「世界が平和でありますように。」キレイごとでもなんでもない、台湾に住む僕たちにとっての切実な願い。


飛行機から眺める台湾東海岸の海

日本人×台湾人の国際同性カップルである僕たちが今、台湾で暮らしながら不安を感じていること。もしもいつか、本当に危機がやって来たら、みなさんならどうやって乗り越えようと思いますか?

こんにちは。台湾でボーイフレンドと暮らして9年目のMae(@qianheshu)です。

タイトルからもご想像いただけるかもしれませんが、今回の内容は、できることなら考えることすらしたくないことです。

申し訳ありません。ちょっと、弱音も吐いてしまうかもしれません。

最近日本でも、台湾の国際的な立ち位置に関する話題が、よく上っていることかと思います。

それを受けてか、僕のまわりでも「危なくなりそうなら、(日本へ)帰っておいで。」「もしもの時のことも考えて、準備をしておいた方がいいかも。」と言った言葉が、よく聞かれるようになりました。

台湾で暮らし始めて、台湾の置かれている状況を知っていくにつれて、僕もこのことについては、これまで何度も考えてきました。

あってはならないことですが、もしも本当に危機が訪れてしまったら、僕と台湾人ボーイフレンドの生活は、どうなってしまうのか。

その時、僕は一体どういう決断をすべきなのか。

今も答えが出せないまま、堂々巡りを続けてしまっています。

 


日台同性カップルが、日台間で置かれている現況。

台中同志遊行(台中LGBTプライド)2020のパレードで掲げられた国際同性カップルの婚姻に関するプラカード

まず最初に、

僕たちは日台同性カップルですので、

関連する事情について

触れておきたいと思います。

 

すでにご存知の方も

多いかと思いますが、

 

台湾では、同性カップルにも

婚姻の権利が認められ、

まもなく2周年を迎えようと

しています。

 

しかし、パートナーの一方が

外国人である国際同性カップルの多くには、

依然としてその権利が

認められていません

 

厳密には、

外国人側パートナーの母国に

同性婚制度がない場合、

台湾での婚姻も認められない
のです。

 

そのような現状ではありますが、

希望の光も見え始めています。

 

今年に入って、司法院より、

国際同性カップルの婚姻を認めるための法案

が提出され、現在行政院での検討段階に。

 

立法院での法案審議が

どのタイミングで行われるのかは

未定ですが、

 

実現に向けて、少しずつ

前に進んでいます。

 

つい先日、日本でも

同性カップルの婚姻に関する

裁判の結果が発表され、

 

札幌地裁にて

「憲法に違反している」

との判決が出ましたね。

 

他都市においても、

現在同様の裁判が行われており、

 

今後の結果によって、

日本においても同性婚実現に向けた討論が、

大きく進んでいくことに

なるかもしれません。

 

関連記事→【「結婚が認められないことは、命に関わることなのです」同性婚を認めないのは違憲─その判決の“背中を押したもの”|COURRIER JAPON】

日本人×外国人の同性カップルには、日本での滞在資格が認められない?!

東京・浅草の街並み

しかしながら、数日前、

ある気になるニュースを見ました。

 

海外にて同性婚をしている

外国人同士のカップルには、

「特定活動」の名目で

在留資格がもらえる場合がある。

 

しかし、

日本人と外国人の同性カップルの場合は、

外国人パートナーにこの資格が認められない


という内容でした。

 

関連報道→【同性婚の外国人、在留資格93件 相手日本人のケースは不許可|YAHOO! JAPAN ニュース】

 

この現在の制度についても

思うところはたくさんありますが、

今回はひとまず先にお話を進めます。

 

つまり、もし仮に、

台湾で先に国際同性カップルの婚姻が

無事認められ、結婚をしたとしても、

 

台湾人パートナーには、

日本の配偶者ビザも

「特定活動」資格も出ない
ということ。

 

いざというときに、

2人で日本へ移ろうと思っても、

確実にビザの問題が

つきまとうことになります。

 

もちろん、

日本でも同性婚が認められれば、

問題は一気に解決するのでしょうが、

 

もし実現に時間がかかって

しまったら…

 

僕も台湾で外国人として暮らす中で、

ビザの問題には何度も

不安にさせられてきたので、

 

どうしても暗い気持ちに

なってしまいます。

もしも、難民として日本に逃れたら、待っているのは…

日本のパスポート

もう1つ、気になる話題があります。

 

これも、絶対に

考えたくないことではあるのですが、

 

もしも危機によって、

台湾人パートナーが難民として

日本に逃れようとしたら、

どうなるのか。

 

この点も、僕は正直、

絶望しか感じられません。

 

