初めて飛行機に乗った日のこと、覚えていますか?
うちの近くの公園で気持ち良くジョギングしていたら突然、お散歩中の柴犬にタックルされたMae(@qianheshu)です。どうもこんにちは!
今日は僕が海外を目指すきっかけとなった一大イベント、人生初の「海外一人旅行」についてお話したいと思います。
異国の地で感じたのは果たして、「希望」だったのか、それとも「挫折」だったのか。
ぜひ、あなたの海外初体験を思い出しながらご覧ください。
海外への飽くなき憧れ。
僕、中学生の頃から異様に好きな科目がありました。
理系でありながら、「地理」の授業が大好きでした。
オランダのチューリップ畑の中にたたずむ風車とか、
タイのマングローブ林の中のエビの養殖場とか、
ブラジルの色鮮やかなリオのカーニバルとか。
教科書に印刷された、今までに見たこともないイメージの数々を眺めているだけで、
すごくワクワクしました。
そして、もう一つが「英語」。
日本語とは文字も、構造も全く違う、未知の言語。
ABCから習い始めて、たくさん単語を覚えて、
意味不明だったアルファベットの羅列が読めるようになる。
外国語は自分のまだ知らない広い世界に一歩近づけたような、
そんな気持ちにさせてくれる魔法のツールに思えました。
「いつかは、海外へ!」
当時は文字通り「夢物語」にしかすぎなかったけれど、
その気持ちは大人になるまで、決して色あせることがありませんでした。
今こそ、ラストチャンス?
そして時間は巡りに巡って…
就職先も決まり、卒業論文も書き終えたころ。
気づけば大学卒業まで、もうカウントダウンが始まっていました。
結局のところ、海外に興味はあっても、飛び出す勇気がなかった。
慣れ親しんだ言葉も常識も通じない土地に、実際に身をおくとなると、恐ろしくてたまらなかった。
だからこそ、ここまでズルズルと後回しにしてしまった。
しかし、会社勤めが始まるという現実が目前に迫ってようやく、焦りが生まれ始めました。
「ここで行動しなければ、もうチャンスはないのかもしれない。
大学生活、このまま終わっちゃっていいの?」
小心者だった僕も、もう動かずにはいられませんでした。
悶々と過ごしていた日々の中でも、決して消えることのなかった長年の憧れを実現するのは、
「今」しかありえないのでした。
初めての海外上陸。
卒業式を一ヶ月後に控えた、2009年2月。
12時間のフライトの末、人生初の海外の土をスニーカーを履いた自分の足で踏みしめていました。
優雅でなめらかな響きのフランス語が飛び交うシャルル・ド・ゴール空港。
「つ… ついに。ほんとうに、来てしまった!
しかも、たった1人で!」
ここには誰1人、僕のことを知っている人はいない。
出国前の期待とはウラハラに、むしろ心細さと不安で押しつぶされそうでした。
到着早々トイレに駆け込み、怖さのあまり個室から出られなくなる僕。
フランス人に見られたら、速攻で馬鹿にされそうなチキンぶりです。
「こんな決断、しなければよかった…
1人で来るとか、無謀すぎだろ…」
そうしてクヨクヨしながら、閉じこもること20分…
「大金払ってここまで来ておいて、
何やってるんだよ!おい。」
自分でもさすがに情けなくなってきたところで、ようやく覚悟を決めます。
ビクビクしながら買ったばかりのスーツケースを引きずり、まずはバス停を目指すことに。
やけくそでも何でも良いから、ホテルまでは何としてもたどり着かなくてはいけません。
「One ticket, s’il vous plait !」
口から出てきたのは、英語と大学でかじったフランス語が入り交じった、不自然な言語。
バスの運転手にむかって放ったこの一言が、
僕が生まれて初めて海外で発した言葉でした。
「きっと「馬鹿なアジア人だ」と見下されただろうな…」
心の中でそんなことを考えながら、恐る恐る運転手のほうへ目をあげます。
ところが。意外や意外。
「OK, OK come on in !」
運転手のおじさんは楽しそうな満面のスマイルを浮かべて、
威勢の良い返事とともに、僕をバスの中へと迎え入れてくれました。
その笑顔を見た瞬間、
これまで感じていた不安や怖さなんて、どこかに吹き飛んでしまいました。
行動する前から過剰に怖がっていた、さっきまでの自分が、
顔から火が出そうなくらい恥ずかしくなりました。
「なんだ。こんなに簡単なことだったんだ。」
飛行機を降りてからバスに乗る。
たった1時間の大冒険が、僕を一回り大きくしてくれたような、
そんな気がしました。
やってみて初めて分かることがあるというのを、身をもって体験した瞬間でした。
人生を変える感動。
生まれて初めて見る外国の景色は、息を飲むくらい美しいものでした。
威風堂々に聳える凱旋門、シャンゼリゼのオープンテラスのカフェ、
ルーブル美術館に眠るモナリザの微笑み。
公園に寝そべってひなたぼっこを楽しむパリジャン、
雨上がりに水をはねつけながら走るプジョー、
夜のセーヌ河岸で愛を語り合うカップル。
そして、レインボーフラッグのはためく、マレの街並み。
教科書やテレビの中でしか見られなかったすべてが今、
ほんとうに自分の目の前にある。
日本とは全く違った文化や空気を今、この肌で感じている。
その感動は、これまでの自分の観念を粉々に打ち砕いてしまうくらい、衝撃的で、刺激的でした。
見るもの、出会うもの、すべてがただひたすら新鮮で、おもしろくて。
1日中朝から夜まで、寒さも疲れも忘れて、興味の赴くままに歩き続けました。
空港に降り立った直後は永遠のようにも思えた2週間という時間は、
あっという間に過ぎ去って行きました。
セーヌ川の誓い。
そうして迎えた、最後の夜。
ルーブル美術館近くのカフェで夕食を終えた後、
パリの美しい夜景を目に焼き付けようと、セーヌ川に架かる橋へと向かいました。
ピカピカと金色の光を放つエッフェル塔を眺めながら、思いました。
「この景色を見られるのは、これが最後なのだろうか…」
いや、これを最後になんてしたくない!
この橋の上からまた、この景色を見たい!
「僕は、もっといろんな世界を知りたいっ!」
3月に入ってもまだ肌を刺すように冷たい風を頬に感じながら、
1人橋の上から、強く願いました。
「もう一度必ず、ここに戻ってくるんだ!」
夢が目標になる瞬間。
初めての海外一人旅行を終えてからというもの、僕の海外への憧れは完全に暴走を始めました。
仕事を始めてからは、「時間がなくて行けない」どころか、
スケジュールを調整しては、度々海外へと出かけるようになりました。
バンコク、上海、香港、ホーチミン、ソウル…
ヨーロッパに行けるだけの時間は確保できないものの、
アジアの街に自ら足を運んでは、現地の空気を肌で感じる体験を繰り返すようになります。
「いつかは、海外へ!」
気づけばもう「夢物語」なんかじゃなく、それは「目標」へと形を変えていました。
そんな旅行中毒な日々を送っていたころ。
とあるアジアの街を訪ねる機会がありました。
パリを訪れてから1年半後のことです。
「台北」というその街が、僕の前に姿を現しました。
フライト予約のボタンをクリックした瞬間には、予想だにしていませんでした。
まさか、「台湾」と言う国に
恋焦がれることになろうなどとは。
さて、次回はいよいよ、記念すべき台湾上陸の瞬間が訪れます。
Maeに台湾を目指させたものとは、一体何だったのか。
そのルーツがいよいよ明らかになります!
それでは、今日はこのあたりで。
次回もどうぞお見逃しなく!
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