いまさら人に聞けない?「台湾の基本」をまとめてみました(後編)

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金メダル

台湾はリオオリンピックでいくつメダルを獲得しているか、答えられますか? 

こんにちは!ポケモンGOの影響で街じゅうが「低頭族」で溢れかえっている台北からお送りしております、Mae(@qianheshu)です。

さて、今日は前回に引き続いて、いまさら人に聞けない「台湾の基本」をご紹介していきますよ!

「台湾って選挙はあるの?」、「台湾ってオリンピックに参加しているの?」、「台湾は同性婚ができるの?」などなど、素朴な疑問に対するお答えを提供できるようまとめてみました。

お盆休みにシルバーウィークと、これから台湾に来られる方もたくさんおられるかと思いますので、お越しの前にちょっぴり台湾のことを予習してみませんか?

 

目次

台湾は民主主義の国。

投票

台湾は日本と同じく、投票によって国民が政治に参加できる「民主主義」の国です。

 

台湾では、国の政治のトップに立つ「総統」を選挙で国民が直接選びます。

日本で例えるなら、「総理大臣」を国民が投票で決めるという感じでしょうか。

 

記憶に新しい今年1月に行われた総統選挙で当選を果たしたのは、

台湾の歴史上初となる女性総統・蔡英文氏

 

台湾では親しみを込めて「小英(英ちゃん?)」と呼ばれることも多いです。

 

他にも、台湾の国会に相当する立法院の議員「立法委員」や、

日本でいう知事に当たる「縣長」「市長」などを選ぶ際にも選挙が行われます。

 

投票日の一年以上前から、巨大なポスターやら選挙カーやらが街じゅうに現れ始め、

選挙活動は日本以上に積極的かつド派手。

 

選挙の時期に台湾にやってくると、

 

「何の祭りだ?」

 

と誤解してしまいそうになるくらいパワーに漲っているので、

普段の台湾とは違う空気を感じられること間違いなしです。

 

台湾における「藍」と「綠」の意味。

台湾の藍(国民党)と綠(民進党)

台湾人の会話に耳を傾けてみると、ときおり聞こえてくるのが

「藍(ラン)」「綠(リュー)」という単語。

 

これは、台湾における2大政党のことを話しています。

 

「藍」は「国民党」、「綠」は「民進党」。

 

この言い方にならうなら、

前総統の馬英九氏は「藍」、現総統の蔡英文氏は「綠」となります。

 

2016年の選挙では、「綠」の民進党陣営が圧勝。

 

総統はもちろん、立法委員の過半数も民進党が抑え、

国民党が多数派だった台湾の政治に「チェンジ」の波が押し寄せた、

台湾史に残る激動の1日となりました。

 

しかし、最近ではこの「藍」「綠」という考え方に疑問を投げかける世代も増加中。

 

ひまわり学生運動から生まれた「時代力量」や、

社会的マイノリティーの間で支持を広げる「綠黨」

あるいは「無所属」での出馬など、

「色」にとらわれない勢力も存在感を増してきています。

 

とは言え、青や緑のTシャツを着ているからといって

「〇〇党支持派」とみなされるようなことはありませんので、ご安心を。

 

台湾は「国」と認められていない。

台湾国旗

前編でもこの記事の中でも「国」という言葉を使っていますが、

実は国際的には残念なことに、台湾は「国」と認められていません。

 

独自の憲法があり、法律があり、政治があり、

選挙が行われているにもかかわらず、です。

 

その理由は、「国際連合」に加盟していない(できない)から。

 

台湾史の専門家でもない僕がここで詳しいことを語るのは控えますが、

 

現在台湾を統治している「中華民國」の歴史、

海峡を挟んだ対岸にある「中華人民共和国」との関係、

 

など、とにかく様々な要因が複雑に絡み合って今の状態が保たれているのだ、

と、ひとまず理解しておいてください。

 

例えば、日本で台湾のビザを発給しに行くときに利用する場所は

「台北経済文化代表処」と呼ばれていて、「大使館」ではありません。

 

それもひとえに、「国」と認められていないからに他ならないのです。

 

しかし、システムとしては紛れもなく「一つの国家」そのものなので、

僕は台湾を「国」と呼ぶことにしています。

 

台湾には世界遺産がない。

台湾の世界遺産級スポット「太魯閣國家公園」

台湾には「太魯閣國家公園(タロコ)」「玉山國家公園」に代表される美しい自然資源、

「金門」「馬祖」に残る歴史的価値の高い文化資源がたくさんあります。

 

