「投票しよう!」10万人参加のLGBT音楽イベント『為愛返家音樂會』で叫ばれた台湾の未来とは?

当ページのリンクには広告が含まれています。
台湾のLGBT音楽イベント『為愛返家音樂會』夜のステージ前

アジア最大のLGBTプライドに匹敵する巨大イベントが台北で開催!有名アーティストも続々登場のステージで国民投票に向けた最後のメッセージが伝えられました。

こんにちは!台北でボーイフレンドと暮らして6年になります日本男子Mae@qianheshu)です。

今、台湾はLGBTコミュニティ、いや、多様な社会を望むあらゆる人々にとって、非常に重要な局面を迎えようとしています。

来たる11月24日(土)、台湾では各市町村のリーダーを一斉に決める大選挙「九合一選舉」が行われます。

次は誰がそれぞれの街を導いていくのか、そして台湾の人々はどの党を支持しようとしているのか。

テレビや新聞などのメディアを始め、社会全体が選挙一色の熱気に満ちた空気に包まれていますが、選挙と合わせてもう一つ、とても大切なイベントが同時に行われます。

それは、「国民投票」

全10項目について、「同意」「不同意」のどちらかで投票されることになりますが、このうち半分を占める5項目が「LGBT」に関する内容となっています。

先週末は、国民投票前最後となる休日。

このタイミングに合わせて、LGBTの権利を支持するための音楽イベント『為愛返家ー搭上幸福特快車 兩好三壞1118音樂會』が開催されました。

一体何のためにこのイベントは開かれたのか、そもそも台湾で行われる国民投票の内容とは一体どのようなものなのか。

今日は、当日の様子とともに、台湾が迎えようとしている重大局面についてご紹介したいと思います。

 

目次

LGBT音楽イベント『為愛返家音樂會』は、なぜ開催されたのか?

台湾のLGBT音楽イベント『為愛返家音樂會』の会場に設置されたオブジェクト

LGBT音楽イベント

『為愛返家ー搭上幸福特快車 兩好三壞1118音樂會』

が開催されたのは、先週末の11月18日(日)。

 

間近に迫った、台湾の未来を左右するターニングポイントを迎えるに当たって、

LGBTコミュニティからのメッセージを伝える目的で、

このイベントは開催されました。

 

実は、2年前にも「民法改正による同性婚合法化」を支持するため、

同様の音楽イベントが開催されたのですが、

その際にはおよそ25万人が集まる巨大イベントに。

 

今年台北で行われたアジア最大のLGBTプライド

「台灣同志遊行(台湾LGBTプライド)」が参加者13万人と言われていますから、

さらにその2倍近くに当たる人々が支持を訴えたことになります。

 

関連報道→【台湾史上最大のLGBTイベントが台北で開催、25万人参加へ。| Letibee Life】

 

では、今回のLGBT音楽イベントで伝えたいこととは、一体何なのか?

 

イベントのFacebook公式ページにて、

主催者からシェアされた文章を読んでみましょう。

 

20161117日,還記得在青島東路上所留下不甘心的眼淚。

 

兩年過去,反同團體依然用攻擊扭曲的方式,

讓台灣社會陷入恐懼與撕裂,持續傷害同志。

 

即便如此,我們依然希望用愛來化解歧視,

用音樂促進和諧,共同讓臺灣成為亞洲平權與自由的燈塔。

 

為了讓每個相愛的人都能盡快成家、

讓孩子都可以透過性別平等教育學習尊重與包容,

11/24請一定要返家投票,用兩好三壞,投出幸福未來。

 

選前最後一周平權的最後一哩路需要你的加入!

 

出典:為愛返家―搭上幸福特快車 公式Facebookページ 

 

2016年11月17日、青島東路で流された悔し涙を、今でも忘れることはありません。

 

あれから2年経った現在も、

LGBTの権利に反対する団体たちは、捻じ曲げた真実を手に攻撃を続け、

台湾社会を不安と決裂に陥れ、LGBT当事者たちに傷を負わせ続けています。

 

しかし、たとえそうだとしても、

私たちは「愛」によって偏見を打ち破ることができると、

音楽を通して理解を深め合うことで、

台湾という国を、皆で共にアジアの「自由と平等」の希望の光として、

輝かせることができると信じています。

 

愛し合う全ての人々が、可能な限り早く「家庭」を作り上げられるように。

子供達が性別平等教育を通して尊重と認め合う心を学べるように。

 

11月24日は、必ず故郷で1票を投じましょう。

「2つの同意と3つの不同意」で、幸せな未来に投票しましょう。

 

