台湾を訪れる前に知っておきたかった3つの事実。歴史や国際事情について押さえたいこと。

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台東の観光スポット「寶町藝文中心」周辺に佇む日本家屋

日本とも無関係ではない台湾の歴史って?現在の台湾が置かれている国際的立ち位置の複雑さとは?現地を訪れる前に知っておきたかった事実についてまとめてみました。

こんにちは!台湾で暮らして10年目のMae(@qianheshu)です。

とてもお恥ずかしい話ではあるのですが、僕は台湾と出会ったばかり頃、台湾に関する知識をほとんど持ち合わせていない状態でした。

初めて台湾を訪れたきっかけは、ただ単純に日本から近くて、まだ一度も足を運んだことがなく、旅の費用も予算の範囲内だったから。

特に目的があったわけでもなく、ただふと気まぐれに興味を抱いて。

たった、それだけでした。

しかし、その旅の途中で、現地で知り合った台湾の方々のお話を聞いていると、衝撃を受けずにはいられませんでした。

「日本が好き!」と言ってくださり、日本のことにとても詳しい彼らに対して、自分は台湾のことを何ひとつ知らない。

そのことがとても悔しく、申し訳なく感じられたのを、今でも覚えています。

後に台湾で暮らすようになって、「あの時、そのことを少しでも知っていたらなあ」と、思えたこと。

今日は、歴史についても交えつつ、僕が台湾を訪れる前に知っておきたかった3つの事実について、まとめてみたいと思います。

 

目次

1. かつて「日本が台湾を統治していた時代」があった。

台北・總統府の外観

僕が初めて台湾を訪れた際、

知らなくて、一番恥をかいたこと。

 

それは、台湾がかつて

日本に統治されていた時代が

あった
ことすら、

把握していなかったことでした。

 

確かに、義務教育時代の

社会の授業を思い返してみれば、

 

日本がかつて

アジア諸国に対して行っていたこと、

その当時の地図などを

見た記憶は残っています。

 

しかし、台湾も含めて、

それぞれの場所の状況について、

クローズアップして学んだ記憶は

なかったので、

 

現地にやって来て初めて、

ハッとさせられました。

 

台北・金瓜石黃金博物館敷地内にある日本家屋の和室

日本が台湾を統治していたのは、

1895年から1945年までの、

50年間。

 

台湾でよく語られる、

烏山頭ダムを含む嘉南大圳の

建設に尽力した八田與一氏に

代表されるように、

 

当時、台湾にやって来た

日本人技術者たちは、

現地のインフラを整えるために

貢献してきました。

 

現在も

現役として使われている總統府や、

台湾各地に見られる

日本式の木造家屋なども、

 

日本統治の時代に建てられ、

現代まで、

のこされているものです。

 

台湾の人たちからは、

日本統治時代に建てられたインフラや

建築を讃える声もよく聞かれるので、

 

そのことが

日本に対する好感に繋がっていると、

感じられることも

あるかもしれません。

 

しかし、決して

良い面ばかりではなかったことも、

しっかり認識しておきたいところ。

 

映画『賽德克・巴萊』

で描かれている「霧社事件」など、

 

現地の人たちを虐げてきた

日本人の存在も、

その時代にはたくさんありました。

 

「台湾は親日」という言葉を

間に受けるのではなく、

 

その背後にあった歴史も

踏まえた上で台湾を巡ってみると、

また違った一面が

見えてくるのではないかと思います。

2. 台湾には、「白色恐怖(白色テロ)」という壮絶な過去があった。

台北・二二八和平公園に建つモニュメント

太陽花學運(ひまわり学生運動)

が起こったり、

 

総統選挙での投票率が

70%を超えたり、

 

同性カップルの結婚が実現したり。

 

現在の台湾は、

誰もが自由に発言でき、

国民の声が政治にしっかり届く、

 

アジア有数の民主主義が

根づいているイメージをお持ちの方も、

少なくないのではないでしょうか。

 

しかし、最初から

自由な環境が

当たり前にあったわけでは

決してなく、

 

むしろ、

つい30年ほど前までは、

台湾で暮らす人々にとって、

とても過酷な状況がありました。

 

台北・總統府前に建つ白色恐怖政治受難者紀念碑

「白色恐佈(白色テロ)」

という言葉を、

みなさんは聞いたことが

ありますか?

 

日本統治の時代が終わり、

台湾には中華民国政府が

やって来ることに。

 

1950年〜1990年頃、

およそ40年間に渡って、

政府にとって都合の悪い存在が、

 

次々に姿を消す時代が

続いていました。

 

何の前触れもなく、

ある日突然、

市民の家や職場に憲兵がやってきて、

 

理由も行き先も分からぬまま、

同行を余儀なくされる。

 

そうして連れ去られた人々の多くは、

そのまま永遠に帰ってくることはない。

 

現在でも、

この白色恐怖による犠牲者の数は、

正確には把握されておらず、

 

20万人に上る可能性もあると、

伝えられています。

 

関連記事 → 【白色恐怖受難者 政院推估逾20萬人|自由時報】

 

