台北・台中・台南・高雄・花蓮の5都市で開催されているLGBTプライドを、イベントの様子とともに振り返ります!
こんにちは!2016年も残すところあとわずかとなりましたが、毎年のことながら全くもって年末感のない台北からMae(@qianheshu)がお送りしております。
先日2016年4番目となるLGBTプライド「台中同志遊行(台中LGBTプライド)」に参加したことで、台湾で行われているパレードをすべて歩いたことになりました!
今日は2016年の締めくくりとして、台湾の5大LGBTプライドの様子とともに1年を振り返りたいと思います。
花蓮彩虹嘉年華(花蓮LGBTプライド)
2016年のLGBTプライドシーズンの先陣を切ったのは、
台湾東部の街・花蓮で行われた「花蓮彩虹嘉年華(花蓮LGBTプライド)」。
台湾東部では唯一となるLGBTプライドに、今年初めて参加させていただきました。
花蓮のパレードは、規模自体はそれほど大きいものではありませんが、
それを補って余りあるほどの主催者側の熱意がとても印象的。
イベントに協賛してくれている街のお店を一つずつ、参加者全員でお礼をしてまわったり、
みんなでパレードをしながら道行く人に特別デザインしたしおりを配って歩いたり。
参加者同士のみならず、沿道に集まった方たちとのコミュニケーションのとり方も、
他都市のLGBTプライド以上に緊密です。
キリスト教信仰が深く根付いているという土地柄もあって、
LGBT当事者にとっては必ずしもオープンとは言えない環境にある花蓮。
そんな中で、とにかく少しでも多くの方に
自分たちの本当の姿をみてもらいたいと強く願う気持ちが、
すごく素直な形で行動に現れているところに心が揺り動かされます。
大都市のパレードのような圧倒的な華やかさには及ばなくても、
パレードを行う「本来の意味」を思い出させてくれる素敵なイベントでした。
2016年に参加したLGBTプライドの中でも、
一番記憶に残る場面が多かったのがこの花蓮のパレードですね。
イベントの様子を詳しく見てみたい方は
【台湾東部唯一のLGBTプライド「花蓮彩虹嘉年華」とは?】で記事にしましたので、
ぜひ目を通してみてください。
花蓮彩虹嘉年華(花蓮LGBTプライド)
Facebook:https://www.facebook.com/hlLGBT
台灣同志遊行(台湾LGBTプライド)
台湾、いやアジアで最も注目を集めるLGBTイベントと言えば、
毎年10月最終土曜日に開催される「台灣同志遊行(台湾LGBTプライド)」!
2016年は10月29日(土)に開催され、
パレード前後にも台北各地でLGBTパーティーや関連イベントが行われるなど、
大変な盛り上がりとなりました。
この日に合わせて、日本から台北へお越しになったという方もたくさんおられるかもしれませんね。
当日は雨がぱらつくあいにくのお天気となりましたが、
悪天候にも負けず、台北の主要道路を埋め尽くすほどの賑わいを見せた今年のパレード。
イベント開始以来最大の8万人以上が参加し、
去年に引き続いて参加者数記録を更新しました。
どんよりとした空をも吹き飛ばすかのような、
底抜けな明るさとド派手な演出が台北のLGBTプライドの特徴。
LGBTフレンドリーな環境が整いつつある台湾の中でも、
首都・台北のオープンな空気には、やはりずば抜けたものを感じます。
同性婚合法化に向けた動きもますますの進展を見せている台湾。
来年は「婚姻平權(婚姻平等の権利)」が実現した社会のもとで、
このパレードがより一層彩り豊かなものになることを期待せずにはいられません。
当日のより詳しい様子については、
【参加者8万人突破!2016台灣同志遊行(台湾LGBTプライド)を歩いてきました。】
にまとめましたので合わせてご覧ください。
台灣同志遊行(台湾LGBTプライド)
Web:http://www.twpride.org/
Facebook:https://www.facebook.com/Taiwan.LGBT.Pride/
高雄同志大遊行(高雄レインボーパレード)
今年参加したLGBTプライドの中でも、花蓮に続いて印象に残っているのが、
台湾南部の大都市・高雄で開催された「高雄同志大遊行(高雄レインボーパレード)」。
昨年より2倍以上も参加者が増え、イベント初の1万人を突破した背景には、
全社会をあげての討論が進んでいる
「婚姻平權法案」への注目度の高まりがあるのだろうと思われます。
首都・台北のパレード以上に「多様性」というテーマが如実に現れていた
今回の高雄のLGBTプライド。
LGBT当事者のみならず、異性カップルや40代以上のお父さんお母さん世代、
さらには子供連れでの参加者も相当数おり、
コミュニティの垣根を越えた理解の広がりを肌で感じることができました。