関連記事→【日本の難民・移民|アムネスティ日本】

 

関連記事に示されている

データ(2019年)から

計算してみると、

 

日本の難民認定率は、

わずか0.4%

 

また、最近話題になっているかと

思いますが、

 

難民認定が出なかったり、

どうしても母国へと帰れない

事情があったりして、

 

動けなくなってしまった

外国人のみなさんは、

施設へと収容されることに。

 

この施設での待遇をニュースで知り、

 

「僕の母国でこんなことが

起こっているなんて…」

 

と、非常にショックを受けました。

 

僕にとっては、

危機の可能性が回避されない以上、

全くもって他人事でないので、

なおさらです。

 

今後、状況が改善されていくことを

願うばかりですが、

 

自分の大切なパートナーには絶対に、

現状の施設のような環境に

身を置いてほしくありません。


危機から逃れるために、のこされた道は?

東京・丸の内オフィス街の夜

配偶者ビザや、在留資格が

もらえる見込みがない中で、

 

もしも、台湾人パートナーと共に

日本へ移るとしたら。

 

最も可能性がある方法は、

僕が台湾で実践してきたのと同じく、

 

「就労ビザ」を出してもらえる

就職先を探すこと


になるのかもしれません。

 

または、充分な資金があれば、

「起業ビザ」
という方法も

あるかもしれません。

 

あるいは、

日本人パートナーが、

外国人パートナーに、

サラッと日本のビザを手配できるくらい、

 

稼げる社長や個人事業主になることを

目指すのが良いのだろうか…

 

いずれの方法にせよ、

ビザが確実に下りるという保証は、

どこにもありません。

 

何らかの事情で働けなくなったり、

起業がうまく運ばなかったりしたら、

ビザが打ち切りになる可能性

だってあります。

 

台湾で結婚をしている

パートナーであっても、

 

「労働力」や「お金」を

引き換えにするしか

方法がないなんて…

 

もしも、ビザが下りなかったら、

命に関わる危機の中へと、

容赦なく送り返されることに

なるのだろうか…

 

それならいっそのこと、

台湾での婚姻関係を認めてくれる

第三国へ移る方がいいのだろうか。

 

しかし、自分の母国以外に、

逃れられるようなあてが

あるだろうか。

 

「いざとなったら、

2人で一緒に日本へ来ればいい。」

 

それは、あまりに不確実で、

 

時間・資金・労力が多大にかかる

まわり道が必要になって、

 

試練だらけで、

果てしなく遠く感じられて…

 

正直に言って、今は確かな希望を、

ほとんど見出せずにいます。

「そもそも、どこにも逃れられないんじゃないか?」

飛行機から眺める台湾東海岸の海

台湾人ボーイフレンドとも、

危機に関する話を

したことがあります。

 

「もしも、

招集が課せられることになったら、

そもそもどこにも

逃れられないんじゃないか?」

 

彼のその一言が、

グサリと刺さりました。

 

ご存知の方も多いかと思いますが、

台湾には兵役がありました。

 

現在は、志願制へと

移行してはいるのですが、

 

それでも4ヶ月間の訓練には

参加が義務付けられています。

 

もしも本当に、

危機が訪れるようなことがあれば、

一般市民にも招集がかかる可能性が

ある
のです。

 

では、招集がかかる前から、

海外に住んでいる場合はどうなのか。

 

それゆえに応じられなかったら、

どうなるのか。

 

それに対する彼の答えは、

 

「そこまでは、

そうなってみないと分からない…」

 

でした。

 

これは、同性カップルに関わらず、

台湾人のパートナーや恋人を持つ、

全てのカップルに関係する問題です。

 

自分の大切な人が、

自分の意思に関わらず、

危機の中へと投入されていく。

 

そんなこと、

考えるだけでもつらいです…

 

考えたくもないです。

 

何としても、避けたいです。

 

でも、いくらその方法を考えても、

「これだ!」と思える答えは出なくて。

 

「こんなんじゃダメだ!」と、

また最初から考え直す。

 

ずっとずっと、

そんなことを繰り返しています。

 

もしも、みなさんが

同じような状況にあったとしたら、

どうしますか?

