはこれまでと同様、

法律上の関係が認められない可能性があります。

 

では、「両親」として子供を迎え入れるには、どうすれば良いのか。

 

男性同士のカップルの場合で考えてみると、

二人とも男性ですので、自ら子供を産むことはできません。

 

しかし、両親として子供を迎え入れるには「血縁関係が必要」。

 

ということは、必然的に「代理母出産」をお願いして、

どちらかの遺伝子を受け継いだ子供を産んでもらう必要があります。

 

ところが、台湾ではまだ、代理母出産を法律で認めていない。

 

すでに制度のある海外の国で代理母になってくれる方を探すか、

法律が改正されるのを待つしか方法がない、ということになります。

 

ただそもそも、

「なぜ同性カップルには、血縁関係にない子供の両親として、

養子を迎える権利が認められないのか?」

 

この点については、今後立法院で、

あるいは今回の法案が可決された後の修正案として、

討論が成されることになりそうです。

 

今回の法案が可決されても、僕と台湾人彼氏が結婚できない理由。

高雄同志大遊行(高雄プライド)2018パレードを手を繋いで歩くカップル

そして、異性カップルの婚姻と異なる点がもう一つ。

 

これは、養子以前に、僕たちカップルを含めた

「国際同性カップル」が向き合わなくてはいけない大きな問題です。

 

実は、現在提出されている法案が仮にそのまま通ったとしても、

国際同性カップルは依然として結婚ができません。

 

正確に言えば、国際同性カップルの場合には

「外国人パートナー側の国でも同性婚が認められている」ことが必要になります。

 

関連報道→【政院同婚草案拒跨國婚 台英爺孫戀主角說話了】

 

台中同志遊行(台中LGBTプライド)2018パレードを先導する巨大レインボーフラッグを下から

台湾の法律では、国際結婚に関して、

民法とは別の、もう一つの法律も関わってくることに。

 

『涉外民事法律適用法』というのですが、

ここに2人の国籍が違う場合は、それぞれ「出身国の婚姻制度に基づく」

という規定が定められています。

 

オランダやアメリカ、オーストラリアなど

26ヶ国(2019年2月現在)出身のパートナーであれば、

台湾でも婚姻が認められます。

 

しかし、日本はどうでしょうか?

 

日本では先日、

2019年2月14日のバレンタインデーに、同性婚を求める訴訟が起こり、

これから討論が始まっていきます。

 

が、現在のところ、まだ同性婚は認められていません。

 

つまりこのままだと、日本人の僕と台湾人のボーイフレンドは、

同性婚が合法化される5月24日を迎えても依然として、

台湾で結婚することができないのです。

 

高雄同志大遊行(高雄プライド)2018会場でいただいたレインボーフラッグ

現在提出されている法案では、残念ながら、

まだ170カ国近くの国出身の外国人パートナーを迎える場合の想定までは、

含まれていませんでした。

 

この国際同性カップルの問題を解消するために、

引き続き討論を行っていくという発表はされているものの、

いつどのタイミングで実現するかは、今のところ不明。

 

同性婚が実現さえすれば、

僕の周りにもたくさんおられる日台ご夫婦のようになれると信じていたので、

かなりショックなニュースでした。

 

僕が台湾のメディア等を調べていて感じた、

異性カップルの婚姻と大きく異なる部分は、

ここまでに書かせていただいた2点かと思います。

 

ただ、他にもいくつか異なる点があるので、

気になる方は以下の関連記事もチェックされてみてください。

 

関連記事→【第二條關係」:《司法院釋字第748號解釋施行法》草案有哪些問題?|The News Lens 關鍵評論】

 

法案は出た。けれど「真の平等」への道はまだまだ続く。

 

「從無到有,我們已經看到了光。」

(まずは「無」から「有」へ。私たちにはもう光が見えている。)

 

今回の法案をまとめ上げた行政院長・蘇貞昌氏の言葉です。

 

そのとおりだと、僕も思います。

 

「有」になれば、そこから少しずつ改良を加えて平等を目指すのも、

「無」から一挙に築き上げるよりは、ハードルが一気に下がります。

 

