スポンサーリンク


同性カップルとして子供を持つことについて考えてみた。

手をつなぐ親子
Pocket

保育園のお迎えへ「2人のパパ(ママ)」がごく普通に現れる未来を思い描いてみたことはありますか?

こんにちは。台湾男子とお付き合いすること間もなく5年、台北在住の日本男子Mae(@qianheshu)です。

先日、ボーイフレンドの兵役がまもなく終了するということで、新居への引っ越し手伝いをしていたときのこと。

彼のお父さんも現地にかけつけて3人がかりで荷物をまとめ、移動中の車内でおしゃべりをしながら過ごしておりました。

そのときに話題として出て来たのが「傳宗接代」というキーワード。

つまり、「子供を持つこと」についての僕の考えを尋ねられたのでした。

台湾では2年以内での同性婚合法化が決定され、同性カップルにとっても子供を育てるという未来が身近なことになりつつあります。

ゲイの息子を持つ親としては当然気になる話題であると思うのですが、残念なことに、僕はうまくその質問に答えることができませんでした。

引っ越し作業が終わってからも、頭の中をぐるぐると駆け巡りつづけていたお父さんの言葉。

今日は、ゲイカップルとして子供を持つことについて僕が考えたことをシェアしてみたいと思います。


スポンサーリンク

 

ゲイカップルに訪れるライフデザインの変化。

台灣同志遊行(台湾LGBTプライド)2016のパレードで掲げられるメッセージ「讓同志合法擁有自己的寶寶」

これまで、アジアには同性婚を法律的に認める国は存在しておらず、

アジア圏に生きるゲイカップルにとって「結婚」という選択肢は存在しないものでした。

 

婚姻関係が認められない以上、

パートナーと2人で共に子供を育てることが現実的な選択ではなかったのです。

 

しかし、台湾の法律改正はついに同性カップルにも婚姻を認める方向に動き出し、

2年以内に実現されることが約束されました。

 

これは、ゲイ(LGBT)のライフデザインが劇的な変化を見せることになる、

とてつもないインパクトを持った出来事。

 

望みさえすれば、法律上の保障もついた上で、

同性カップルも「子供を育てる」未来を思い描けるようになりました。

 

では、僕は「自分の子供を持つ」ということについて

今まで全く考えたことがなかったのかというと、そうではありません。

 

「考えないようにしていた」というのが、正しい表現かもしれません。

 

異性カップルと同様に生活していたとしても、同様に愛し合っていたとしても、

自身の子供を持てる可能性はゼロ。

 

「どうして、僕には彼らと同じ人生を歩む権利がないのだろう。」

 

それは、「辛い」という言葉だけでは表せきれないくらい、

どうにも晴らすことのできない闇を僕の心にもたらすものでした。

 

いくら望んでも手に入らないものを望み続けることほど、

悲しい生き方はないのだと痛感しました。

 

いつしか、「子供を持つ」という未来について、考えることを辞めてしまっていました。

 

僕が彼のお父さんの質問にはっきりと答えられなかった理由も、ここにあったのです。

 

確かにお父さんの言う通り、今後はゲイカップルにとっても現実的に十分可能性のある選択。

 

「それ(子供について)は、考えなくてはいけないことだろう。」

 

との鋭い指摘に、ハッとさせられたのでした。

 

「代理母出産」で遺伝子を遺す?

妊娠した女性のおなか

ただし、同性婚ができるようになるからといっても、「自分の遺伝子を残す」という意味では、

ゲイカップルにとってかなり厳しい道であることには違いありません。

 

2人とも男性のカラダの仕組みである以上、自ら子供を産むことはできないからです。

 

自分の遺伝子を受け継いだ子供を持ちたい時、

ゲイカップルの場合は「代理母出産」という制度を選択することになります。

 

「代理」とあるように、「子供を産む」という過程を、1人の女性にお願いする制度です。

 

卵子提供と人工授精を受けた上で、自分の遺伝子情報を含んだ受精卵を、

女性(代理母)の胎内で育ててもらうことになります。

 

関連冊子やネットなどで調べてみた中からアメリカの制度を例にすると、

費用は少なくとも10万ドル(=約1,120万円)以上

 

代理母になっていただく女性自身の生命に多大なる負担やリスクがかかることを考えると、

この値段が高いかどうかというのは問題ではないと僕は思っています。

 