投票前最後の1週間、

真の平等のための最後の道のりには、あなたの力が必要なのです。

 

訳:Kazuki Mae

  

文章の中で登場している2016年11月17日とは、

民法改正による同性婚実現法案の討論が立法院にて行われた日。

 

同性婚反対派、支持派が立法院前に集い混乱を極める事態にまで発展しましたが、

この日は会議内にて同意に至ることができず、もう一歩進んでの審査は先送りとなりました。

 

関連報道→【場內杯葛場外抗議,台灣婚姻平權法案初審要再等一等|端傳體 Initium Media】

 

台湾のLGBT音楽イベント『為愛返家音樂會』会場のステージに立つ支持者たち

「あの日、立法院前で流された悔し涙を、今でも忘れることはない。」

 

婚姻平權(婚姻の平等)に関する戦いは、あれから2年、

いや、台湾でLGBT運動が起こった30年以上も前から、

今現在も続いていることになります。

 

昨年2017年5月に発表された憲法解釈で

「同性カップルに婚姻の権利を認めない現行の法律は違憲」との見解が発表され、

ようやく長年にわたる努力が報われる時が来たと、

当事者にとって希望の光が差し込んだ、その矢先。

 

今度は、「国民投票」という予期せぬ事態へと発展することになってしまいました。

 

今一度「婚姻平權」を実現することの真の意味、

そして、応じざるを得なくなった投票によって、

自分たちの手で「真の平等」を掴まねばならないことを再確認するために。

 

今回の音楽イベントが、投票1週間前というこのタイミングで行われたのは、

そのような背景があってのことなのです。

 

関連記事→【同性婚合法化決定から1年の台湾で今起こっていること。思わぬ方向へと動き出した「婚姻平權(婚姻平等の権利)」の行方は?】

 

「婚姻平權(婚姻の平等)」に関する国民投票案。焦点は「実現の方法」へ。

台中同志遊行(台中LGBTプライド)2018会場の国民投票に関するボード

では、今回行われる「国民投票」とは、一体どのような内容のものなのか。

 

全て合わせると、10の項目について

国民に意見を求められることとなっているのですが、

このうちLGBTに関する項目は5つ。

 

「同性カップルの婚姻をどのようなカタチで実現すべきか」

「教育の場におけるLGBTの知識はどのように扱われるべきが」

の2つのテーマが焦点となっています。

 

国民投票では、有権者が各投票案について

「同意」「不同意」のどちらかに投票。

 

投票案が成立するためには、

台湾の18歳以上の有権者数(約1979万人)の1/4以上に当たる

「約495万票の同意票」に加え、かつ「その総数が不同意票を上回る」

という条件が課されています。

 

10. 你是否同意民法婚姻規定應限定在一男一女的結合?

(あなたは、民法における婚姻規定が

異性カップルのみに適用されることに同意しますか?)

 

12. 你是否同意以民法婚姻規定以外之其他形式

來保障同性別二人經營永久共同生活的權益?

(あなたは、民法に定められた婚姻規定以外の他の形式で、

同性カップルの永久的な共同生活の権利を保障することに同意しますか?)

 

14. 您是否同意,以民法婚姻章保障同性別二人建立婚姻關係?

(あなたは、民法による婚姻規定によって、

同性カップルが婚姻関係となることに同意しますか?)

 

出典:投票必看!10公投大選好複雜 圖解教你怎麼投 | 聯合新聞網 

(訳:Kazuki Mae)

※頭の数字は投票案番号、細字は反対派、太字は支持派による提案

 

婚姻の平等に関する投票案は10. 12. 14. の3案。

 

12. は一見すると、「同性カップルの権利を認めるための案」のように見えますが、

「以民法婚姻規定以外之其他形式(民法の婚姻規定以外の他の形式で)」

という点がポイント。

 

この背景には、異性カップルと同性カップルは婚姻の上で「区別して」扱われるべきで、

「同じ枠組みでは扱われたくない」という意図が含まれています。

 

(現在停止中ではありますが)すでに立法院では、

民法改正による同性婚実現案の審議も行われていることから、

選挙後に審議が再開されるであろうこの法案に対しても反対という立場です。

 

台中同志遊行(台中LGBTプライド)2018パレードで掲げられた国民投票に関するプラカード

それに対して、14. は異性カップルと同性カップルの「区別なく」、

民法の婚姻規定による「同じ枠組みで扱われるべき」という主張。

 

「あらゆる人が分け隔てなく、法の下に平等である」という憲法の規定に対して、

どちらが真の意味で「平等」であるのかは明らかかと思います。

 

ちなみに、10. 12. の投票案が仮に成立してしまった場合でも、

昨年2017年の憲法解釈での決定に基づいて、遅くとも来年2019年5月には、

何らかの方式にて同性カップルの婚姻は実現される、とされています。

 

ただし、LGBT当事者の望む「(異性カップルと同じ)民法による婚姻」の実現が

脅かされる可能性は充分にあると、覚悟しておかなくてはいけません。

 

関連報道→【一場自欺欺人的反同婚公投,最終受傷與付出代價的還是同志社群 | The News Lens】

 

「性別平等教育法」に関する国民投票案。この法律はなぜ必要とされたのか?