そして、「同性婚」の話題が首都・台北のみで盛り上がっているのではなく、
台湾全体にしっかり浸透しているのだと再確認できたのも、強く印象に残っている大きな理由ですね。
こちらも今年初めての参加でしたが、
時間をかけてでも来てよかったなと思えるとても有意義なイベントとなりました。
高雄のパレードについても、
【1万人超の快挙!台湾第二のLGBTプライド「高雄同志大遊行」とは?】でレポートしているので、
詳しく知りたい方はぜひ読んでみてくださいね。
高雄同志大遊行(高雄レインボーパレード)
Facebook:https://www.facebook.com/KHpride4/
台中同志遊行(台中LGBTプライド)
12月17日(土)に台湾で今年4番目のLGBTプライドとして中部最大の都市・台中で行われた
「台中同志遊行(台中LGBTプライド)」。
今年は参加者6,000人が、レインボーフラッグを手に台中の街にメッセージを届けて歩きました。
沿道からの写真撮影に応じる一行はとっても元気いっぱいで、弾けるような笑顔が咲き乱れます。
共通の目標に向かって一丸となってひたむきに取り組む一人一人の姿が、
まばゆいくらいに輝いていました。
パレードの途中、ブログを読んでくれているという男の子から
台中オリジナルデザインのレインボーフラッグのプレゼントいただいたのは、
個人的にも良い思い出になりました。
台中のLGBTプライドの中でも僕が一番好きな時間なのが、
パレード後のステージパフォーマンス。
芝生の公園にみんなで座り込んで、オレンジ色の光が降り注ぐ夕焼けの中、
参加者の多様な意見に耳を傾けたり、駆けつけた有名アーティストのミニコンサートを眺めたり。
ゆったりとした空気が流れる落ち着いた空間が、すごく居心地良いです。
台中は台北から日帰り可能(台湾新幹線で1時間以内)ですので、
台北以外のパレードにも参加してみたいという方は、来年の開催日時発表に注目ですよ!
台中同志遊行(台中LGBTプライド)
Facebook:https://www.facebook.com/TCLGBTPride/
彩虹台南遊行(台南LGBTプライド)
残念ながら2016年は足を運べないのですが、
去年の12月末に開催された台南で初のLGBTプライド
「彩虹台南遊行(台南LGBTプライド)」にも参加させていただきました。
2015年にパレードが行われた一番の目的は、台湾各都市で認められ始めていた
「同性パートナーシップ条例」の台南での実施を要求するため。
イベントは支持者の署名を集めてまわる役割も担っており、
参加者や沿道に集まった方たち一人一人に署名をお願いしながら街を練り歩きました。
このパレードの甲斐あって、
今年に入って台南でも条例が実施されるといううれしいニュースが入って来たのも
記憶に新しいところです。
パフォーマンスをしながら歩く参加者や演説のためパレードカーに立つ活動家の方など、
女性の割合が他都市に比べて圧倒的に多かったのも台南のパレードの特徴。
ウーマンパワーが炸裂する2,000人の大隊列に、始終圧倒されっぱなしでした。
2016年は大晦日の12月31日(土)に開催されるので、
ちょうど台南に滞在予定があるという方は、ぜひ参加されてみてはいかがでしょうか。
彩虹台南遊行(台南LGBTプライド)
Facebook:https://www.facebook.com/events/1605816626386669/
まとめ
今日は、台湾5大LGBTプライドの様子とともに2016年を振り返ってみました。
どの都市もそれぞれ特徴があって、毎回新しい発見もたくさんあるのですが、
すべてのパレードに共通して伝えたいことは、
「僕ら(セクシャルマイノリティの人たち)も、
れっきとした社会の一員であって、ここに確かに存在しているのだ。」
ということ。そして、
「あなたたち(ストレートの人たち)と何も違わない、
同じ一人の人間なのだ。」
ということ。
このメッセージを広く社会に知ってもらうために、LGBTプライドは行われているのです。
去る12月10日(土)、台北では同性婚合法化を求める音楽イベントが行われ、
アジア最大と言われているパレードの参加者をも上回る25万人が総統府前に集まりました。
台湾という土地でLGBTを巡る動きを追っていると、
彼らの「意思の強さ」、「勇敢さ」に触れる場面が山のようにあって、
感動させられることばかりです。
そんな彼らに囲まれて、この場所で新しい一年を迎えられることを、心から光栄に思います。
アジア初の「同性婚合法化」が近い将来に実現されることを願って、
僕も自分にできることは何かを日々考えながら2017年へと邁進したい次第です。
それではみなさん、良いお年をお迎えくださいね。
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