しかし、仮に十分な経済力があったとして、この選択肢を選ぶかどうか。

 

僕は、きっと選ばないと思います。

 

妊娠は女性の人生やカラダにとって、

男性には計り知れないほどの凄まじい影響を与えるはずなのです。

 

自身の「遺伝子を継ぐ」という目的のために、

パートナーとは別の1人の女性に命をかけてもらうという決断は、

僕にはどうしてもできそうにありません。

 

もちろん、どうしても遺伝子を引き継いだ子供を持ちたいという方は

必ずおられることと思うので、そういう方たちのためにも

法律や制度の面で討論が進んでほしいという思いはあります。

 

台湾で「養子縁組」した子供の日本での立場は?

手をつなぐ親子

そうなると、もう一つの方法として考えられるのは「養子をもらう」こと。

 

同性婚が正式に認められれば、法律上も「両親」として2人で子育てができるようになり、

養子をもらうということに対してのハードルも下がってくるものと思われます。

 

子供を持つという決断において僕が採るとするなら、

おそらく「養子縁組」が最も理想的ではないかと、今は感じています。

 

しかし、ここで新しい疑問が浮かんできました。

 

台湾で同性婚の法制化が完了したとしても、

僕の母国である日本では依然として認められていないまま。

 

この場合、台湾にて迎え入れた子供の「日本での立場」はどうなるのでしょうか。

 

いてもたってもいられなくなって、将来お世話になるかもしれない

故郷の市役所に問い合わせてみることにしました。

 

お答えを受けた結果から記しておくと、

「親子として認められる可能性はある」ということでした。

 

養子を迎え入れた場合は、台湾での養子縁組制度が日本の現行法制度の条件を満たしていれば、

「実の親子」と同様の法的な保障を受けることができるようです。

 

しかし、台湾の法律で「結婚」が養子縁組の前提条件となっている場合は、

認められない可能性もあるとのこと。

 

というのも、日本で法制度が整っていない以上、

仮に台湾でパートナーと婚姻関係になったとしても、

日本での戸籍上は残念ながら「全くの他人」に。

 

日本では婚姻関係が認められないため、

「親子」としての関係も認められないというロジックのようです。

 

また、台湾では「両親」として迎え入れている場合も、

日本の戸籍上パートナーとの関係は赤の他人ですから、

「2人」の子供として認められるのも難しそうです。

 

「台湾と日本の2国間で、

 子供を法的にどのような立場として認めてもらうのか?」

 

「「両親」としてが無理なのであれば、

 「片親」としての親子関係なら認められるのかどうか?」

 

可能性がある以上、この部分は来るべき時のためにも、

これからもっと詳しく調べてみたいと思っています。

 

同性カップルの子供はイジメられる?

高雄同志大遊行(高雄レインボープライド)2016のパレードでレインボーフラッグを持って歩く親子

以前【同性婚合法化目前の台湾でゲイカップルの未来を想像してみた。】という記事でも、

「子供を持てるようになる」ということについて触れているのですが、

先日、こんなコメントをいただいたことがありました。

 

要約すると、次のような内容のものでした。

 

「(同性カップルを親に持つことになる)

 子供の立場に立って考えたことがありますか?

 両親ともに男性、女性であることを知られてしまったら、

 イジメなどにあう可能性が高くなるのは否定できないと思います。」

 

キレイごとでなく率直に言えば、もちろんその可能性がゼロとは僕も全く思いません。

 

同性婚合法化が約束されている台湾でも、

LGBTという言葉がよく聞かれるようになってきた日本でも、

理解のある方たちばかりが社会を構成しているわけではありませんから、

不安を感じてしまうのはよく分かります。

 

しかし、同様の意見をお持ちの方がいらっしゃるなら、ぜひ考えていただきたいことがあります。

 

経済的に不自由のない家庭に育つ子もいれば、

毎日の生活にことかくような家庭に育つ子もいます。

 

両親ともに仲睦まじい家庭に育つ子もいれば、

両親の離婚や不幸などで片親や親戚に引き取られて育つ子もいます。

 

日本人同士の両親の元で育つ子もいれば、

外国人の親を持つ家庭で育つ子だっています。

 

「あの子のうちはお金がない」、

「あの子のうちはお母さんしかいない」、

「あの子のお父さんは理解不能な言語を話す」。

 

誰の学生時代にも、クラスメイトにそういう子の1人や2人は

(知っていた、いないに関わらず)必ず存在していたと思うのです。

 

周りが田んぼに囲まれた田舎の学校に通っていた僕でも、何人かの顔は浮かんできます。

 

あなたの頭に浮かんだそんなクラスメイトたちは、みんなイジメられていましたか?