台湾のLGBTコミュニティからは、国民投票の結果生じた難しい局面や、

同性婚反対派の意見にめげず、よくぞここまでの法案を作り上げてくれたと、

称賛の声も上がっています。

 

高雄同志大遊行(高雄プライド)2018会場で掲げられたにじいろのカード

僕も当然、台湾という国が大きな一歩を踏み出したことを、

とても嬉しい出来事だと感じています。

 

僕たちカップルは、「5月24日に婚姻届を出しに行こう!」

と意気込んでいたわけではなく、

そのタイミングは二人のペースで決めていければと、今も考えています。

 

しかしそれでも、

今回もまた「選択する権利すら与えられないかもしれない」という状況に、

悔しさを感じてしまったのは事実です。

 

僕自身、自分がこの国では外国人であって、

台湾の人々が導き出した決定に意見を言う権利がないことも重々承知しています。

 

でも、僕のボーイフレンドは、彼らと同じ台湾人です。

 

僕がもし、同性婚制度のある国の出身だったなら…

 

彼も、周りの台湾の友人たちと同じように、

この出来事をもっと心から喜ぶことができたのではないかと、

考えずにはいられませんでした。

 

台灣同志遊行(台湾LGBTプライド)2018パレードでレインボーフラッグを掲げる参加者

しかし、良い方向に考えれば、正式な法案の審議はこれからです。

 

「国際カップルの婚姻の権利が、現状の法案では保障されていない」ことは、

すでに討論の場にも持ち出されています。

 

法案がより平等なものとなることを期待しながら、

これから台湾で起こることを、しっかり注視していきたいと思います。

 

まとめ

台灣同志遊行(台湾LGBTプライド)2018で配布されたレインボーフラッグ

今日は、台湾で正式発表された同性婚法案についてと、

僕が今感じていることについて、シェアさせていただきました。

 

まだ正式に法案が可決されたわけではありませんが、

この発表を受けて、台湾のLGBTコミュニティは、

ようやく夢見た生活が実現する期待感に包まれています。

 

ここ1年ほどは、国民投票に代表される衝撃的な出来事が少なくなかった分、

喜びもひとしおかと、想像します。

 

僕たちと同じ国際同性カップルのみなさんにとっては、

まだ落ち着かない日々がもうしばらく続きそうですが、

きっとさらに良い結論に達してくれると信じて、

動向を見守っていきましょう。

 

この出来事をきっかけに、

僕の母国・日本でもさらに活発な討論が行われることを、

心から願っています。

 

▼こちらの記事もよくお読みいただいています!▼

→「同性婚はゴールじゃない。」まもなく合法化実現の台湾で当事者の僕が感じていること。

→ゲイである僕が声を大にして伝えたい4つのこと。「自分の周りにいない」はただの思い込みです。

→LGBTの日常や悩みがよく分かる5冊の本。ゲイである僕の目線からおすすめの作品を選んでみました。

→同性に恋する自分を悩んでいるあなたに伝えたい3つの言葉。

→「ストレートの私にできることは?」と問われて考えた、同性に恋する僕がお願いしたい4つのこと。

 


SNSでも更新情報お届け中。



コメント

  1. murakici より:

    後續我們只要不放棄,就可讓社會慢漫接受,一定會爭取民法上的真正的平權
    台湾を応援しつつ、日本でも前進しなきゃですね!

    1. kazukimae より:

      そうですね、日本でもどんどん討論が進んでくれるといいですね。

  2. Mok より:

    私の彼氏も外国人です、一緒に頑張って。

    1. kazukimae より:

      そうなんですね。
      これからもたくさん色々なことが起こるかもしれませんが、
      一つずつ乗り越えていきたいですね!がんばりましょう!

  3. HAN より:

    台湾人(中華民国国民)になれば、どう?

    1. kazukimae より:

      そうですね、このまま討論が進まないということになれば、
      その可能性を検討しておく必要も、確かにあるかもしれません。
      将来のためにも、これから調べてみます。

コメントを残す

*