今日は、アジア最大級のLGBTプライド「台灣同志遊行(台湾LGBTプライド)」の日です。相変わらず、台北はどんより曇ってますね。
着ていく服を決めて、髪も整えて。お昼ごはんを食べる前のぽっかりと空いた時間に、家のパソコンの前に立って(電動昇降デスクなので立ってます)、これを書いています。
今までは、書きたての文章をリアルタイムでどこかに公開するなんてことは、SNS以外ではあり得なかったのですが、せっかく新しいブログのあり方を模索しているところでもありますし、出発前にちょっと今の気持ちを書き出してみようかな、と思いました。
今の僕は、本当にパレードを歩いていることになるのだろうか?

僕はこれまで、台北はもちろんのこと、台湾各地でパレードを歩いて来ましたが、参加にあたっての前提として、ブログに当日のレポートを書くことを自分に課していました。
台北のパレードは世界的にも有名だけれど、現地の状況は、他都市のパレードは一体どんな感じなのだろう?と、ご興味がある方もおられるのではと思い、参加前に各パレードのテーマについて調べ上げ、当日は参加者たちの掲げるプラカードのメッセージに注目し、少しでも現地の空気が伝わる写真を撮ることを、半ばミッションのようにこなしていました。
「全貌を見られなかったらどうしよう…」「良い写真が撮れなかったらどうしよう…」と、(自分で課しておきながら)プレッシャーも少なからずあって、毎回心臓バクバクでした。それらのレポートを残しておいたおかげで、電子書籍『台湾でパレードを』を完成させることができましたし、書いて来て良かったな、という気持ちは今も大いにあります。

ただ、そんな中で、常に感じていた違和感があって。
「今の僕は、本当にパレードを歩いていることになるのだろうか?」と。
歩いていると言うよりは、傍から観察している記録員になってしまっているような気持ちが強くて。何なら、結構走ってもいる。「あらゆることを正確に把握しなくてはっ!」「貴重な瞬間を見逃してはならぬっ!」そんな想いに駆られるようにパレード隊列の中を絶えず走り回っていて、(僕が記事のために動いていると知って、優しく受け入れてくれてはいましたが)ボーイフレンドや友達たちと歩いていても、一人だけ離脱して全貌を眺めに行く、みたいなことも多くて。そんなことをしているうちに結局、パレードがゴールしてしまう、みたいなこともあったりしたのですね。
だから、「本当にそれでいいの?」「いつまでこれを続けるつもりなの?」という気持ちは、心の奥底にずーっと横たわっていました。
記録係を離れて、最初から最後までちゃんと、本当の意味でパレードを歩きたい。

もしかすると「パレードの様子を画面越しでもいいから見たい!」「イベントの様子を記事で読むのが楽しみ!」と、期待してくださっていた方もおられるかもしれません。
ただ、今年はそんな事情もあって、ブログでレポートを書くことはお休みさせていただくことにしました。記録係を離れて、最初から最後までちゃんと、本当の意味でパレードを歩きたい、と思いました。
そんなことを言いつつも、いつものコンデジは持参して写真を撮る気満々なのですが、それもほどほどにしておく心づもりでいます。ここにこんなことを書いているのは、自戒の意味もある。一度しかないこの瞬間に、自分の大切な人たちと、ご縁あって出会った人たちと、同じ想いを抱える多くの人と、一緒に歩きたい。この貴重な「今」という時間を、ちゃんと自分の五感を使って楽しみたい、と思いました。
「今年は初めて台湾でパレードを歩くのかもしれない」とは、そういう意味でした。はい。
でも、「楽しもう!」と言ってしまって、いいのだろうか?

ただ、「今日はめいっぱいパレードを『楽しもう!』」と言うことに、口をつぐんでいる自分もいる。
もちろん、いざパレードが始まったら、マッチョなゴーゴーボーイとか煌びやかなドラァグクイーンとか、クラブさながらのハイテンションな音楽とかに包まれて(十中八九)舞い上がっているはず。けれど、台湾の抱える暗い過去が思い出されるようなショッキングな事件も、まだ1ヶ月に満たないほど直近の、今月初めに起こったばかりです。
アジア屈指のLGBTフレンドリーな環境があることを世界に示している台湾の、しかもその中心である台北ですら、まだそのようなことが起こるのですから、お気楽にわいわい楽しんでばかりもいられないな、という気持ちも同時にあります。複雑。
事件については、ここでは詳しく触れませんが、「西門町 ゲイバー 捜索」等のキーワードで調べたり、AIに尋ねたりすれば、すぐに詳細が出てくるかと思うので、気になる方はぜひ調べてみてください。パレードでもきっと、この件は大きく取り上げられることでしょう。
もっとしっかり書ければ良かったのですが、そろそろお昼ごはんの蕎麦を茹でなくてはパレードに間に合わないので、この辺りで切り上げます。
何だか暗い締めくくりになってしまいましたが、台北のパレードは毎年間違いなく、底抜けに盛り上がります!その点は、絶対的に期待して大丈夫!日本からご参加の方もぜひ、とことんオープンな空気を感じながら、台湾のリアルな現状に触れていただければな、と思います。
ではでは、午後は市政府に集合しましょう!雨、降りませんように頼む。



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