僕も先日初めてタロコを訪ねてみましたが、

圧倒的なスケールの大自然に圧倒されっぱなし。

 

世界遺産と言われても納得のいく、

有無を言わせぬ猛々しい景観がそこには広がっていました。

 

しかし、国際的に「国」と認められていない台湾。

 

どれだけ価値ある資源を保有していようとも、

世界遺産への登録申請資格がないのです。

 

そのため、現時点では台湾の世界遺産は「0」

 

なのですが、

 

「世界に誇れる場所は

 台湾にもたくさんあるぞーっ!!!」

 

ということを、僕は声を大にしてお伝えしておきます。

 

チャイニーズ・タイペイは台湾代表選手団。

金メダル

現在ちょうどリオオリンピックが開催中なので、タイムリーな話題を一つ。

 

台湾もオリンピックに出場していること、みなさんご存知ですか?

 

「チャイニーズ・タイペイ」という名前、今テレビから流れてきていませんか?

 

実はこの「チャイニーズ・タイペイ」台湾の代表選手団です。

 

オリンピック以外でも、世界規模のスポーツの祭典に参加する際には

よくこの名前が使われています。

 

「台湾」として参加できない理由もひとえに、「国」を名乗れない国際的な立場ゆえ。

 

「あれ、台湾出てないじゃん!?」

 

と、誤解していた台湾好きのあなたはぜひ、

「チャイニーズ・タイペイ」に声援を贈りましょう!

 

台湾はアジア屈指のLGBT先進国。

にじいろハート

【僕が台湾で暮らすことを選んだ5つの理由。】でも触れていますが、

台湾はアジアでもトップクラスのLGBTフレンドリー国です。

 

ゲイタウンとして知られる西門町はもちろん、東區に信義區、はたまた夜市まで。

 

最近ではどこへ行っても、手をつないで仲良く歩く同性カップルを

ますます頻繁に見かけるようになりました。

 

市民の間でも政治の場でも、LGBTの権利に関する話題は

(賛成・反対は問わず)いたるところで討論されています。

 

また毎年10月に台北で開催される「台灣同志遊行(台湾LGBTプライド)」には、

アジア最大級となる8万人近くが参加。

 

「今年は初の10万人超えもあり得るのでは?」

 

と、開催前から注目を集めています。

 

2016年は2ヶ月後の10月29日(土)開催ですので、

まだ飛行機を予約していない方はお急ぎくださいね!

 

台湾は同性婚が認められていない。

同性婚する男性二人のカップル

東京・渋谷区から始まった「同性パートナシップ制度」は、

台湾でも台北、台中、台南、高雄などの大都市を始め全国10都市で開始されています。

 

ただ、この制度には法的な保証は含まれておらず、

カップルであるという証明を発行するに留まっています。

 

さらに一歩進んで、

法的にもパートナーとして認められるための「同性婚」となると、

アジアのLGBT先進国と言われる台湾でも未だ実現していません。

 

昨年2015年にも草案が提出されたものの、残念ながら可決には至りませんでした。

 

しかし2016年を迎えた今、

台湾の同性婚実現の可能性はかつてないほどに高まっています。

 

5月に総統に就任した蔡英文氏は、

Facebook上で「婚姻平權(婚姻平等の権利)」支持の立場を表明。

 

同じく同性婚支持を表明している立法委員は40%近くに達しており、

まだ立場を明らかにしていない委員たちの動き次第では、

過半数を超える可能性も0ではありません。

 

今年中に再び草案が提出される予定となっており、その動向に注目が集まっています。

 

もし可決されれば、アジア初の快挙!

 

台湾に暮らすLGBTの一人として、期待せずにはいられません!

 

まとめ

 

今日は、いまさら人に聞けない「台湾の基本」(後編)をまとめてみました。

 

前編・後編と2回にわたってご紹介してまいりましたが、

まだ台湾には来られたことがないという方も、台湾大好きリピーターの方も、

ご参考いただけましたでしょうか?

 

旅行で数日訪れる程度であれば、知っていなくても楽しめるには違いありません

 

しかし、より深い意味での「相互理解」に踏み込むためには、

ぜひ知っておいていただきたいことばかりなので、

僕自身の台湾への理解度を確認する意味でもここに書き記してみました。

 

どこかでお役に立てることを祈りつつ、

今日も「台湾の新発見」目指して、街へ繰り出してまいりたいと思います!

 

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