台灣同志遊行(台湾LGBTプライド)2018で国民投票への理解を訴えるパレードカー

性別平等教育に関する投票案は、11. と15. の2案について、

国民の意見が問われることになります。

 

11. は、

「(現在の法律で定められている)義務教育の段階でLGBTに触れるのは早すぎる。

適例での教育をすべき。」という主張。

 

15. は、

「(現在の法律で定めらているように)義務教育の段階から、

LGBTについても触れるべき。」という主張となっています。

 

11. 你是否同意在國民教育階段內(國中及國小),

教育部及各級學校不應對學生實施性別平等教育法施行細則所定之同志教育?

(あなたは、義務教育(小・中学校)の段階で、教育部および各学校が、

性別平等教育法によって定められたLGBT教育を実施しないことに同意しますか?)

 

15. 您是否同意,以「性別平等教育法」明定在國民教育各階段內實施性別平等教育,

且內容應涵蓋情感教育、性教育、同志教育等課程?

(あなたは、性別平等教育法に定められた義務教育の各段階において

性別平等教育を実施すること、そしてその内容には、

心の教育、性教育、LGBT教育などの課程を盛り込むことに同意しますか?)

 

出典:投票必看!10公投大選好複雜 圖解教你怎麼投 | 聯合新聞網 

(訳:Kazuki Mae)

※頭の数字は投票案番号、細字は反対派、太字は支持派による提案

 

台湾の「性別平等教育法」には、この法律が定められることになった、

あるきっかけがあります。

 

台湾南部の中学校に通う、ある1人の男子生徒。

彼は、学校でいじめを受けていました。

 

「仕草が女子のよう」「女子の好きな遊びばかりしている」と、

標的になり続けていた彼。

 

トイレへ向かうと、必ずと言っていいほど嫌がらせを受けることから、

休み時間中に用を足すことがままならない状態でした。

 

そんな状況に対処するため、

学校側も彼には授業時間中にトイレへ向かうことを認めていたのですが、

そんなある日のこと。

 

彼は、授業時間中のトイレで、

真っ赤に染まった状態で発見され、帰らぬ人となりました。

 

彼が患っていた呼吸器系の病のためか、あるいはそれ以外の他の要因なのか。

 

今も様々な憶測が飛び交っていますが、このショッキングなニュースは台湾中を駆け巡り、

社会に潜む大きな問題点を浮き彫りにすることとなりました。

 

関連報道→【你還記得15年前的「玫瑰少年」葉永鋕,是怎麼死的嗎?|The News Lens】

 

台湾のLGBT音楽イベント『為愛返家音樂會』会場のモニターに表示される葉永鋕さんとその母親

いじめがなければ、

彼は誰もいない授業中のトイレで、命を落とすことはなかったはず。

 

クラスメイト、先生、学校職員の全てが「尊重すること」を正しく理解していたなら、

彼はいじめられることもなかったはず。

 

社会全体が正しい知識を共有していたなら、

仕草や興味の対象が原因で、差別されることもなかったはず。

 

そんな討論を経てようやく、

「多様性を認め合い、お互いに尊重する心を持ちましょう」という教育ができるようにと、

性別平等教育法は定められることになりました。

 

この重要な取り決めに、「早すぎる!」という主張は果たして通るでしょうか?

 

年齢を問わず誰もが知っておくべきテーマに、

「適齢」などというものが果たしてあるのでしょうか?

