
もう二度とお会いできないからこそ、今ここで正直に告白させてください。
こんにちは!あと一週間ほどで台湾在住丸5年が経とうとしているMae(@qianheshu)です。
さてさて、台湾に5年も住んでいると、いろいろとやらかしたこともありまして。
特に、街で偶然に出会った旅行客の方とのやりとりは、一回きりのチャンスしかない分(マイナスの意味で?)思い入れの深い経験がいくつか思い浮かびます。
士林夜市で出会ったお姉さま方、豆花店で相席になったご夫婦の方、いかがお過ごしでしょうか。
そのままにしておくのも心残りなので、(このブログをご覧になってはいないかもしれませんが)今日はこの場を借りて、あの時出会ったみなさまに懺悔させていただきます。
この記事をお読みのみなさまも、僕と同様の過ちを犯さぬよう、くれぐれもお気をつけくださいね。
台湾南部に謎の珍味を生み出してしまってゴメンなさい。
台北最大の有名夜市・士林夜市でブログのネタさがしをしていた時のお話です。
おいしいグルメを発掘しようと、その日は夜ごはんを兼ねて、
目ぼしいお店を見つけては入ってみる、ということを1人繰り返しておりました。
夜市のメイン通りから脇道に入ってみると、何やら老舗っぽい出で立ちのお店が。
週末の夜ごはん時ということもあって、店内は行列ができるほどの大盛況ぶりでした。
「この人気ぶりは、相当おいしいものが頂けるに違いない!」
早速、列の最後尾に加わって、テーブルが空くのを待つことにしました。
5分ほど並んだところで、店員さんから席が空いたとのお知らせ。
促されるままに着席し、オーダーも無事に終えて、ふぅと一息ついていました。
この時相席になったのは、僕よりもやや年上に見える女性2人組。
どうやら、士林夜市へ観光で来ている日本人のお姉さま方のようです。
このお店の看板メニューは「藥燉排骨」というちょっとクセのあるグルメ。
「さて、果たしてお口に合うのかなあ~」と、彼女たちの反応をチラ見しておりました。
「お~っ!コレおいしいね~っ!」
耳に入ってきた言葉に、なぜか自分が褒められたかのようにうれしくなってしまう
台湾大好き日本人の僕。
「よかったよかった。」と胸をなでおろしながら、
目の前に運ばれてきたばかりの料理に取りかかり始めました。
しばらくして、先に食べ終わったお姉さま方。
手持ち無沙汰になったのか、
正面に座っている僕の食べているものを、おもむろにウォッチング開始。
目の前の男子がすすり始めた麵線(台湾式そうめん)に、熱い好奇の眼差しが注がれます。
もともと下手くそな箸づかいが、さらにぎこちなくなるのを感じずにはいられません。
気になりすぎて、時にお箸までかじってしまいながらも、ようやく半分くらいまで食べ進めた頃。
突然聞こえてきた「Excuse me」。
ついにお姉さま方が、僕にアプローチを仕掛けてきましたよ。
…これはもう、白状するほかありません。
女性A:「Can you speak English?」
Mae:「あ、僕は日本人ですよ。」
女性B:「え~!ホント!すごい~!お一人でご旅行ですか?」
Mae:「いえ、台北に住んでいます。」
女性A:「へぇ~すご~い!!!そうなんだー!!!」
どこから来たのか、どうして台湾に住んでいるのか、夜市にはよく来るのか。
漢方スープの排骨に骨ごとしゃぶりつきながら、話は思いのほかにスムーズに進んでいきます。
「じゃあ、台湾で一番好きな食べものって何ですか?」
彼女たちから放たれたこの質問に、差しかかるまでは。
Mae:「う~ん、たくさんありますけど、
僕の一番好きなものは台北では食べられないものなんですよ。」
女性A:「え~!なになに???知りた~い!」
Mae:「なんて言えばいいのかなあ… 魚の麺なんですけど。」
台湾人の友達にも「変わってるね 笑」とよく言われるのですが、
僕が一番好きな台湾の食べものは「鱔魚意麵」。
カップ麺誕生のヒントになったと言われる「意麵」という揚げた麺と、
タウナギという魚の切り身を一緒に炒めた料理です。
台北でも何軒か探してはみたものの、どのお店も南部で食べた味とはどこかが違っていて、
真においしい鱔魚意麵はやっぱり本場でないと食べられないのかな、
と言う結論に今では至っています。
ただ、ここで「鱔魚意麵」の名前を出したとしても、
きっと目の前のお姉さま方には想像がしにくいだろう。
そう思った挙句、簡単に省略して「魚の麺」とお教えすることにしました。
ところが…
女性A:「へえ~!すごいすご〜い!それって、やっぱり珍味的なものなの?」
女性B:「深いね!さすが台湾!」
・・・?
