最後の最後に感動のサプライズも!イベント史上最大6万人がパレードに参加したLGBTプライド「高雄同志大遊行(高雄プライド)」。台湾最大の音楽賞受賞アーティストも登場で、大盛況となりました!
こんにちは!今年も台湾各地のLGBTプライドへ参加しておりますMae(@qianheshu)です。
先週末の11月28日(土)は、台湾南部の街・高雄で行われた「高雄同志大遊行(高雄プライド)」の日。
10月末に行われた台北のパレードもとても盛り上がりましたが、高雄も全く負けてない!
当日は6万人(昨年の3倍近く!)もの参加者が会場に集まり、昨年をさらに大きく上回る大規模なパレードとなりました。
また、今年の高雄プライドには、台湾最大の音楽賞・金曲獎にて受賞を果たした大物アーティストも登場!
最後の最後までサプライズと感動がいっぱいのイベントとなったように思います。
今日は、2020年「高雄同志大遊行(高雄プライド)」当日のパレードの様子をお伝えしたいと思います。
台北に続く巨大レインボー歩道も登場!100のブースがひしめき合う大盛況の会場へ。
2020年「高雄同志大遊行
(高雄プライド)」の
会場となったのは、
高雄の有名スポット・駁二藝術特區
すぐおとなりの「公園二路」。
当日は、4車線の道路が
200m近くにわたって封鎖され、
パレード出発地点となる会場が
設けられました。
先日台中にて開催された
「台中同志遊行(台中LGBTプライド)」も、
台中駅前が埋め尽くされるほどの
盛り上がりとなりましたが、
高雄も全く負けてない!
「これは、台北のパレードにも
匹敵するのでは?」
と思えるほどの、
ものすごい人出で賑わいます。
会場には、100近くにも及ぶ
ブースが出展。
昨年までよりも、
一気に規模が大きくなった印象で、
フード系メニューを販売する
ワゴン車が駆けつけていたり、
人気イラストレーターのグッズを集めた
ブースがあったり、
レインボーグッズがいっぱいの
お店があったりと、
とてもバリエーション豊かです。
パレード出発前の特設ステージでは、
台湾でご活躍中のアーティスト・
呂薔さん、曹雅雯さんの
ライブパフォーマンスも。
後ほどご紹介しますが、
パレード後のステージにも
大物アーティストが登場するなど、
今年の高雄同志大遊行は、
ゲストもとっても豪華です。
そして、会場のおとなりに広がる
駁二藝術特區と言えば、
今年11月に
レインボー歩道が登場したことでも
話題に。
台北の西門町、市政府に続く、
台湾では3つ目の
レインボーとなるのですが、
西門町のものよりもさらに巨大!
2〜3倍はあろうかというスケールで、
おそらく台湾で最大のもの
ではないかと思います。
こちらも、記念撮影に訪れる
参加者のみなさんで、
すごく賑わっています。
また、台湾国内では
状況が落ち着いてはいますが、
今年はコロナウイルスの流行を受けて、
台湾各地のLGBTプライドでも
防疫措置が取られることに。
高雄同志大遊行では、
「實聯制健康聲明書」として、
オンライン上にて連絡先を登録する
システムが採用されていました。
僕も当日、会場へと向かう前に
あらかじめ記入を終えてから、
会場へやって来ました。
2020年「高雄同志大遊行(高雄プライド)」のテーマは?
2020年「高雄同志大遊行
(高雄プライド)」のテーマは、
「WE! AROUND YOU!」。
自分たちはすごく身近に、
そして街のどんな場所にも
確かに存在している。
そのことを、
より多くの方々に知ってもらう
きっかけとなれるよう、
今回のパレードは歩かれることになります。
不論是路口的早餐店、隔壁施工的大樓、
轉角的夜市、排隊的飲料店還是公司或學校,
哪裡沒有同志?