 

教育が実施されているはずの現在ですら、

「尊重の心」が足りないゆえに命を落としたり、

自らその道を選んでしまう人たちは、後をたたないのです。

 

この背景を正しく理解しているのであれば、

どちらの案に同意票を投じるべきかは明らか。

 

かつて「女の子とばかり遊んでいてはダメ」と、

小学校の先生に怒られたことのある当事者と1人としても、そう思わずにはいられません。

 

有名アーティストが続々登場!総統府前に10万人が集結。

台湾のLGBT音楽イベント『為愛返家音樂會』会場のステージ前

今回のLGBT音楽イベントが開催されたのは、

先月行われたアジア最大のLGBTプライド

「台灣同志遊行(台湾LGBTプライド)」の集合地点と同じ、総統府前の凱達格蘭大道。

 

青空が広がるお天気にも恵まれ、絶好のコンサート日和となりました。

 

台湾のLGBT音楽イベント『為愛返家音樂會』の会場に設置された巨大モニター

台湾のLGBT音楽イベント『為愛返家音樂會』の会場に設置されたブース

巨大モニターや、チャリティグッズを扱うブースなども設置され、

会場はLGBTプライドさながらの賑やかな雰囲気に。

 

開始時間が近づくにつれ、続々とお客さんが集まって来ます。

 

台湾のLGBT音楽イベント『為愛返家音樂會』で配布されたマルバツカード

イベントスタッフの方より配布された、マルとバツの印刷されたカードは、

後ほど会場に集まった全員で使うとのこと。

 

台湾のLGBT音楽イベント『為愛返家音樂會』の会場で配布されたステッカー

他にも、ステッカーやミニカードなど、

投票を呼びかけるためのアイテムを僕もたくさんいただきました。

 

これは、この会場に集まった人のみならず、

「イベントが終わった後、友人や知り合いにも渡せるように」との配慮から。

 

一緒に参加した友人は、帰り際に200枚はあろうかというカードの束を

どっさり受け取っておりました。

 

台湾のLGBT音楽イベント『為愛返家音樂會』の会場にお弁当持参で訪れる参加者

レジャーシートやお弁当持参で訪れる人も多く、まるで遠足気分。

 

投票を呼びかけるためにイベントとは言え、

ゆる~く楽しめるのは台湾らしい和みポイントです。

 

台湾のLGBT音楽イベント『為愛返家音樂會』のステージに立つアーティスト・王彩樺さん

コンサートでパフォーマンスを披露するのは、

いずれも台湾ではとても有名なアーティストの方ばかり。

 

バラエティ番組で人気の王彩樺さんが「保庇」を歌い始めると、

開演と同時に一気に盛り上がります。

 

台湾のLGBT音楽イベント『為愛返家音樂會』のステージに立つアーティスト・張智成さん

台湾のLGBT音楽イベント『為愛返家音樂會』のステージに立つアーティスト・安心亞さん

台湾のLGBT音楽イベント『為愛返家音樂會』会場のステージに立つ有名アーティスト・戴愛玲さん

張智成さん、安心亞さん、戴愛玲さんなど、

続々と登場する大物アーティストの歌声に、拍手と歓声の鳴り止まない会場。

 

誰もがその名を知っているような、

知名度の高い有名人が揃って「婚姻平權」を呼びかける姿に、

集まった人たちはもちろん、ニュースでイベントを知った人たちも、

大いに励まされたのではないかと想像します。

 

台湾のLGBT音楽イベント『為愛返家音樂會』のステージに立つ立法委員・林昶佐さん

ステージで注目を集めたのが、

現在台湾の立法院にて第3勢力となっている政党・時代力量の林昶佐さん。

 

民法による同性婚合法化を推し進めている立役者の1人として、

国民投票での投票を呼びかける一方で…

 

台湾のLGBT音楽イベント『為愛返家音樂會』のステージに立つアーティスト・林昶佐さん

その数十分後には、なんとメイクを施した別人格(?)となって、

ステージに登場です!

 

実は、林昶佐さん、

もともとメタル系バンドのボーカルとして活動をしていたアーティスト。

 

今回のイベントのために、政治家としてのみならず、

アーティストとしてもパフォーマンスを披露されていました。

 

台湾のLGBT音楽イベント『為愛返家音樂會』夜のステージ前

日本で例えるならば、

国会議員がステージ上で激しくスクリームしているようなイメージ。

 

そんなインパクトも手伝ってか、

ステージ前に観客が押し寄せるほどの大人気を博しておりました。

 

台湾のLGBT音楽イベント『為愛返家音樂會』会場で声援を送る参加者たち

イベント中に発表された数字によると、

会場に集まった人数はピーク時でおよそ10万人。

 

2016年に行われた同様のイベントも25万人という記録を打ち立てましたが、

台北のLGBTプライドにも匹敵する規模となった今回のイベントも、

台湾史に残る出来事となりました。

 

キーワードは「兩好三壞」。2つの同意と3つの不同意。

台湾のLGBT音楽イベント『為愛返家音樂會』会場のステージに立つ企業家・童子賢さん

ステージパフォーマンスの間には、

アーティストだけでなく各界著名人からの応援スピーチも。

 