まとめ

台湾の国旗

今日は、

僕が最近感じている不安を、

つい吐き出してしまいました。

 

台湾の楽しい一面を見ようと

期待して来られた方、

申し訳ありません…

 

「もしかすると、いつか自分たちは、

危機の中へと飛び込んでいかなくては

いけないかもしれない。」

 

台湾の人たちは、

そういう想いも心の片隅に抱えながら、

日々を生きているのかと考えると、

 

その心のたくましさには

脱帽の思いです。

 

絶対に彼ら自身が、

外国人である僕なんかよりも、

何十倍も不安を感じているはずですから。

 

もちろん、

未来は不確実なことばかりです。

 

こんな心配をするだけ

ナンセンスなのかもしれませんし、

 

全くの杞憂に終わるかもしれませんし、

杞憂に終わってくれることを

心の底から願っています。

 

「どうか、世界が平和でありますように。」

 

そう願うことは、

キレイごとでも大それたことでも、

いい人ぶったことでも何でもなく、

 

僕たちが今一番に、

心から願っていることです。

▼こちらの記事も、よくお読みいただいています!▼

→台湾で暮らしていると、よく思う。「自由があることは、決して当たり前なんかじゃない」ことを。

→台湾の選挙は超パワフル!日本の選挙とはこんなところが違います。

→『LGBTQ100人のカミングアウト』に出演しました!同性に恋する自分を悩んでいた時に伝えたかった言葉。

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→台湾で同性婚が実現!アジア史にのこる歴史的決断の裏側では、一体何が起こっていたのか?

 


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コメント

  1. TERU より:

    こんにちは。
    すごく考えさせられる問題ですね・・・日本人同士であっても大変なことが多いのに。
    世の中がこのような不安を感じることのないようになることを祈ります。

  2. ふう より:

    初めまして。
    私も台湾人の彼と、台北にて暮らしている日本人です。
    Maeさんが書かれていることについて、「ほんとうにそう、そのとおりだ」と思いながら拝読いたしました。

    特にこのコロナで往来が自由に出来なくなった今、外国籍かつ法的に結婚が認められていない人とパートナー関係を有している人たちは、非常に不安な思いを経験しているはずです。

    私も様々なニュースに一喜一憂しながら過ごす日々ですが、まずは安定が最優先として、台湾での永住権取得を目標としています。

    どの場所で、誰と、どのように暮らすかということについて、自由に選択ができる日が早く来ることを願うばかりですね。

    1. kazukimae より:

      コメントありがとうございます。

      コロナウイルスの影響で、
      長らく会うことすら叶っていないカップルの方も
      たくさんおられることでしょうね…

      未来にも確かに不安はありますが、
      まずはこの流行が一刻も早く収束してくれることを
      願ってやみません。

      僕も台湾で暮らし始めてからは、
      永住権所得を大きな目標にしていたので、
      お気持ちよく分かります!

      時間や労力がかかるのは事実ですが、
      きっと実現できる日は来ますので、
      がんばってくださいね!

      そして、彼氏さんとの台湾での毎日が
      楽しいものとなりますように!

  3. sakura より:

    初めまして。以前よりMaeさんのHPにお邪魔していました。
    台湾旅行は2回ですが、台湾が大好きな日本人です。
    コロナ禍によりいつ台湾に行けるかと首を長くしています。
    最近のニュース等でもっと心配な情報を見聞きするにつけ、
    胸が締め付けられる思いです。
    台湾の自由や平和の継続を強く強く願わずにはいられません。
    何の力も無く申し訳ないのですが、日本の空より祈っています。

    1. kazukimae より:

      現地でも、毎日のように
      平和維持や国際関係に関するニュースが
      報道されています。

      良い方向へと進んでくれることを
      僕も心から祈っています。

      そして同時に、
      旅の目的地としてだけではなく、
      国際的に置かれている立場について、
      一人でも多くの日本で暮らす方々に
      関心を持ってもらえることを願っています。

  4. A より:

    初めまして。

    一昨年まで台北に駐在員として13年間滞在(永久居留書あり)し、
    台湾人のパートナーを台北に残したまま現在は上海に駐在している日本人です。

    同性婚が認められない我々にとって、国境の壁は本当に大きいですね。
    いずれ台湾で結婚できても、一緒に日本で暮らすことはできない。
    国際情勢が揺らぐ台湾に関しては本当に将来が心配です。

    現在の選択肢としては退職後、台湾に戻りパートナーと共に老後を過ごす。
    ただコロナ禍の今は会うことすらままならない状況が1年半続いています。
    こんなことなら上海へ移動しなければ良かった、そんな気がする今日この頃です。

    『飄洋過海來看你』最近、またこの曲が聞きたくなる毎日です。
    https://www.youtube.com/watch?v=LzCPcJHx5y8

    1. kazukimae より:

      そうですね…
      日本でも裁判が行われるなど、
      討論が活発になってきてはいますが、
      僕も未だ「将来は2人で、日本で暮らす」という希望は
      持てずにいます。

      本当に、まずはコロナの収束を願うばかりです。
      会いたい人と自由に会える日が、
      一刻も早く戻ってきてほしいですね。

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