我們都一起努力支撐著彼此的生活,
不分年齡、地點、國籍、職業
都有各式各樣的同志,只是沒有被發現。
我們既平凡又特別,
「特別」是社會給我們的標籤,
「平凡」是我們一樣努力的生活在「高雄」。
這一年,讓我們再更進一步認識彼此,
不論是同志與否,
我們的生命都在彼此身邊交錯著,
一樣熱愛高雄,也一樣充滿熱情。
當我們張開眼,會發現大家都一樣,
美麗且令人驚艷。
我們在你身邊,
讓我們一起在11月28日發現彼此。出典:2020第十一屆高雄同志大遊行:
We! Around You! | flyingV
道沿いにある朝ごはん屋さん、
隣の工事中のビル、
角を曲がったところにある夜市、
行列のできるドリンク店、
あるいは会社や学校。
LGBTQ+の人がいない場所など、
どこにあるでしょうか?
私たちは共に、
それぞれの生活を努力して支え合っており、
そこには年齢も場所も国籍も職業も
関係ありません。様々な立場にあるLGBTQ+の人々は
確かに存在しており、
ただ気づかれていないだけに他なりません。
私たちは平凡で、また特別。
「特別」は、社会が私たちに貼った
レッテルであり、
「平凡」は、私たちが共に
「高雄」で努力して生活している姿です。
今年は、私たちが互いにさらに歩み寄り、
理解し合うことを目指したいと思います。
LGBTQ+であるないに関わらず、
私たちの命は互いに身近なところで交錯し合い、
同じように高雄を愛し、
また同じように情熱に満ちています。
目を見開けば、みんな同じであって、
美しい存在であることに気づけるはずです。
私たちは、あなたのすぐそばにいます。
11月28日は、私たちと共に、
互いを発見する1日にしましょう!訳:Kazuki Mae
今年は、他都市のLGBTプライドでも、
同様のテーマが設定されていますが、
そこには、
同性婚が実現して1年ということも
大きく関係しているのかな、
と、個人的には思います。
同性のパートナーと
結婚をするに当たって、
周囲へのカミングアウトが
必要になるかもしれない。
そして、そのカミングアウトは、
これまでよりも世代も立場もさらに多様な、
広範囲の人々に対して
必要になるかもしれません。
当然、家族のあり方も、
どんどん多様になっていくことでしょう。
これまで以上に、自分たちの存在が、
生活の中で目に見えるように
なっていくでしょう。
だからこそ、
そんな新しい時代に必要なのは、
「自分たちは“特別”なんかじゃない」
と、知ってもらうこと。
自分たちだって
「とても“平凡”な存在なのだ」
と、改めて理解してもらうこと、
なのかもしれません。
参加者3倍に急増!6万人の大パレードが港町・高雄をレインボーに!
と、ステージパフォーマンスに
見惚れていたら、
いつの間にかパレードが
始まっていました 笑
急いで先頭を追いかけながら、
パレードスタートです!
今年のパレードルートは、
公園二路の会場を出発して、
高雄の有名スポットが集まる
鹽埕埔エリアをぐるっと1周。
およそ4kmの道のりを、
2時間ほどをかけて練り歩いていきます。
レインボーフラッグの
6色になぞらえて、
6つのグループに分かれて進んでいく
パレード隊列。
各グループの先頭には、
パレードカーとロングフラッグがつき、
参加者を高雄の街へと
導いていきます。
ドラァグクイーンや
ボーイズのみなさんが乗る
パレードカーからは、
爆音の音楽が鳴り響き、
周辺はお祭りさながらに!
ドラァグクイーンの飛利冰さんは、
リップシンクではなく、
パレードカー上で自ら歌いながら、
集まった参加者のみなさんを
盛り上げていきます。
パレードを華やかに彩るのは、
何もパレードカーに立つ
方々だけではありません。
クリエイティビティを存分に発揮した、
ユニークなコスチュームに身を包んだ
参加者の姿もたくさん!
みなさんの豊かな発想力には、
眺めているだけでも
心が華やいでくるようです。
参加者のみなさんの、
弾けるような笑顔も素敵。
このパレードの1日を
存分に楽しもうという
ウキウキした気持ちが、
ひしひしと伝わってきます。
異性カップルの方、
お子さま連れの方など、
パレードへの参加者も
回を経るごとに
ますます多様になっている印象です。
沿道を通りかかった方々からも、
応援の声が聞かれるなど、
とてもフレンドリーな雰囲気に
包まれます。
もう12月も目前という
タイミングでしたが、
午前中は、晩夏のような暑さとなった
高雄。
「この暑さを乗り切れるか?」
と、少し心配でしたが、
パレードが始まってからは雲が出て、
かえって暑さが和らいだので
助かりました 笑
それにしても、
今年の高雄のパレードは
本当に大きい!