イベントの数日前、グローバル企業27社による

「LGBTの権利支持表明」が行われたことで話題となったのですが、

代表として台湾のテック企業・和碩の董事長である童子賢さんが会場に登場。

 

「各界が協力して婚姻平權を推し進めることで、世界に誇れる社会を作っていきたい」と、

支持を表明されていました。

 

関連報道→【谷歌、IBM、微軟、Airbnb……27家企業聯合聲明挺同婚!童子賢:把台灣光輝燦爛的人權面貌刻在里程碑上|風媒體 THE STORM MEDIA】

 

台湾のLGBT音楽イベント『為愛返家音樂會』会場のステージに立つ有名公民科教師・黃益中さん

台湾のLGBT音楽イベント『為愛返家音樂會』のステージに立つ時代力量の立候補者たち

台湾の有名公民科教師や、映画監督、

国民投票と同時に行われる「九合一選舉」の候補者たち、

高校生の当事者たちなどから、ステージ上で語られるストーリーの数々。

 

それぞれの立場から、意見や見解を発表していく様子には、

今回の国民投票に対する揺るぎない決意を感じ取ることができました。

 

台湾のLGBT音楽イベント『為愛返家音樂會』の会場でマルを掲げる参加者たち

そして、今回のメインイベント、ドローンでの空中撮影には、

会場で配布されたマルバツカードが活躍。

 

実際に国民投票で問われる各案について、

「同意」「不同意」をマルかバツで答えていきます。

 

台湾のLGBT音楽イベント『為愛返家音樂會』の会場で掲げられた兩好三壞プラカード

キーワードは、「兩好三壞」。

 

これは、支持派によって提案された2つの投票案(14. 15.)には「同意」を、

反対派によって提案された3つの投票案(10. 11. 12.)には「不同意」を投じましょう、

と言う意味のフレーズ。

 

モニターに表示された項目に沿って、

兩好三壞を会場に集まった全員で確認していきました。

 

台湾のLGBT音楽イベント『為愛返家音樂會』会場での空中撮影

国民投票前最後の週末に凱達格蘭大道を染めた、LGBT当事者たち、

そして多様な未来を望む人々たちによる10万の「同意」。

 

彼らの想いを懐に抱えながら、台湾はいよいよ、

未来を左右するターニングポイントへと、歩みを進めて行くことになります。

 

まとめ

台湾のLGBT音楽イベント『為愛返家音樂會』の会場でレインボーフラッグを振る祁家威さん

今日は、週末に行われたLGBT音楽イベント『為愛返家音樂會』当日の様子と、

国民投票についてご紹介しました。

 

最後に、イベントの数日前に発表された

国民投票の事前調査に関して触れておきたいと思います。

 

台灣民意基金會という組織が行った最新の調査によると、

反対派(10. 11. 12.)の案に同意する人が26.7%に対して、

支持派(14. 15.)の案に同意する人は13.1%。

 

もちろん、このデータが全てというわけではないにしても、

今回の選挙の情勢をメディアなどで見ていても、

反対派勢力が優勢なのは疑いようのない事実かと感じています。

 

関連報道→【選前民調「保守力量」崛起?反同公投大勝挺同,國民黨認同度回升到4年前|The News Lens】

 

11月24日(土)国民投票まで、残された時間はあとわずか。

 

みなさん、もしも身近に台湾出身の知り合いがおられましたら、

ぜひこの話題についてお話ししてみてください。

 

もしも、この文章を読んでくださっている台湾人の方がおられましたら、

ぜひあなたの一票を「尊重の心」に満ちた未来のために投じてください。

 

拜託台灣的讀者們,請投「兩好三壞」,請支持婚姻平權和性別平等!

 

台湾で暮らす当事者の一人として、

この国が「アジアの希望の星」として輝く姿が見られることを、心から願っています。

 

▼こちらの記事もよくお読みいただいています!▼

→台中同志遊行(台中LGBTプライド)2018レポート。国民投票前最後のパレードを1万5,000人と共に歩いてきました。

→LGBTプライド「台南彩虹遊行(台南レインボーパレード)」レポート。2018年初のパレードも参加者爆増で幕開けです!

→「花東彩虹嘉年華(台湾東部LGBTプライド)」レポート。台東・花蓮から2018台湾秋のパレードシーズンが開幕です!

→宜蘭驕傲大遊行(宜蘭プライド)2018レポート。同性婚合法化決定から1年の節目に行われたLGBTプライドの様子は?

→台灣同志遊行(台湾LGBTプライド)2018レポート。13万人の巨大パレードが伝え歩いた台湾の未来を左右するメッセージとは?

 

シェアはこちらのボタンから
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次