確かに、日本では「魚を使った麺」というとちょっと珍しいかもしれませんが、
珍味というほどのものかなあ?と頭をひねる僕。
小骨が食道につっかえたような、このモヤモヤ感はなんなのだろう。
一人悶々としているうちに「じゃあ、私たちはこれで。」と、
お姉さまたちは夜市の賑わいの中へと溶け込んでいきました。
2人が去った後も、すっきりとしない気持ちで先ほどのやり取りを反芻する僕。
なぜ、珍味と思われてしまったのだろう???
残り三口ほどになった麵線をすすりながらぼんやりと考えを巡らせていると、
突然「ハッ!」と閃きました。
よくよく思い起こしてみると、彼女たちはこんなことも口にしていたのです。
女性B:「(珍味って)そうかなあ~ でも日本にもマグロの目とかあるじゃない?」
…マグロの目
…目
…め
…「めっ」!!!
そうかっ!!!
周囲が騒がし過ぎたのと、もともと滑舌の良くない僕の発音が相まって、
「麺(めん)」を「目(め)」と聞き取られてしまったに違いない!
「なんて言えばいいのかなあ… 魚の「目」なんですけど。」
なるほどっ!!!どおりで驚くわけだ!
「珍味」などとおっしゃるわけだ!
しかし、時すでに遅し。
お姉さまたちはきっともう、広大な士林夜市のどこかで、
かき氷など嗜んでいるに違いないのです。
どうしよう、台湾南部に「魚の目」を使ったまだ見ぬ新グルメを生み出してしもうた…
次回の台湾旅行で、彼女たちが「魚の目」をお目当てに南部行きを決めてしまいやしないかと
ドキドキです。いや、南部ならもしや、本当にあるのかもしれぬが…
士林夜市で出会ったお姉さまたち、そして台湾南部のみなさん、ゴメンなさい。
もし「炒虱目魚眼(サバヒーの目炒め)」などオーダーしようとする日本人に出くわしたら、
僕のせいかもしれません。
豆花屋さんで聴き耳立てちゃってゴメンなさい。
僕の会社の近くに、台北でも指折りに大好きな豆花のお店があるのですが、
そこでボーイフレンドと一緒におやつを食べていた時のこと。
ガイドブックにも紹介されているのか、日本人のお客さんも頻繁にやって来るお店なのですが、
その日もご夫婦と思しき旅行客の方と偶然相席になりました。
どうやら僕が日本人ということには気づいておられない様子で、
台湾旅行での感想について、お2人のおしゃべりが奔放に展開されることになります。
妻:「おいしい~!でも何か、台湾着いてから食べてばっかだね 笑」
夫:「そうだね。さっきのタピオカのやつもうまかったけど、そろそろおなかきついわ。」
妻:「ははっ、確かに 笑 なんか台湾のデザートって”豆”ばっかりだよねー。
豆しか食べてない気するわ 笑」
おおっ!なるほど!言われてみれば、そのとおり。
紅豆、綠豆、花豆…
台湾式デザートのトッピングは豆類のオンパレードです。
豆花だって大豆から作られていることを考えると、一碗の豆比率は下手したら90%超えますね。
あ~、それ盲点だったわ~。
妻:「あとさ~、もっといっぱい出くわすかと思ったけど、
日本人意外と見かけないね。」
夫:「うん、101行った時くらいじゃない?」
…えっ!?
いやっ、あなたの10cmとなりに座っているの、
エンジ色の10年パスポート所持のがっつりジャパニーズですけれどもっ!