頭からしっぽまで全部見ようと、
30分以上同じ地点から
眺めていましたが、
結局しっぽまでたどりつきませんでした 笑
パレード後の
ステージでの発表によると、
今年の参加者はなんと6万人!
昨年は約2万人と言われていたので、
一挙に3倍近くまで
拡大したことになります。
今回、高雄に来てみて、
街自体がどんどん発展している
勢いを感じていましたが、
その高雄ならではの勢いを
パレードからも肌で感じることが
できました。
台北のパレードも最高に賑わいますが、
またそれとは違った、
急速に進みゆくパワーみたいなものが、
高雄のパレードには満ちあふれています。
パレード後のステージも見逃せない!台湾最大の音楽賞・金曲獎受賞を果たした大物アーティスト登場!
そして、まだまだ終わらない
今年の高雄同志大遊行。
パレード後のステージも、
昨年までよりもさらに
グレードアップしていました!
今年のステージは、
特にパフォーマンスが充実していて、
見どころたっぷり!
台湾のBLドラマ『饞上你』で
主役を演じた范成章さんや、
台北でドラァグクイーンとして
ご活躍されている薔薇さんに、
高雄に拠点を置く
ドラァグクイーングループのみなさん、
YouTubeから人気に火がつき、
自身のオリジナルソングを発表した
黃小愛さん。
台湾最大の音楽賞・金曲獎や、
同じく台湾最大の映画賞・金馬獎など、
数々の受賞歴がある
阿美族出身のアーティスト・
舒米恩さんもミニライブを披露。
やさしいながらもパワフルな、
持ち前の歌唱力はさることながら、
僕の立っていた周囲では
「かわいい〜!」と、
黄色い声も上がっておりました。
そして、今年2020年の金曲獎にて、
年度歌曲獎など3部門での
受賞を果たしたばかりの
阿爆さんがステージに立つと、
会場はコンサートさながらの
大盛り上がりに!
ドラァグクイーンのみなさんを
ステージに招き、
この上なく華やかで、
豪華すぎるパフォーマンスが
舞台上にて繰り広げられます。
排灣族出身ならではの
リズム感やユーモアセンスも
存分に発揮されて、
笑いの絶えないトークタイムも
すごく楽しかったです。
会場からパレード、ステージまで、
大きくパワーアップした
今年の高雄同志大遊行。
最後まで、本当に
ワクワクの絶えないイベントと
なったように思います。
まとめ
今日は、「高雄同志大遊行
(高雄プライド)」2020
の様子をお伝えしました。
と、ここでおしまいになるか、
と思いきや…
最後の最後にもう1つ、
感動のサプライズがありました。
実は、今年の高雄同志大遊行の
主催代表を務めた阿古さんは、
マカオ出身の方。
台湾籍のパートナーさんと
高雄で暮らしており、
すでに披露宴も済ませているのですが、
国際同性カップルのため、
まだ台湾で籍を入れられていない状態に。
現在、台湾にて進められている
国際同性カップルの
結婚に関する訴訟では、
原告の1組として動いておられます。
全てのプログラムを終えた、
ステージの最後。
パレードを成功させた感動も混じってか、
阿古さんは涙ぐみながら、
パートナーさんに花束を捧げます。
「僕との結婚、幸せですか?」
花束と共に捧げられた
その一言には、
思わず涙が込み上げて来ました。
僕も彼らと同じく、
台湾人のボーイフレンドと2人で
国際同性カップルならではの不安や困難を
一つ一つ解決しながら8年間歩いてきたので、
ついつい自分たちの姿も
彼らに重ねてしまいました。
おふたりのストーリーについて
知りたい方は、
中国語ではありますが、
以下の記事もぜひご覧になって
みてください。
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さて、台湾の
LGBTプライドシーズンも、
そろそろ終盤。
次は、台湾南部の街・台南にて、
12月12日(土)に行われる
「台南彩虹遊行(台南レインボーパレード)」
です。
今年参加しに行くパレードは、
この台南が最後になりそうなので、
高雄に引き続いて、
こちらもしっかり楽しんできたいと
思います。
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