LGBTプライドをテーマにした、パレードの本を書こうと思ったのはなぜ?ブログを運営する中で感じていたある葛藤が、電子書籍制作の原動力になりました。
こんにちは!いよいよ来月に開催される「台灣同志遊行(台湾LGBTプライド)」に、すでにワクワクが止まらないMae(@qianheshu)です。
先日、僕にとっては2作目の電子書籍となる『台湾でパレードを:台湾各地のLGBTプライドを歩いた10年間の旅日記』を、Amazonにて発売いたしました。
作品の説明については、前回の記事にてすでに書かせていただきましたが、今回はそもそも「なぜこの書籍を作ろうと思ったのか?」について。
僕がこのブログを運営する中でずっと感じて来たことや、時代の移り変わりによるブログメディアの変化など、いくつかの理由が重なり合った結果、1年9ヶ月という決して短くない時間を費やしてでも形にしたいという、大きな原動力となっていたように思います。
LGBTに関する記事は、このブログで最も読まれないコンテンツだった。

『にじいろ台湾』という名前の通り、僕自身のセクシュアリティも含まれるLGBTについて書くことは、このブログの核心とも言える、開設した当初から変わらない重要な方針でした。
グルメや旅行に関する情報をたくさん書いていたのも、ブログへの入口を可能な限り広く設けたい、という想いから。それらの情報を目的に訪れてくれた人が、LGBTというテーマに興味を持ったり、考えたり、知ったりするきっかけになってくれればいいな、という作戦でもありました。
数字を見る限りでは確かに、グルメや旅行について書いた記事へのアクセスは多く、当初の作戦通り。
しかし、そこからLGBTについて書いた記事へのアクセスに繋げることが、思っていた以上にできていなかった。特にパレードについて書いた記事へのアクセスは非常に少ない状況で、このブログの核心であったはずなのに、最も読まれないコンテンツとなっていました。
僕の施策が不十分だったことも関係あるとは思いますが、ブログの運営を続けて来た10年以上、その現実がとにかく悔しかった。ほとんどの読者に届かないと分かっていながら、それでも書き続けることに果たして意味があるのか、と葛藤したことは数えきれないほどにありました。
読みたいと思ってくださる人はどこにいるのか。「書く場所」の再検討を始める。

僕のブログの読者の圧倒的大多数は、サーチエンジンでの「検索」を通してやって来ていました。
検索という行為は「これについて知りたい」という自発的な動機から発動するものですから、そもそも「多くの人が知りたいと思っているテーマかどうか」という点が、ダイレクトにアクセス数に関連してきます。
台湾は、日本人旅行者の間でトップクラスの人気を誇る、旅の目的地。グルメや旅行情報へのアクセスが多いのもある意味、自然なことではあります。
そのボリュームと比較すると、「LGBTについて知りたい」と思って自発的に検索する人の数は、どうしても大幅に少なくなる。そもそもの絶対数の少なさは、どう頑張っても覆すことはできません。だからこそ、グルメや旅行を皮切りにLGBTについても知ってもらえれば、とブログ内での誘導を試みたわけですが、それがうまくいかなかったのは、先ほども書いた通りです。

加えて、動画コンテンツの急速な発展により「情報収集は動画で」という人も増えて来た。大量の文字情報を掲載するブログコンテンツは「時代遅れ」と叫ばれる風潮も出て来た。
さらにはAIの台頭により、Web上に公開した情報はAIの回答として無償で利用され、情報の提供元であるブログ等へのサイトの訪問に繋がらない現象も起こって来た。これらの流れは、実際にこのブログのアクセス数などの数字にも表れているので、紛れもなく真実でしょう。
長年続けて来たブログではあるけれど、こんな環境にあるのならば、「書く場所」を他に移すことも検討すべきではないか?文字で情報を得たいと思っている人は、どこにいるのか?LGBTというテーマに関心を持って、もっと知りたいと考えている人は、どこで情報を探すのか?人間の書いたものを読みたいというニーズは、どこにあるのか?
そんなことを、考えるようになりました。
正解かどうかは分からない。それでも「本」として生まれ変わらせよう思った。

正直なところ、どこか「書く場所」としてふさわしいのか、まだよく分かりません。導き出した答えが本当に正しいのかどうかも、自信はありません。
それでも、「本」という形にすることが、今の僕にとっては最もしっくりとくる選択肢でした。
僕自身、もちろん動画コンテンツもよく見るようになりましたが、ずらずらと紙面が文字で埋め尽くされた本を読んでいる時間は、やっぱり一番好き。深く知りたいものに出会った時、最終的に行き着くのは書店や図書館ですし、本から得られる情報や感情を特に信頼しているように思いました。
自分の書いた文字が、1冊になったらどうだろう。最も読まれなかったコンテンツでも、本にしてみたら、ブログとは全く違った反応が返ってくるかもしれない。
まだあまり知らない分野での可能性について考え始めると、何だかワクワクして来て、挑戦してみたくなったのです。ブログでは届かなかった人の目に留まることもあるかもしれないと、久しぶりに明るい気持ちが湧いて来ました。

個人で作るには、紙の本はハードルが高いけれど、電子書籍なら作れる。
執筆やデザイン以外にコーディングの知識も必要になりましたが、ブログで培った経験も役立って、何とか完成まで漕ぎ着けることができました。
思いの外、制作に時間がかかってしまったのは誤算でしたが、まずは最後までやり遂げられた自分を祝いながら、この本の前途を見守っていきたいと思います。
Kindle Unlimitedなら無料!『台湾でパレードを』は、Kindleストア限定で発売中です。

2014年から2024年。台湾各地のパレードを記録した書籍『台湾でパレードを:台湾各地のLGBTプライドを歩いた10年間の旅日記』は、AmazonのKindleストアにて発売中です。
アジア最大級のパレードが開催されている台北はもちろん、台中や台南、高雄、花蓮、宜蘭、台東などのパレードも含む上下巻(全22章)構成となっています。
台湾はどんな困難を乗り越えて、同性カップルの結婚実現へと至ったのか?実現後には、どんな課題が残されていたのか?社会の変遷ともリンクさせながら、パレードを通して見た台湾激動の10年を200枚以上の写真と共に綴っています。
Kindle Unlimitedにご加入の方は、無料でもお読みいただけますので、ぜひお手に取っていただけると嬉しいです。


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