あるいは、あなたはそれを理由に彼らをイジメていましたか?

 

イジメていた経験があるのだとしたら、あなたはその過去を今、どう感じていますか?

 

また、自分の子供がもしも、そういう理由で他のクラスメイトをイジメていたとしたら?

あなたは自分の子供に、どんな気持ちを抱きますか?

 

一人の例外もなく誰もが、自ら選んだわけではない、

必ずしも自分の望み通りにはいかない家庭環境の中で子供時代を過ごし、

考え、学び、時には親や学校、社会との不和を体験しながら、

少しずつ大きく、強くなってきたはずなのです。

 

「子供の立場に立って考える」のであれば、

子供たちの未来がより居心地の良い社会になることを本当に心から望んでいるのであれば、

これらの疑問に対して浮かんだ答えを、

まずは自らの子供たちに語ってあげることから始めてみてはいかがでしょうか。

 

あるいは、日本で最近話題になったこちらの同性カップルの養育里親認定に関する記事に

目を通してみるのも良いかもしれません。

 

まとめ

台灣同志遊行(台湾LGBTプライド)2015のパレードでレインボーフラッグを羽織るカップル

今日は、ゲイカップルとして子供を持つことについて僕が考えたこと

をシェアしてみました。

 

制度的なことから、個人的に思うところまで、

若干まとまりのない内容になってしまったかもしれませんが、

台湾人ボーイフレンドのお父さんの一言を聞いて以来、

様々な思いや疑問が頭の中を駆け巡り続けていました。

 

社会の状況がどうであれ、ゲイであっても子供を持てる未来が、

もうすぐ台湾では実現されることになります。

 

日本でもLGBTに関する議論が高まりを見せている今だからこそ、

僕を含む当事者の方はもちろん、この世界に生きる一人一人が

「多様な未来」に向けて考える時間を作ることが大切ではないか、と思わずにはいられません。

 

あの日お父さんから放たれた一言は、今も止まることなく脳内をグルグルと回り続けています。

 

僕も未来に向けてどういう答えを出すことになるのかはまだ決まっていませんが、

少しずつでも自分の人生について考えをまとめていかなくてはと、気づかされたところです。

 

それでは、今日はこのあたりで。

※記事中の日本円表記は1ドル=112円で計算しています。(2017年7月現在)

 

▼こちらの記事もよくお読みいただいています!▼

→同性婚合法化目前の台湾でゲイカップルの未来を想像してみた。

→台湾人彼氏の父親と僕が初対面した不思議な一日のお話。

→付き合って4年になる僕の台湾人彼氏を紹介します。

→国際ゲイカップルに同性婚合法化が必要なたった1つの理由。

→自分がゲイであることを改めて実感させられる5つの瞬間。

 

Pocket


スポンサーリンク


▼台湾のホテルを今すぐチェック!▼

SNSでも更新情報お届け中。



コメント

  1. 質問 より:

    教えてください。
    今日から同性伴侶法が一部改定されたと思いますが、外国人と台湾人カップルの場合、外国人に居留証を申請する権利が発生したのでしょうか?

    1. kazukimae より:

      同性伴侶註記(日本の同性パートナーシップ条例にあたる)で、「家屬」と認められるようになるかもしれないというお話があります。
      目標は7月3日とされていましたが、実際にはまだ実施にこぎつけられていないようです。

      http://www.upmedia.mg/news_info.php?SerialNo=19712

      こちらの記事を見てみますと、
      「海外にて同性婚をしている国際カップルであっても、「家屬」の身分だけでは居留は認められない」とあります。
      現段階ではやはり同性伴侶註記制度を利用したとしても、居留証申請の権利は認められないようです。

      婚姻により「配偶」と認められることで、ようやくビザ申請の権利が得られるようになると考えられます。

  2. 質問 より:

    とてつもなく早い回答ありがとうございます!
    とても参考になりました。
    中国語ができないので助かりました!
    台湾人の恋人がいるくせに。。笑
    本当にありがとうございます!

コメントを残す

*