この出来事は、

ホラーゲームから後に映画化・

ドラマ化された『返校』を始め、

 

台湾のドラマや映画作品でも

度々題材として取り上げられており、

現代へと語り継がれています。

 

そのような悲劇的な歴史、

多くの犠牲の上に、

ようやく芽吹き、根づいた自由。

 

白色恐怖について知っておくと、

現在の台湾にある自由民主が、

どれほどかけがえがなく、

尊いものであるのか、

 

より実感できるのでは

ないかと思います。

 

そして、

この自由が再び失われないために、

どうすればいいのか。

 

これこそ、

現在の台湾が置かれている

国際的な状況にも、

 

深く関連するテーマと

なっていきます。

3. 現在の台湾が置かれている、複雑な「国際的立ち位置」。

台湾の国旗

もしも仮に、

上にご紹介した2つについては

把握できていなかったとしても、

 

この3つ目だけは、

個人的にぜひとも

押さえておいていただきたい

と、感じているポイントです。

 

先ほども少し触れましたが、

現在の台湾は

「中華民国」とも呼ばれています。

 

2022年4月現在、

中華民国と国交のある国は、

全世界に14か国。

 

その中に、

日本は含まれていません。

 

なぜ、日本も含めて、

国際社会の大多数は、

台湾(中華民国)と

国交を結ばないのか?

 

なぜ、

日本にあるのは大使館ではなく

「台北經濟文化辦事處」で、

 

オリンピックでは

「中華台北」で、

 

公的書類には

「台湾」と書けないのか。

 

そこを突き詰めていくと、

台湾海峡を挟んで反対側にある、

中国との複雑な関係が見えてきます。

 

台北の有名スポット・二二八和平公園

詳しく話し始めると、

この記事にはとても収まらないので、

今回は省略しますが、

 

とにかく把握しておきたいのは、

「白黒だけでは語れない

存在や関係性もあるのだ」


ということ。

 

白黒だけでは語れない状況を

余儀なくされている中で、

 

上手にバランスを取りながら、

努力を重ねている人々の気持ちを

尊重してほしい、

ということです。

 

知らなかったゆえであっても、

人々の気持ちを踏みにじるような

発言や行いを、

 

外国人である僕たちが

現地でやってしまうなど、

絶対にあってはならないこと

だと思います。

 

多くの国と国交を結べない中でも、

台湾は確実に

他国との良好な関係を築こうと、

 

世界にその存在を認めてもらおうと、

巧みに動き続けています。

 

香港やウクライナへの支持が

大きく訴えられたように、

 

「自由」が失われることのないよう、

台湾の人々は、

絶えず声を上げ続けています。

 

台湾の置かれている

「国際的な立ち位置」について

踏まえておくことは、

 

現地の人々と交流をする上で、

本当に、本当に重要です。

まとめ

台東の観光スポット「寶町藝文中心」周辺に佇む日本家屋

今日は、

台湾を訪れる前に

知っておきたかった3つの事実

について、まとめてみました。

 

僕は歴史や国際関係の専門家ではないし、

どちらかというと

歴史を学ぶことに

苦手意識を持っているので、

 

隅々まで理解しているわけでは

決してありません。

 

しかし、

何も知らなかった過去の自分を

反省する意味も込めて、

この記事を書いてみました。

 

大まかにであっても、

「こんなことがあった」

「そういう状況にある」

という把握ができていれば、

 

現地の方と触れ合う際にも

必ず役立ちますし、

より親身な関係を築けるはず。

 

「日本が好き」と言ってくださる

台湾の人たちの好意を

同じ立ち位置で受け取るためにも、

 

台湾のことを少しでも

理解しておくことは

とても大切だと思います。

▼ こちらの記事も、よくお読みいただいています! ▼

→ 台湾で暮らしていると、よく思う。「自由があることは、決して当たり前なんかじゃない」ことを。

→ 台湾の選挙は超パワフル!日本の選挙とはこんなところが違います。

→ 台湾生活10年目。日本在住時の自分と変わったと思う4つのこと。

→ 「世界が平和でありますように。」キレイごとでもなんでもない、台湾に住む僕たちにとっての切実な願い。

→ 台湾で同性婚が実現!アジア史にのこる歴史的決断の裏側では、一体何が起こっていたのか?

 

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コメント

コメント一覧 (1件)

  • こんにちは。
    私は台湾に6度訪れているんですが、初めて訪れたころは全く歴史的なことを理解もせずに、
    単なる旅行気分のみでした。しかし、何度か訪れる度に少しずつ歴史的なことを学ぶようになりました。最近は特に中国との関係性に関する内容が報道されたりしているので、気になっています。香港のこともあるので・・・・香港のデモの様子やニュースをみると
    、自分には何もできない悔しさがありました。

    僕は台湾に行って本当に嫌な思いをしたことがないんです。
    親切にしてもらったことは何回もあり、本当に感謝ですし大好きな場所です。
    また普通に旅ができるようになったら、行きたいと思っています。
    また少しずつ台湾の歴史も勉強しつつ、台湾について深めていきたいと思います。

    台湾・香港頑張れ!の気持ちです。

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