と心の中でツッコミつつ、自身のルックス台湾男子化に関して、
タピオカのごとく確実な歯ごたえを持って確信した瞬間。
「実は僕、日本人なんですが…」とそろそろ教えてあげようかとも思いましたが、
逆にお互いに決まりが悪くなりそうなので、だんまりを決め込むことにします。
その後もご夫婦二人の会話は続き、ふと視線の先に捉えられた我々2人。
ついに彼らの会話に、僕たちの話題が登ることになります。
妻:「男2人でスイーツって日本ではなかなかないよね~。」
夫:「確かに 笑 台湾ではフツーなのかな?」
妻:「あなた、行ける?」
夫:「いやいやいや 笑 居酒屋くらいは行くけど、スイーツは無理やわ~」
いやいやいや、って 笑
だって、僕たちカップルですもん 笑
2人で豆花一碗シェアするくらいは日常茶飯事ですよ~。
なんなら、今ここでボーイフレンドに「あ~ん♥」でもしてみましょうか?
どんな反応が返ってくるだろうかと、想像してニマッとしてみたり。
最終的にそこまではしませんでしたが、
「男子2人がカップルという可能性だって十分にあるんです!」という意思表示の意味でも、
むしろそれはやっておけばよかったかもしれません 笑
この世は「同志無所不在(ゲイ(LGBT)のいない場所など存在しない)」なのですから。
そもそも、台湾ではストレート男子2人でも一緒にかき氷シェアしたりするのは普通なので、
「男子2人でスイーツ」に特別な意味はなかったりもしますが。
その後、ご夫婦は先にお店を後にしましたが、今隣で起こった出来事に思わず、
ボーイフレンドと目を見合わせてニヤニヤしてしまいました 笑
聴き耳立ててしまって、ゴメンなさい。
でも、10cmの至近距離で聞かない方が無理だった上に、
たまたま日本語が分かってしまったので、仕方なかったのです。
それに、内容がツッコミどころ満載でしたし、
僕ら2人まで登場してしまったからには、全くの無関心でいられなかったのです。
会話を聴いてしまうのが良い悪いは別にして、
こういうところからも新しい発見や日本の現状が垣間見えるようで、
おもしろいなと僕は不謹慎ながら思ってしまいます。
言葉を分かる人が周りのどこにいるかは分からないので、
海外旅行といえども、デリケートな話はやはりプライベートなところでしましょうね。
まとめ
今日は、台北在住の僕が偶然出会った日本人旅行客のみなさまに
懺悔させていただきたい2つのことをシェアしてみました。
「珍味を生み出しちゃった」のも「聴き耳立てちゃった」のも申し訳なく思っておりますが、
本当にわざとじゃないんです。
士林夜市で出会ったお姉さま方、豆花店で相席になったご夫婦の方、
どうかどうかお許しくださいますように!
そして、台湾は海外旅行先ランキングでもNo.1に輝くほどの人気ということもあって、
日本人同士がたまたま遭遇する機会は他の国以上に高いのではないかと想像します。
そういう瞬間に、偶然のコミュニケーションや発見を楽しむのもまた一興。
また逆に、知らず知らずのうちに周りの人を傷つけたり、
ショックを与えるような行動を取っていることもあるかもしれませんので、
最低限のマナーや発言には注意した上でご旅行を楽しんでくださいね!
▼こちらの記事もよくお読みいただいています!▼
今回も楽しく読ませていただきました。
自分はMRTでガイドブック観てたところ、日本語が話せる台湾男子に延々と話しかけられるという経験があります。笑
台湾では日本語が解る、話せる台湾人も多いので日本語が解らないだろうと思って喋るのってほんと注意しないといけないですよね。
ですよね。場合によっては僕のような現地在住日本人にあたることもあるわけですし 笑
こんにちは。
東京は秋雨前線が停滞中のようで、今週は雨が降ったり止んだりのお天気のようです。
私はいつも一人旅なのですが、チープな場所に行くのが好きなで、日本人のトラベラーにあう事は珍しいのです。
ですが、どの国へ行っても、異国に来ている観光客であろう方々から、母国語もしくは英語でガイドブックを見せられて、道を聞かれます(笑)。
おそらく、現地の方ってよりも、かなりみすぼらしい?服装でいるからかな。
日本で着古して、捨ててきてもいいような服を着用しているので、いかにもトラベラーには見られないのは確かなのです。
※一人旅のため、目立たないようにしているのですが。
英語は単語しか発せないですが、地図を見るのは得意なのでなんとか、ご案内できていると思い込んでいます。
何よりも言葉が通じているかが、心配です。
台湾の方のように、道を聞いただけで親切にお店まで連れて行ってあげたりとは、いきませんが(笑)。